2013年04月30日

上海崇明島のカリフラワー農家の悲哀

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 春先に上海郊外の崇明島にいくと、見渡す限りのカリフラワー畑が広がっているのを見かけます。時には、道ばたに捨てられていたりして、値段が暴落して大変だという話も耳にしました。

 そもそも、上海料理ではあまりカリフラワーは食べないのですが、ここでできるカリフラワーの8割は、中国北方エリアに運ばれているのだそうです。ただ、今年は、異常気象のためか、北方でもかなり早い時期にカリフラワーが収穫されるようになり、北方へ輸送して売るといういつものやり方では商売が難しくなったのだそうです。

 さらに、今年の春は、上海とその近郊でも気温のバランスがよくなく、あっというまにカリフラワーが生長してしまい、売るのが追いつかないような状態になってしまったという話も聞きました。

 しかし、だからといって我々が食にするカリフラワーは決して安くないのもまた事実。農民では500グラムあたり0.2〜0.3元程度で買い取られているカリフラワーが、消費者が買う頃には1.5〜5.4元にも値がつりあがっています。「有機」という文字がつけば、さらに500グラムあたり10〜20元にもなっています。この差は尋常ではありません。その結果、農民は野菜を作っても儲けられないし、消費者は高い野菜を買わされるというジレンマに。人件費や輸送費もばかになりませんが、中間で儲けている商人も多いようですね。

 食に対するニーズの違いで、農業をビジネスとしてはじめる人が中国でも出始めていますが、収穫量のコントロールが難しいだけに、一筋縄ではいかないのもまた現実です。そして、なによりも長江下流に浮かぶ崇明島は、海にも近いため土壌があまりよくなく、農作物の栽培が難しく、じつは栽培できる野菜の品種も非常に限られています。


posted by 藤田 康介 at 15:44| Comment(0) | 中国で食べる

2013年04月24日

2013年の上海モーターショー

 今朝の上海の大気汚染の状況はよくありません。
 今朝の上海浦東新区世紀公園の大気の状況。AQIは145で軽度の汚染、PM2.5は98、PM10は107.6、大気の状況は思わしくないですね。遠くのビルももやっています。典型的なスモッグな1日の始まりですね。

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 上海で2年に1回開催されている上海モーターショーには、毎回顔を出していますが、今年もやっぱり行ってきました。会場となる上海新国際博覧中心も、会を重ねるごとに巨大化し、全体を歩き回るだけでもかなりの運動量になります。今回も、すべてのパビリオンをフル稼働させての開催となっていました。隣のケリーセンターの駐車場もいっぱいになっており、私は自宅から自転車で出かけました。

 報道によると、展示されているクルマだけで1300台もあり、何億円もするようなクルマも登場、しかもそうしたクルマにも予約が入ってしまうというのはいつものこと。こうしたモーターショーに見に来ると、なにか自分がそうしたクルマを運転しているような錯覚になってしまい、なんか楽しい。ちょうど、住宅展示場やモデルハウスを見に行くような楽しみですね。

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 そういう私も、前回の上海モーターショーで妻と一緒に各社のクルマを見て回り、今のクルマを購入したいきさつがあります。実際に世界各国のメーカーのクルマを触ることができるチャンスはそうめったにありませんからね。

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 日中関係がいろいろ言われている昨今ですが、日本の自動車メーカーもかなりの規模の展示を出しており、見応えがありました。特に、トヨタなどは車椅子をのせることができる福祉用車両も展示しており、欧米の自動車メーカーとはちょっと違う視点もあったりしました。ただ、トヨタのお姉様は作業服のつなぎをきて解説していたのにはちょっと驚き。そこまでしなくてもいいとは思いますが。

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 モーターショーといえば、お姉様目当てのカメラマンがわんさかやってくるのですが、場外では、お姉様を連れ出して撮影に専念している人たちもおりました。

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 今年は総じてファッションも控えめでしたが、さすがに高級車はエレガントな雰囲気を出していました。BMWのブースでは、西洋人の男性も多数起用されていました。たしかに、BMWはすらっとしたお兄さんが合いますね。

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 私は上海で日産のクルマを乗っていますが、正直「反日」で困ったことは一度もありませんし、今後も乗り続けると思います。サイズ的にも丁度いいし、燃費もなかなか。値段の高いハイブリッドに乗り換えても、ガソリン代から計算すると全然割が合わないのが今の中国の実情だと思います。

 確かに、今や300万円以上の高級車が売れる台数は、2012年では中国がアメリカについで世界第2位。近い将来、アメリカを追い抜くのではないかと言われています。

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(GTRはすごい人気だった)
 中国経済が疲弊し始めているといわれていますが、経済発展が全国に行き渡るのに時間がかかるのと同様、経済の疲弊が全国に行き渡るには同様に時間がかかります。クルマにしたって、まだまだ欲しい人が沢山いるわけで、日本みたいに全国で飽和状態になるのはまだまだ先でしょう。
 そもそも、日本と違って、中国のように国土が広いということは、移動にお金がかかるわけで、そのためにクルマは欠かせません。さらに、それぞれの所得や生活環境にあわせた様々な種類のクルマのニーズが中国にはあるわけで、自動車メーカーもどこに照準をあわせるのか、戦略が難しいところですね。だからこそ、この国でも頑張らなければならない。日系メーカーは、1〜2月は売り上げを落としたようですが、3月からは回復しているようです。

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(新しいサンタナ 完全にモデルチェンジしましたね)

 もう一つ、今回のモーターショーで、とくに中国のローカルメーカーが力をいれていたのが、スクールバスです。上海市も子供たちの安全のために、スクールバスの標準規格を出していますが、この規格にあわせた黄色のバスが沢山展示されていました。これも今後の新しいニーズになるのではないでしょうか。いつも父兄が仕事を早退したりしてクルマで送り迎えしている姿をみると、しっかりとしたスクールバスの運営は大切だと思いますし、なにより登下校の時間になると大渋滞する校門周辺の道路事情をなんとかして欲しいものですね。

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 余談ですが、日産のブースでは、私がクルマを買うときに担当してくれたディーラーと再会。こういうモーターショーにもかり出されるのですね。そして、見学していたら上海テレビのインタビューも受けました。聞かれた内容は、「小型車の発展について」。今は大型車が大人気の上海ですが、今後は小型車のニーズも高まるはずです。なんといっても駐車スペースが限られていますからね。私の回りでも、大型高級車と小型車を乗り分ける上海人が増えています。2台目のニーズとして、小型車の需要は確実に高まるはずです。

posted by 藤田 康介 at 08:23| Comment(0) | 上海の運転免許・クルマ・教習所

2013年04月17日

上海の大気汚染の状況が良くない&ベランダ汚染対策

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 鳥インフルエンザのニュースも騒がしいですが、大気汚染の状況も相変わらず。今朝は非常によくないですね。AQIは127、PM2.5は101、PM10は110.9、24時間のPM2.5濃度は96.3。しかもPM2.5のグラフはまだ上昇傾向。日本から戻ってきてまだ間が無いので、余計に感じるのかもしれません。なんせ、2〜3キロ先のビルですら真っ白ですから。 

 昨日、患者さんから日本人学校の小学六年生の修学旅行が、北京から香港に変わったと聞きました。今の状況を考えると、香港も結構大気汚染の善し悪しに波動が有り、一概になんとも言えませんが、心理的にはまだマシかも。

 そして、大気汚染問題とほこり対策のため、我が家でもついにやってしまいました。

 それは、ベランダをフタすることです。
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(Before)

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(After)

 本来はダメなのですが、上階も下階も設置されたので、我が家でも管理事務所に通達して設置しました。騒音対策とほこり・省エネ対策では、これが一番効果があります。ベランダにサッシを取り付けることに関しては、意外と色々な店が市内にあり、値段も1万元程度でできてしまいます。店選びは、ご近所を訪問してリサーチして決めました。

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 以前はプラスチックの素材が使われていましたが、今ではアルミサッシが普通です。こうすることで、網戸もつけられますし、なによりも2重サッシの効果で、大気汚染や雨のときでも、洗濯物を干すのが便利です。

 3月の下旬に採寸にこられ、2週間ほど待って4月8日に設置工事にきました。工事自体は半日程度の作業です。

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 ベランダは我が家では家庭菜園もしているので、夏野菜の準備も行っています。もともと、ベランダの中にはほとんど雨が入ってこないので、水やりはしないといけませんが、でも毎年、立派に野菜が育ちます。

 しかし、効果はてきめんですね。
 もともと騒音のあまりないエリアには住んでいますが、それでも偶に聞こえてくるクラクションが、今やぜんぜん聞こえてきません。より静かな住環境作りに一歩前進した感じです。

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(中国は太陽の下で洗濯物を干すことに拘ります。こういう風景もまだまだあります。)

 ついでに、IKEAへいってきて、LEDの電球を購入。明るさが蛍光灯と同じで、消費電力が三分の一というのは魅力です。しかも、モチが違う。いま、暖色系のLED電球が増えているので、選択肢が増えました。1個50〜60元ぐらいです。

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posted by 藤田 康介 at 00:23| Comment(3) | 上海の大気汚染状況