2013年04月16日

上海の大気汚染PM2.5の次は光化学スモッグ

 恩師をつれての日本旅行は、14日にご自宅までおくり届けることで無事終了し、私もいつもの日常生活に戻っています。日本から戻ってくると、上海の大気汚染がやたら目につくようになってしまいますが、これも馴れてしまえばどうってことないとはいえ、やっぱり気になります。

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 気温は一気に上昇し、今上海では最高気温が30℃までに。太陽の日差しも強く、このまま春が終わってしまいそうな予感ですが、今週はこれから気温が10℃以上下がるようで、まったくもって不安定で厄介な天気です。

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 我が家では、ベランダの家庭菜園に夏野菜を植えていますが、そのための土と有機肥料を浦東の孫橋までいって購入、新緑も目に優しく、良い感じになってきました。

 ただ、太陽の光が強くなってくると、気になるのが大気中のオゾンの濃度です。風があまり吹かなければ、PM2.5の濃度も上がるのですが、同様のオゾンの濃度も上昇し、いよいよ光化学スモッグに注意しなければならない季節になります。

 実は、その傾向は15日の汚染状況のグラフにも出ていて、午前9時ごろからオゾン濃度が急上昇、午後3時には1時間単位の測定値の限界となる200㎍/立方メートルを越えてしまいました。この結果、大気汚染の主要物質はPM2.5からオゾンに切り替わりました。

 光化学スモッグの主要成分となるオゾンは、クルマの排気ガスなどが原因。呼吸器への刺激、喘息や気管支炎の発作などとも関係があり、上海では毎年夏場になるとよく発生します。

 H7N9型鳥インフルエンザも大変ですが、もっと身近な大気汚染の問題は常時注意しておく必要があります。


posted by 藤田 康介 at 00:23| Comment(0) | 上海の大気汚染状況

2013年04月14日

そして無事上海へ戻る

 恩師の日本ご招待旅行5日目。

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 最終日は、関空9時40分初の朝の便だったので、6時半には自宅を出発して空港に向かいました。この日の関空から上海へ向かう便も満席。出国する人も多く、安全検査も出国審査もかなりの行列になっていました。帰りの便は、恩師にはビジネスクラスに座っていただきました。

 しかし、私の先生はすでに75歳とはいえ、まだまだ現役で臨床をされており、患者さんももの凄い数です。今予約しても、診察を受けられるのは半年後の11月という状態。そのほか、中国政府要人や有名人などの診察も入っていて、北京に行かれることも。中には西洋医学嫌いで中医学に絶大な信頼を寄せていて、そういう人々のニーズは非常に多いみたいです。いろいろエピソードを伺うと、非常に興味深いです。

 多少血圧が高いぐらいの恩師ですが、若さの秘訣はやはり好奇心かと思います。とにかく色々なものに興味をもっておられる。人間、年をとると拒絶することが多くなったり、好き嫌いが極端になったりするのですが、そうするとソンするのは自分自身なのです。日中関係が巷で騒がれていますが、うちの先生からすると全然関係なく、むしろ活動の範囲を広めておられるように感じます。

 今年もこれからイギリスへの学会出席があったりと海外に出て行くチャンスが多いのですが、必ず弟子を一人つれて行かれています。そうやって我々もいろいろと勉強して行くわけなのです。中医学では様々な経験の継承が大切ですが、ふとした一言が研究の大きなヒントになることが多いのです。

 今回は、はじめて中国のグリーンカード(永久居留証)で入国。外国人レーンではなく、中国人レーンから入国しました。なんせ、まだ中国全土で500人程度しかいないグリーンカード保持者なので、まずは日本のパスポートをみてはビザはない、と担当官に突っ込まれ、カードを見せると、偽物ではないかどうかマジマジとチェックを受け、ちょっと時間を費やしましたが、無事中国に入国できました。これで一安心です。

 上海と大阪は本当に近く、先生をご自宅までおくり届けて、自宅に戻ってもまだお昼過ぎ。そこからいろいろ荷物の整理しても、まだゆっくりと休憩できるぐらいの時間の余裕があります。関空からだと上海は北海道よりも時間的に近い。(日本時間−1時間の時差もありますしね。)これって本当にすごいことだと思います。

 日本が中国に近いと言うことは、領土問題を初めとしていろいろ厄介な問題を抱えてしまいますが、だけど近いから我々が手にできるメリットが沢山あります。物事には必ず両面が有り、すべてが旨く行くようなことはなかなかない。だからといって日中友好を声高に唱えれば解決するかといえば、私はむしろナンセンスだと思います。そういうことは政治家に任せておけばいい。

 そうではなくて、柔軟な思想ができるかどうかで、様子はかなり変わってきます。どんな困難でも、膠着させること無く、動きをもった駆け引きを、若い世代が中心となってやっていくしかないと思うのでした。

posted by 藤田 康介 at 00:23| Comment(0) | TrackBack(0) | やった〜!日本なり

2013年04月13日

奈良公園散策と穴場の吉城園(よしきえん)

 恩師の日本ご招待旅行4日目。


 大阪観光は過去にクルージングなどを体験されているので、今回はパスし、先生のリクエストに沿って、1日かけて法隆寺・唐招提寺・東大寺をまわることにしました。特に、日本漢方ともつながりの深い唐招提寺はぜひ行きたいとおっしゃってられました。幸い、我が家からはこれらお寺へのアクセスは便利で、クルマで移動することに。

 天気は快晴。ちょっと汗ばむぐらいの陽気でした。
 法隆寺は、高校時代はよく自転車でいきました。斑鳩の里は、私も奈良ではお気に入りのスポットの一つで、気分が休まる気がします。

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 とにかく法隆寺はでかい。金堂や五重塔、そして最近完成した百済観音、夢殿などをまわると、下手したら1日かかるぐらいのボリュームです。しかも、国宝が目白押し。日本最初の世界文化遺産に恥じない、見応えのあるお寺です。ただ、地元にいるとなかなか入館料を払ってまで入るチャンスがなかったりと、西院伽藍に入ったのは20年ぶりぐらいではないかと思います。

 私個人的には、やっぱり唐招提寺が良かった。平成の大修理を終え、目の前にどっしりと建つ国宝の金堂は、見る者を圧倒させます。

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 そして、金堂の裏手には、鑑真和上のお墓もあり、お堀に囲まれたその環境は、とっても静かで心が安まります。ちょうど、運転手付きの黒レクサスの隊列がきたところで、中国人のグループがお参りに来られていました。唐招提寺は、今回の奈良滞在でもっとも多くの中国の方を見かけた場所でした。それほど、中国でも知られているということでしょうか。

 薬師寺はまだ塔の改修が終わっていないようなので今回はパスし、近くの天ぷら屋さんで食事して、午後は東大寺からスタート。県庁の横にある駐車場が便利でした。

 さすがに、週末とあって奈良公園近辺は大賑わいでした。東大寺もすごい人。できることなら平日の人の少ない時に見て頂きたいスポットですね。

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 そして、帰りに外国人は無料(日本人は250円)という日本庭園「吉城園」へ寄ってきました。依水園のちょうど隣にあるのですが、庭巡りの大好きなうちの先生は、ここがえらく気に入ったようです。大正時代の庭園ですが、とても立体感のある日本らしい庭園で、来る人も少なく、先生はじっくりと回っておられました。現在は、奈良県が監理していますが、お茶会にも使われているということです。

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 奈良というのは、本当に奥深い街です。ちょっといつもと違う人と一緒に来る人だけで、いろいろ違った表情を見せてくれます。 こうして、同じ時間を共有できるという喜びは、一人旅では味わえない醍醐味だと思います。先生と素晴らしい一時を過ごせたことは、本当に貴重な宝だと思いました。

 奈良散策のポイントは欲張らないことです。何カ所か自分の気になるところに行ってみて、また来たら良いのです。何百年もそこにあるわけですから、逃げてしまうことはありません。


posted by 藤田 康介 at 19:27| Comment(0) | やった〜!日本なり