
春先に上海郊外の崇明島にいくと、見渡す限りのカリフラワー畑が広がっているのを見かけます。時には、道ばたに捨てられていたりして、値段が暴落して大変だという話も耳にしました。
そもそも、上海料理ではあまりカリフラワーは食べないのですが、ここでできるカリフラワーの8割は、中国北方エリアに運ばれているのだそうです。ただ、今年は、異常気象のためか、北方でもかなり早い時期にカリフラワーが収穫されるようになり、北方へ輸送して売るといういつものやり方では商売が難しくなったのだそうです。
さらに、今年の春は、上海とその近郊でも気温のバランスがよくなく、あっというまにカリフラワーが生長してしまい、売るのが追いつかないような状態になってしまったという話も聞きました。
しかし、だからといって我々が食にするカリフラワーは決して安くないのもまた事実。農民では500グラムあたり0.2〜0.3元程度で買い取られているカリフラワーが、消費者が買う頃には1.5〜5.4元にも値がつりあがっています。「有機」という文字がつけば、さらに500グラムあたり10〜20元にもなっています。この差は尋常ではありません。その結果、農民は野菜を作っても儲けられないし、消費者は高い野菜を買わされるというジレンマに。人件費や輸送費もばかになりませんが、中間で儲けている商人も多いようですね。
食に対するニーズの違いで、農業をビジネスとしてはじめる人が中国でも出始めていますが、収穫量のコントロールが難しいだけに、一筋縄ではいかないのもまた現実です。そして、なによりも長江下流に浮かぶ崇明島は、海にも近いため土壌があまりよくなく、農作物の栽培が難しく、じつは栽培できる野菜の品種も非常に限られています。
