
上海でまた18回目の誕生日を迎えることになりました。
そういえば上海に来てから、日本で誕生日を迎えたことはないですねえ〜。
中国に限らず、海外に長くいると、どうやらある一定の年数を過ぎると無性にその国から出て行きたくなるように思います、その時にもちろんその国を出て行って、他の場所に拠点を変えるのも手ですが、現実はそんなに簡単なことではないです。
私も中国上海で暮らすようになってはや18年の歳月が過ぎました。初めの数年間は、帰国する日本人の送別会にもたびたび呼ばれたりしたのですが、こう長くなるとそういったことも無くなります。(^▽^) むしろ、中国をあとにする上海人の送別会に呼ばれたりすることも多いです。
月日が過ぎるのはなんかあっという間のような感じもしますが、そんな私でも正直、日本に帰ってしまいたくなることは多々ありました。なにか日本が天国のように見えてしまうような感覚です。きっとそういう心理的なサイクルがあるのでしょうね。
ちなみに、今ではまったく逆で、日本に出張にいって数日間仕事をすると、上海に戻りたくなる。例えば、いくら日本に美味しいモノがいっぱいあってもそれらを食べてしまうと、今度はなにか無性に上海の中華料理が食べたくなるわけです。自分自身の世界が広がったのかもしれません。
時々、仕事の事情で上海で暮らしていて、「もう上海なんかイヤだ、だけど仕事だから帰れない!」という方の相談を受けたりします。大体、大体滞在して5〜10年前後ごろに出てくる症状かもしれません。
そもそも、日本人にとって日本から距離的にとても近くて、しかも日本に近い普通の暮らしが便利に出来てしまう外国というのはそうありません。漢字もみれば分かる。上海はそういう数少ない街の一つです。道理で20世紀前半には、上海人口400万人の中に10万人も日本人がいたのだそうです。今後、おそらく居住することはなくても、日本からの出張ベースでの訪問など長い往来がずっと続くような街になっていくと思います。
さて、そういう倦怠期の対処法としては、一番いいのは時間見つけて(用事を見つけて)日本に戻ることだと思います。1日何十便と上海ー日本便は飛んでいますし、航空券も安くなったので、結構簡単に実現してしまいます。週末だけ日本という過ごし方も十分有りだと思います。そうして日本に戻ると、ふっと気がつくことがあったりし、それがまたエネルギーとなって、海外生活の糧になってくれます。
そして、もう一つ乗り切る方法としていいのは、中国国内を旅行することだと思います。それも、日帰りではなく、最低でも1泊2日で、100キロ以上離れた田舎に行くのが最も効果的ではないでしょうか。私の場合、山育ちなのでなおさら山が恋しくなる。そうなると上海からは250キロぐらいは離れないといけませんが。
実は、以前の私は、そうした中国の山村の風景に日本の田舎を投影して、何らかの心の癒やしを求めていたりしていましたが、最近は「ああ、これが中国の魅力なんだ!」と分かるようになってきました。中国しかない魅力を見つけられるような心の余裕がやっと出来てきたのかも知れません。山村では多少生活は不便かもしれませんが、その土地ならではの楽しみ、郷土色豊かな営みがとっても輝いて見えるようになってきました。
しかし、どう考えても上海という街は小さい。あの内環状線という城壁の中で暮らしていると息が詰まってくるし、いったいその外でなにが起こっているのだろうか?と気がつきにくくなります。中国の魅力の一つに、その果てしなく広大な大地があるわけで、これを感じないで上海ばかりでくらしているのは非常に勿体ないと思います。
さらに、街の中には、色々なストレスが溜まっていますし、人々の動きも忙しない。しかし、ちょっと田舎に行くと全く違う世界が広がっています。それも、団体で行くのではなく、できたら一人で、もしくは家族旅行で行って頂きたいです。そうじゃないと、なかなかOPENな人と人の繋がりを楽しめないと思います。
もうすぐ国慶節の連休です。大部分の在中日本人の皆さんは一時帰国されたようですが、残っている方も少なくありません。ここは上海にずっといるのではなく、勇気を出してちょっと街の外も見てみては如何でしょうか。なんか、意外と敷居が低いことに気がつくかも知れません。
さて、この国慶節の私はもう少しその中国の魅力探しに走り回ろうと思っています。
そもそも18年前と比較したら何事も雲泥の差。楽しみがぐ〜んと広がります。
