2013年09月28日

上海がイヤになるとき

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 上海でまた18回目の誕生日を迎えることになりました。
 そういえば上海に来てから、日本で誕生日を迎えたことはないですねえ〜。

 中国に限らず、海外に長くいると、どうやらある一定の年数を過ぎると無性にその国から出て行きたくなるように思います、その時にもちろんその国を出て行って、他の場所に拠点を変えるのも手ですが、現実はそんなに簡単なことではないです。

 私も中国上海で暮らすようになってはや18年の歳月が過ぎました。初めの数年間は、帰国する日本人の送別会にもたびたび呼ばれたりしたのですが、こう長くなるとそういったことも無くなります。(^▽^) むしろ、中国をあとにする上海人の送別会に呼ばれたりすることも多いです。

 月日が過ぎるのはなんかあっという間のような感じもしますが、そんな私でも正直、日本に帰ってしまいたくなることは多々ありました。なにか日本が天国のように見えてしまうような感覚です。きっとそういう心理的なサイクルがあるのでしょうね。

 ちなみに、今ではまったく逆で、日本に出張にいって数日間仕事をすると、上海に戻りたくなる。例えば、いくら日本に美味しいモノがいっぱいあってもそれらを食べてしまうと、今度はなにか無性に上海の中華料理が食べたくなるわけです。自分自身の世界が広がったのかもしれません。

 時々、仕事の事情で上海で暮らしていて、「もう上海なんかイヤだ、だけど仕事だから帰れない!」という方の相談を受けたりします。大体、大体滞在して5〜10年前後ごろに出てくる症状かもしれません。

 そもそも、日本人にとって日本から距離的にとても近くて、しかも日本に近い普通の暮らしが便利に出来てしまう外国というのはそうありません。漢字もみれば分かる。上海はそういう数少ない街の一つです。道理で20世紀前半には、上海人口400万人の中に10万人も日本人がいたのだそうです。今後、おそらく居住することはなくても、日本からの出張ベースでの訪問など長い往来がずっと続くような街になっていくと思います。

 さて、そういう倦怠期の対処法としては、一番いいのは時間見つけて(用事を見つけて)日本に戻ることだと思います。1日何十便と上海ー日本便は飛んでいますし、航空券も安くなったので、結構簡単に実現してしまいます。週末だけ日本という過ごし方も十分有りだと思います。そうして日本に戻ると、ふっと気がつくことがあったりし、それがまたエネルギーとなって、海外生活の糧になってくれます。

 そして、もう一つ乗り切る方法としていいのは、中国国内を旅行することだと思います。それも、日帰りではなく、最低でも1泊2日で、100キロ以上離れた田舎に行くのが最も効果的ではないでしょうか。私の場合、山育ちなのでなおさら山が恋しくなる。そうなると上海からは250キロぐらいは離れないといけませんが。

 実は、以前の私は、そうした中国の山村の風景に日本の田舎を投影して、何らかの心の癒やしを求めていたりしていましたが、最近は「ああ、これが中国の魅力なんだ!」と分かるようになってきました。中国しかない魅力を見つけられるような心の余裕がやっと出来てきたのかも知れません。山村では多少生活は不便かもしれませんが、その土地ならではの楽しみ、郷土色豊かな営みがとっても輝いて見えるようになってきました。

 しかし、どう考えても上海という街は小さい。あの内環状線という城壁の中で暮らしていると息が詰まってくるし、いったいその外でなにが起こっているのだろうか?と気がつきにくくなります。中国の魅力の一つに、その果てしなく広大な大地があるわけで、これを感じないで上海ばかりでくらしているのは非常に勿体ないと思います。

 さらに、街の中には、色々なストレスが溜まっていますし、人々の動きも忙しない。しかし、ちょっと田舎に行くと全く違う世界が広がっています。それも、団体で行くのではなく、できたら一人で、もしくは家族旅行で行って頂きたいです。そうじゃないと、なかなかOPENな人と人の繋がりを楽しめないと思います。

 もうすぐ国慶節の連休です。大部分の在中日本人の皆さんは一時帰国されたようですが、残っている方も少なくありません。ここは上海にずっといるのではなく、勇気を出してちょっと街の外も見てみては如何でしょうか。なんか、意外と敷居が低いことに気がつくかも知れません。

 さて、この国慶節の私はもう少しその中国の魅力探しに走り回ろうと思っています。
 そもそも18年前と比較したら何事も雲泥の差。楽しみがぐ〜んと広がります。

posted by 藤田 康介 at 16:30| Comment(0) | 雑草と雑想

2013年09月25日

一応即日で手に入った上海のiPhone5S・銀

 値段が高いとか、あまり代わり映えがしないとかいろいろ言われているiPhone5Sですが、それでも大変な人気であるのは上海でも同じで、ゴールドは予想通り上海でもまず手に入らない。

そこで、上海駅にあるいつも私が香港バージョンを買いにいっている店の値段をみてみると、全色揃うそうです。16Gの灰色が4850元、銀色が6350元、そして話題の金色9380元ととんでもない値段になっています。こうなると元値の倍の値段ですよね!しかも16Gの容量で。。。。国慶節を過ぎると、本格的に入荷されるそうなのでそういうことはなくなると思いますが、それでも高いです。


 ただ、今回は前回のiPhone5のときと違って、中国でも世界同時発売されたので、香港などの密輸版に頼らなくてもいいというのは有難いこと。いつもは新発売は1〜2ヶ月は遅れるので、ちゃんと三包保証つきの正規版がリアルタイムで手に入るというのは実はすごいことなのです。

 さて、そういうことで中国のAppleストアでもiPhone5Sは手に入れることができますが、残念ながら今予約しても10月入荷らしい。ちょっと前までは10月10日前後に入荷だったのですが、今ではざくっと10月入荷の表示のままです。

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 では、上海駅まで行かなくても手に入れる方法があるかといえば、じつは金色と銀色に関しては、数量限定で上海市内のAppleストアで当日購入する方法がありました。なお現段階の灰色に関しては、店に在庫があれば手に入るとのことです。

 さて、この注文予約方法が中国らしくて結構面白い。

 まず、購入する日の朝6時にインターネットで当日予約をします。

 アドレスは、中国のAppleのHPから入れますが、http://www.apple.com/cn/retail/iphone/ になります。

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 朝6時に携帯のショートメッセージを使って、「iPhone」という本文メッセージを10698000009501におくります。そうするとオーダー番号が送られてきます。この番号は24時間有効だそうで、次の日は使えません。

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 すると、申し込み番号が送られてくるので、自分の携帯番号とそれを入力します。

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 次の画面で、取りに行くAppleストアを選びます。いま、上海では浦東陸家嘴、南京東路、香港広場の3箇所があります。

 もし在庫があれば、ひとつひとつ選択して入力できます。ちなみに、中国では中国電信用のものとGSM用のSIMフリーのiPhone5フリーの2つのバージョンがあります。私は聯通ユーザーなので、後者を選択。容量は、いまの32Gがいっぱいになってきたので、64Gに。色はどうせカバーをつけちゃうので金色じゃなく銀にしました。

 その後、メールアドレスや名前などを入力しますが、身分証明番号の覧は、外国人ですのでパスポート番号でOKです。最後に、夜10時までのあいだに1時間刻みで設定された受取時間を指定して完了。程なくすると、確認メールが飛んできます。支払いは当日にAppleストアにいって行います。

 ここまで半信半疑で実行してみましたが、なんとか無事最後まで到達し、クリニックへ出勤。

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 この日は夜までの診察の日だったので、診察修了後に浦東のAppleストアにでかけてみました。約束の時間よりも30分ほど前に到着しましたが、店員さんにパスポートを見せると、並ぶこともなくすっとiPhone5Sの銀色、64Gが出て来ました。結構拍子抜けです。

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 ちなみに、ついでにAppleオリジナルのケースを買おうと思いましたが、こちらは全色売り切れだそうでこれもびっくり。買う人は買うんですね。

 そんなわけで、思い立ってまあまあ直ぐにiPhone5Sを無事に入手することができました。

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 あとはしっかりと使い込むだけです。写真やPDFなどデータを見ることが多いので、64Gというのは助かります。これから1年間ほどはこのiPhone5Sでいきたいと思います。もちろん、これまで使ってきたiPhone5はうちのスタッフのところで第2の人生を送ることが決まりました。

posted by 藤田 康介 at 14:37| Comment(0) | 趣味の世界

2013年09月24日

農民達のニワトリへのこだわり

 安吉の朝はとっても気持ちいい。
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 今日は、麓の町にちょうどガスがでていて、それが谷に沿って上昇してくる姿は、とても幻想的。そして、朝明けと共に1日が始まります。

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 私の大好きなニワトリの声で目覚め、薪を燃やして朝ご飯をつくる香りが漂ってきます。これぞまさに中国の山里の朝ですね。

 大気汚染や水質汚濁とか、マスコミが騒ぐネタには事欠きませんが、なにも中国全土がそういうわけではありません。クルマの物音一つしない静寂がまだまだ中国にあります。

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(ヒョウタンでつくったしゃく)

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 朝食はイモや南瓜などを蒸すだけの料理にお粥に卵。もちろん全部自家製で、とってもヘルシーなんです。李さんのお宅には、90歳のおばあちゃんもおられるのですが、まだまだ元気に山々を歩き回っています。そういう姿をみていると、環境と食がとても大切だということがよく分かります。

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 午前中は、李さんのバイクに乗せてもらい、さらに山奥まで行きました。昨晩食べたニワトリを飼育している竹林までダートの凸凹道を走りました。

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 これがまたすごい!

 竹林全体にニワトリが自然に放し飼いされていて、走り回っています。自由に草や虫をつついていました。ニワトリは卵用ではなく、肉用なので歩かせることが大切だとか。ちなみに、卵用のニワトリにはしっかりと食べさせて栄養をつけないと卵を産んでくれないのだそうです。

 長江エリアにすむ人たちのニワトリへの拘りは私達にはすこし理解ができないかもしれません。ちょうど、我々が天然物の魚を重宝するように、彼らのニワトリへの情熱は尋常ではありません。どれだけ自然に近い環境で育てられたのか、そしてなにを食べて大きくなったのか、注意することが山ほどでてきます。そして、ついさっきまで活きていた新鮮なニワトリでないとダメなのだそうです。

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 ここでは烏骨鶏や家鴨もいました。このことはニワトリだけでなく、アヒル類も同様で、江南エリアの人々の食文化への拘りを強く感じました。

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 お昼ももちろん地元食。ジャガイモや枝豆が美味しい。

 ということで、お昼過ぎに李さんのお宅を出発。また350キロの道のりを上海へ戻りました。義父義母をおくり届けて、自宅に戻ったら6時過ぎでした。

 上海の延々と続くクルマの渋滞を目にすると、この空気と雰囲気の違いを感じないわけにはいきません。今朝の景色が夢幻のようです。

 それでも、3時間もクルマを走らせると、そんな場所にいけるので、これまた上海で生活する楽しみの一つではないかと思います。そして、地元の人たちと話を深め、とっても人なつっこい人たちに心のゆとりを取り戻すことができるように思います。

 李さん、今回もありがとう!
 これからも家族ぐるみでのおつきあい、よろしくお願いします。


posted by 藤田 康介 at 14:37| Comment(0) | 中国旅行記