ただ、上海ではなかなか施術で使いやすいものが見つからず、じゃあいちどオリジナルのものを作ってみようということになり、安吉の報福にある工房兼工場を訪れました。上海からクルマで350キロぐらいのところにあります。


この工房がまたすごくて、あたりは竹・竹・竹。サンプルを見せてもらうと、椅子からテーブルなど家具類、贈答品の箱、砂時計などなど多岐にわたっていました。値段を聞いてみると、「え!」とびっくりするような値段で、上海に到着するまでの間にどれほど値段が上がってしまうのか、と正直思いました。
図案とアイデアを伝えると、様々な試行錯誤をしながらも、それらしきものが完成してきています。いまやインターネットでやりとりできるので、物作りがとても便利になりました。職人さんの技も理解しやすくなります。最終的なサンプルは、上海まで郵送してもらうことになり、とりあえず手付けを支払いました。
できあがりをとっても楽しみにしています。
中国では工業地帯や開発区に大きな工場もありますが、まだまだこうした家族経営的な小さな工場もあります。そして、隠れた技術やアイデアがあったりするのですね。中国の魅力をまたひとつ見つけた気分になりました。
せっかくここまできたので、いつもの食堂でお昼をいただく。農村の地元料理はどこにいっても美味しいもので、今回はサツマイモの蔓が食材になっていました。言われるまで私は気がつかず、セロリのようなカリカリ感は絶品!中華料理は、どうやって素材の味を活かすかにかかっていますね。

そして、今回は義父義母も連れてきているので、前回訪れた李さんのお宅へお邪魔することにしました。山の上からは、竜王山が一望できる素晴らしい場所にあります。おそらく、安吉エリアでは最高の景色ではないかと思います。グネグネの山道を登っていくのが大変ですが、到達したときの喜びはまた然り。

夜はもちろん、李さん宅で自家製野菜をいただく。もちろん、無農薬だし、化学調味料を一切使わない地元料理です。中華料理はじつはとってもヘルシーだったんだということに気づかされます。絶品なのはニワトリ。李さんのお宅では、竹林でニワトリを飼育していて、これがすごい!というウワサは聞いていました。翌日に見に行きたい、とお願いして、庭先でお茶を飲みながらゆっくりと語り合いました。

夜になるとあたりの静けさは尋常ではありません。虫の鳴き声と時々聞こえる犬の遠吠えぐらいで、大自然のなかの里山の静けさを感じることができました。

