2013年10月03日

テント泊

 国慶節連休で、世間は大渋滞が発生しているというのに、このあたりはそういった喧噪が一切ありません。来るときの高速道路もほとんどガラガラでしたし、中国人は集団で移動する習性があるのか、事前に彼らの行動パターンを推測すれば意外と混雑を避けたりできるものです。

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 朝食は自家製の蒸饅頭に、漬け物のつけあわせ。地鶏の卵なんかも美味しかったです。

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 この日はどこに出かけることもなく、原稿を書いたり本を読んだりして過ごしました。静かになにもしない時間ってそう滅多にありませんから。

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 お昼はこれまた昨晩いただいた鶏スープをベースに、ヘチマをスライスしてつくった米線を作ってもらいました。

 そして、李さんのお宅で野良作業を手伝いました。李さんのお母さんは80歳のご高齢ですが、野良仕事となるととってもパワフル。田舎生活は、人を元気にするのでしょうか。

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 山の上で、とても不便な場所だけど、人々の暮らしは続いています。びっくりするような斜面にも畑を作っていました。そんな野良作業をお母さんと手伝いました。

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 ちょうど、トマトの棚を処分するところだったので一汗かくことに。すると、冬瓜やら南瓜やら埋もれていた食べ物が続々と出て来ました。

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 奈良や三重の山育ちと言うこともあって、山にいると妙に落ち着きます。逆に、海を見てもあまりそういう感覚が無いのです。だから、上海にいると無性に山が恋しくなる。そして、たまには屋外にテントを張って、満天の夜空の下で寝てみたくなるのです。子供はそういう体験がすきですよね。テントというだけで、ワクワクしているみたいです。

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 気温はそこそこ低く、冷え込みましたが家族3人で横になればそう寒さを感じませんでした。

 中国の農村と言えば、8時半もすぎればもう電気は消えてしまい、そこに集落があったのかどうかも分からないぐらい真っ暗になってしまいます。当然、上海育ちの娘にとってはなかなか体験できない暗さですが、ぱっと空を見上げると無数の星たちがキラキラしている様子は感動的だったみたいです。

 このあたりの田舎がすきなのは、とにかく村に無造作に捨てられているゴミが少ないこと。私も色々な農村にいっていますが、中国では意外と少ないのです。自然を大事にしている意識の高さを感じました。でも、物価は決して安くない。上海と同じぐらいではないか?と思うぐらいでした。農村とはいえ、現金収入を得ている人が多いので、必然的な結果だと地元の人は言っていました。

 
posted by 藤田 康介 at 14:37| Comment(0) | 中国旅行記

2013年10月02日

美味なる自家製豆腐とニワトリ狂

 安吉の山々は、どこもかしこも竹ばかりです。
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 過去には、立派な木材もあったそうですが、このエリアは文革の時代はけっこう運動が激しかったそうで、(地元の人談)そういった木々は大半が切り倒されたそうです。「革命」に人々が燃えた時代があったのですね。

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(文革時代のベッド)

 切り取られた木材の代わりに生えてきたのが竹で、なによりも竹は木材よりも生育期間が2年程度と短く、現金収入を得やすいというメリットがあるとか。また、竹が生えやすい土壌はPHの値が小さく、このあたりでは酸性ぎみであるということですが、ひょっとしたら近隣からの大気汚染が、酸性雨として降ってきているのではないかとも言われています。残念ながらこのあたりははっきりと分かりません。

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 ただ、一ついえることは、竹が大きくなるまでは下草が生えやすく、一部竹林では除草剤を使っていました。そういった商業林は、どうしても環境破壊の問題がついてくるのでしょうね。水源を山の泉に頼っている以上、あまりいいことではありません。現金収入を得ると言うことと、自然を守ると言うことは、どうしても相反する問題をクリアしないといけません。

 これは上海人に限ったことかどうかは分からないけど、彼らはとにかくニワトリがお好き。きっと、日本人が天然の魚を重宝するように、野鶏に対しての要求は極めて高い。肉がしまっているとか、味がいいとか、脂身が多いやら少ないやらを討論しています。その結果、今回の旅でも平均して毎日1羽の鶏が胃袋に入っていきました。値段は日本円に換算すると1羽5000円ぐらいが相場です。だからこそ、一旦鳥インフルエンザが発生すると大変なことになる。日本人の食卓から、魚が消えてしまうほどのダメージになってしまいます。

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(かまどで炊いたご飯はお焦げもおかずに)

 田舎の旅の醍醐味として、やはり農家のお宅をお邪魔することにあります。安吉エリアの農村地区は、とってもフレンドリーで、すこし交渉すれば、すぐに昼食でも作ってくれます。

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 今回訪れた山間のお宅では、手作り豆腐を食べさせてもらいました。ちょうど朝に作ったばかりで、大豆は自家製、もちろん石臼で大豆を粉にし、にがりを加えて作る本格派でした。これがすごく美味しい。私なら醤油と鰹節で食べたいところですが、そういう習慣はないので、中華風でいただきましたが、なんとももったいない感じです。

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 この農家はキリスト教のお宅で、毎週日曜日になると村の礼拝堂にいっているとのこと。農村には意外とキリスト教の信者が多く、食卓テーブルの後ろには十字架が貼ってありました。中国江南エリアの農家では、玄関が直接ダイニングに繋がっていることが多いので、食卓の壁の後ろに貼ってあるものは、その家の信条とか宗教などが分かって興味深いものです。


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 下の写真は、たまたま通りがかった8代の歴史をもつ木造家屋。残念ながら、古い家屋は制度上建て直しなどができず、潰れていくのを待つしか無いのだそうです。

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posted by 藤田 康介 at 14:37| Comment(0) | 中国旅行記

2013年10月01日

中国式家族旅行

 今年の国慶節は、9月30日〜10月3日まで浙江省安吉で過ごしていました。今年の夏に知り合った李さんのお宅に今回も滞在することにしました。安吉の雄大な山々を見渡せるロケーションで、景色を見ているだけでも晴れ晴れします。

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(嘉興までくると名物の粽も手に入る)

 ただ、家族旅行となると、何故かいつも親せきたちがついてくるので、最終的には計4家族、合計9人。クルマ2台となり、言い出しっぺの私が先導することになりました。(^_^)

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(浙江省安吉エリアでは米線を食べることが多いです)

 基本的に、中国人は1家族単位よりも、親せき一同を連れての旅行を好むようですね。だから、海外旅行に行ったりするときも「親せきご一行様」の団体様になったりするのです。SNSで送られてくる家族旅行の話題を見ても、5家族、6家族なんていうのはザラで、クルマを隊列して旅行に行きます。「静かに過ごしたい」というのはつまり「親せき同士でワイワイやりたい」という意味で、我々日本人が思うような「静けさ」とはまた違う感覚なのだと思いました。

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(竹工芸の市場で、様々な工芸品を買えます)
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 だから、宿泊する場所選びもそれなりの条件があり、まずは大人数が入ることができて、さらに麻雀などができるスペースも必要です。こうみてみてると道理で、彼らは大きなクルマが必要で、SUVに麻雀テーブルを積んで移動している家族団も見ました。

 しかし、企画する方は結構大変で、私も今回せっかくだから自分のお気に入りの場所に連れていったものの、値段が高いとか、料理が口に合わないとか、とにかく注文が多い。兎に角、そういう風に直接的に文句を、しかもホストの前でズバズバ言うことが彼らの文化だとは分かっていても、文句が増えてくると自分の趣味が否定されたようで何となく後味が悪くなっちゃんですね。

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(章村はコンパクトで好きです)

 そして、何でもかんでも値引こうと値段交渉する。1元でも安く!という気持ちは分かるのですが、サービスにはサービス相応の値段があるし、そうした根切り方はカネ・カネとねだっているようで私はあまり好きではないです。
 しかも、相手の親切な行為に対しても「多少銭?」といって聞き倒している姿を見ると、中国だったら「没問題」と通用しても、海外ではちょっと恥ずかしいなと思ってしまいます。でも彼らはそんなの関係ありません。むしろ、騙されることへの警戒心が本能的に働くのだと思います。結果的には、あくまでも自分たちのやり方が当然であるという自身と前提がありますからね。(^▽^)

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 さらに、上海ナンバーのクルマで地方を運転していると、たまに「上海からきているくせして」といった冷たい目線を感じることがあります。狭い道路ですれ違うとき、窓を開けていると、捨て台詞的に「上海人のくせに〜」とか言っている声も耳にすることもありました。
 一般的に、上海人の地方での評判は芳しくないことが多く、ケチだとか、キザだとかいろいろ言われていますが、クルマほどどこからきたのか分かりやすい交通手段はないので、余計そう感じるのかもしれませんね。

 中国に長くいるからこそ、中国人のディープな感情が直感的にも分かってしまって、いろいろ納得してしまう今回の旅。とにかくこの中国集団のなかでは私はほんの少数派に変わりなく、「ただ文化が違うんだ」と思うしかないですね。



posted by 藤田 康介 at 14:37| Comment(0) | 中国旅行記