2013年10月01日

中国式家族旅行

 今年の国慶節は、9月30日〜10月3日まで浙江省安吉で過ごしていました。今年の夏に知り合った李さんのお宅に今回も滞在することにしました。安吉の雄大な山々を見渡せるロケーションで、景色を見ているだけでも晴れ晴れします。

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(嘉興までくると名物の粽も手に入る)

 ただ、家族旅行となると、何故かいつも親せきたちがついてくるので、最終的には計4家族、合計9人。クルマ2台となり、言い出しっぺの私が先導することになりました。(^_^)

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(浙江省安吉エリアでは米線を食べることが多いです)

 基本的に、中国人は1家族単位よりも、親せき一同を連れての旅行を好むようですね。だから、海外旅行に行ったりするときも「親せきご一行様」の団体様になったりするのです。SNSで送られてくる家族旅行の話題を見ても、5家族、6家族なんていうのはザラで、クルマを隊列して旅行に行きます。「静かに過ごしたい」というのはつまり「親せき同士でワイワイやりたい」という意味で、我々日本人が思うような「静けさ」とはまた違う感覚なのだと思いました。

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(竹工芸の市場で、様々な工芸品を買えます)
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 だから、宿泊する場所選びもそれなりの条件があり、まずは大人数が入ることができて、さらに麻雀などができるスペースも必要です。こうみてみてると道理で、彼らは大きなクルマが必要で、SUVに麻雀テーブルを積んで移動している家族団も見ました。

 しかし、企画する方は結構大変で、私も今回せっかくだから自分のお気に入りの場所に連れていったものの、値段が高いとか、料理が口に合わないとか、とにかく注文が多い。兎に角、そういう風に直接的に文句を、しかもホストの前でズバズバ言うことが彼らの文化だとは分かっていても、文句が増えてくると自分の趣味が否定されたようで何となく後味が悪くなっちゃんですね。

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(章村はコンパクトで好きです)

 そして、何でもかんでも値引こうと値段交渉する。1元でも安く!という気持ちは分かるのですが、サービスにはサービス相応の値段があるし、そうした根切り方はカネ・カネとねだっているようで私はあまり好きではないです。
 しかも、相手の親切な行為に対しても「多少銭?」といって聞き倒している姿を見ると、中国だったら「没問題」と通用しても、海外ではちょっと恥ずかしいなと思ってしまいます。でも彼らはそんなの関係ありません。むしろ、騙されることへの警戒心が本能的に働くのだと思います。結果的には、あくまでも自分たちのやり方が当然であるという自身と前提がありますからね。(^▽^)

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 さらに、上海ナンバーのクルマで地方を運転していると、たまに「上海からきているくせして」といった冷たい目線を感じることがあります。狭い道路ですれ違うとき、窓を開けていると、捨て台詞的に「上海人のくせに〜」とか言っている声も耳にすることもありました。
 一般的に、上海人の地方での評判は芳しくないことが多く、ケチだとか、キザだとかいろいろ言われていますが、クルマほどどこからきたのか分かりやすい交通手段はないので、余計そう感じるのかもしれませんね。

 中国に長くいるからこそ、中国人のディープな感情が直感的にも分かってしまって、いろいろ納得してしまう今回の旅。とにかくこの中国集団のなかでは私はほんの少数派に変わりなく、「ただ文化が違うんだ」と思うしかないですね。



posted by 藤田 康介 at 14:37| Comment(0) | 中国旅行記