2013年12月19日

上海市の大気汚染アプリがバージョンアップ

 すっかり大気汚染で有名になってしまった上海ですが、だからといっていつも汚染状態かというと、決してそうではありません。

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12月15日〜16日とまとまった雨が降り続いたため、上海市のPM2.5も30㎍/㎥まで下がります。とはいえ、実家の奈良県のようになかなか一桁にはなりませんが。

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 写真は上海世紀公園の雨上がりの様子です。

 秋の様子から、やっと冬らしくなってきた感じです。

 こんな日は、思い切って外で運動してみたいところですね。

 さて、上海市環境観測センターが発表している大気汚染情報をリアルタイムで見ることができるアプリ「上海空気質量」がバージョンアップしています。iPhoneで落ちてしまうことが多かったので更新するとそのバグはなくなっています。ただ、アクセスが集中すると反応速度が落ちるのが欠点。

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 アメリカ領事館の出している数値とそれほど大きな差はありませんし、PM2.5以外にもPM10や窒素酸化物、オゾンなどの数字も見ることができます。上海市では徐家匯にある気象台のデータが基準になっていますが、その他市内10箇所でも観測されています。こうした情報を一度に見るには、やはり「上海空気質量」のアプリは便利です。

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 また、今回のバージョンアップで大気汚染24時間予報も出ています。今までは、ウエブ版でしか見られなかったので進化ではないでしょうか。

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 中国の大気汚染基準の目安も出ています。中国では24時間あたりのPM2.5が75㎍/㎥以上になると、汚染状態になるように設定されています。(つまりAQIが100以上)これは日本の注意喚起基準24時間平均70㎍/㎥に相当するレベルです。従って、こちらの基準で「軽度汚染」以上になったときは注意が必要であろうということになります。

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 ただ、実際には大気汚染は細かく変動します。日常生活においては1時間単位の数字に注目する必要があり、この場合だと日本のPM2.5の注意喚起基準は1時間あたり85㎍/㎥以上になります。

 まずはアプリをダウンロードしてきて、いろいろ調べてみると興味深いです。

posted by 藤田 康介 at 08:20| Comment(0) | 上海の大気汚染状況

2013年12月14日

上海でのPM2.5の主成分について

 今朝のPM2.5の値は良好です。上海では37〜34㎍/㎥なので、ぜひ窓を開けて運動したいところですね。このように日によって差がとっても大きいのが上海の大気汚染の現状なのです。

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 実は、私のまわりの一部の上海人も中国南方や国外に疎開しはじめているという話もまわりから聞くようになりました。日本の九州大学のデータからみると、次回の大きめの大気汚染は12月18〜19日頃の可能性が高そうです。

 上海のスモッグに関しては、実は20年前から観測されていたのだそうです。ところが、その当時の気象台の基準では、霧があってもスモッグはありませんでした。冬場とか黄浦江のフェリーなどが欠航したりすることが実際にあったりしましたが、実際にはスモッグが原因であったのですが、基準がなかったから発表されていなかったというわけなのです。

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(スモッグの酷かった12月6日)
 記憶に新しいのは、12月6日の強烈なスモッグは、航空機の運航にも影響を与えましたが、その時の成分は90%がPM2.5だったということです。(復旦大学環境科学工程系)また、12月9日のPM2.5の急上昇とスモッグの発生は、こちらの専門家によると高気圧の影響で空気が停滞しやすく、そこに弱い冷たい空気が南下することで、北方の汚染物質を移動させ、拡散するための条件が揃わなかったからだそうです。

 このように、上海の場合は特有の季節による影響も大きいことを加味する必要があります。たとえば、1月は西北の気流、3〜4月は黄砂、7〜9月は猛暑による光化学スモッグなどです。ただ、最近スモッグが頻発している決定的な理由として、すでに大気の汚染度が自然では大暑が難しい飽和状態になっているということがあげられます。



 かねてから色々問題となっているPM2.5の成分はなにか?について最近の報道をみているとぽろぽろと出始めています。私が集めた資料の中で分かっていることを整理してみたいと思います。

 まず、これは以前も報道されていましたが、上海市のPM2.5の発生源は、25.6%が工業関係、24.3%が自動車の排気ガス、10%が工事現場、7%が発電所、10%が焼き畑・レストラン・ドライクリーニング業などからとなっていて、実は20%が他のエリアからの流入だそうです。

 また、上海のPM10の中身は、有機化合物・硫酸塩・窒素酸化物・アンモニウム塩・炭素などが50%を占め、PM2.5の中身は、硫酸塩・有機化合物・アンモニウム塩・窒素酸化物と有機炭素が85%を占めているのだそうです。このうち、有機化合物はPM2.5全体の20〜30%を占め、その成分の中には発がん性物質でもあるポリ塩化ビフェニル、多環芳香族炭化水素,ポリ臭化ジフェニルエーテルや水銀なども含まれていることがあるということです。重金属の水銀に関してはウワサは聞いていましたが、マスコミ(『新民晩報』)が書いたのを見たのは初めて見ました。


 ここで問題となるのは空気清浄機の性能の問題です。技術的に、PM2.5の除去はできても、こうした有機化合物の除去が完全にできるわけではなく、窓を開けない限り部屋に残るわけなので空気浄化を進めると逆に嚢縮されます。この処理をどうするかということになります。
 また、学校の教室などに空気清浄機を置くこともありますが、面積的にも大きく、人の出入りも激しいので期待した効果が得られるかどうかは疑問です。このように空気清浄機の欠点として、密閉した環境で使うので、新鮮な空気を取り入れることができないというところにあります。やはり、本格的な空気循環システムが必要と言うことになります。中国でも新しい建物ではそうした設備を備えているところがあります。

 交通機関内でのPM2.5濃度について、『新聞晨報』の報道では、一番数字がよかったのは地下鉄の車内で、路線バスの半分ぐらいになっていました。道路はもともとクルマが多いわけですし、PM2.5は必然的に高くなります。また、地下鉄の気密性が高いのと空調システムによる影響もありそうです。マスクをすることも大切ですが、クルマが多い朝夕のラッシュ時にはなるべく出歩いたりしないことも大切です。

 ちなみに、上海万博前ごろのデータで、上海交通大学の研究によると、2009年当時では、PM10の1日平均濃度が50㎍/㎥増加すると、呼吸器科の患者数が3%、小児呼吸器科の患者数が0.5%増加し、これがPM2.5だと、濃度が34㎍/㎥上昇すると呼吸器科の患者数が3.2%、小児呼吸器科の患者数が1.9%増加したのだそうです。PM2.5が呼吸器に与える影響は間違いなくあることが分かります。国内外の研究でも、スモッグと肺がんとの関係は指摘されていて、スモッグが高濃度だった時期の7年後に肺がんが急増する関係がいわれています。今回の中国のスモッグもどのような研究結果がだされるか注目です。

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(空気が良いときはこんな感じです)

 このように、空気中のPM2.5が肺から体内にはってくると、肺胞でのガス交換の後、血液中に入ります。肺胞に蓄積されたPM2.5は、除去されるスピードが非常に遅いため、肺の炎症反応や全身の炎症反応を起こし、咳や喘息などの症状を引き起こすことになります。そのためには、まずタバコをやめ、酒を控え、免疫力を高めるように体調を整え、40歳以上の人は年に1度はCTを受けて肺のチェックをしてほしいと上海の専門家は呼びかけています。免疫力の観点から考えると、食生活のバランスや中医薬(漢方薬)もある程度有効ではないかとも考えられます。


posted by 藤田 康介 at 07:56| Comment(1) | 上海の大気汚染状況

2013年12月10日

1泊2日の日本行き しいばの湯 最終日

 1泊2日の長崎・佐賀の嬉野温泉滞在2日目。
 昨日のうちに、必要な仕事をほぼ済ませたので、朝4時に起床していろいろ雑用をかたづける。もちろん、誰も居ない朝風呂も。

 今日、始めて実感したのですが、上海ではこの季節、6時半にもなると明るくなってくるのですが、嬉野温泉では7時半頃でもまだ薄暗い。さっそく朝の街をランニングしました。空気がいいので、とっても良い気分です。

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 昨日までの雨もすっかりとやみ、雲も切れ始めてきました。嬉野温泉はシーボルトとのつながりもあるのですね。

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 街の中心部には足湯や蒸足の広場もありました。

 朝食では、地元の湯豆腐をいただく。温泉のお湯でつくるのですが、スープが徐々に白く濁ってくるのですね。これが美味しい!

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 茶がゆもいただきました。日本の朝食の繊細さは中国では味わえないもの。これだけ日本料理レストランが上海にあっても、日本式朝食(旅館食)を出している店はまずないでしょうからね。塩分の問題をのぞくと、旅館食のバランスはとってもいいと思っています。

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 この大正屋さんの系列で、椎葉山荘という旅館がクルマで10分ぐらいのところにあります。今回ぜひ訪れたかったのですが、あのJR九州が走らせている「ななつ星 in 九州」のクルーズツアーでも宿泊先として選ばれた旅館です。ここの「しいばの湯」は、大正屋宿泊者なら無料で利用でき、しかもシャトルバスも運行されています。上海に戻る前に寄ってきました。

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 これがなかなかいい。

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 渓谷のすぐそばに位置し、川のせせらぎを聞きながらの大きな本格的露天風呂です。紅葉が美しく、お湯につかっているだけでもホッとしますね。とっても気に入りました!

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 お風呂にゆっくりとつかったあとは、いよいよ11時44分発の九州号高速バスに乗って、一路福岡空港国際線ターミナルへ。大正屋さんがクルマを出してくださり、スーツケースをゴロゴロさせることなくスマートにバス停まで行けました。ありがとうございました。

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 嬉野温泉から福岡空港国際線ターミナルまで直結というのも嬉しいですね。13時すぎに到着するので、15時40分発のCA上海便搭乗にはばっちりです。ちょうどお昼時間だったので、空港内のレストランで博多のもつ鍋麺をいただく。

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 帰りは1時間40分ほどのフライトで上海に到着しました。日本上空は雲も白く、地上の景色もすっきりと見えていたのですが、上海近くになってくると、あるところを境に急にスモッグぽくなるんですね。この日の上海の大気汚染状況は1日前と比較しても全然改善されていたのですが、それでもそんな状況です。

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 着陸するとき、浦東空港周辺の田んぼを見ていたら、結構焼いているところがありました。こういう煙もPM2.5に関係しているのですが、農作業だから仕方がないのか。

 いや、今後改善されるべきでしょう。大気汚染が酷いとき、なんか焦げ臭いニオイがするのですが、それもそのせいかもしれません。

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 今回、テスト用に様々なマスクも買って来ました。もちろん、防塵マスクもですが、WeChat(微信:IDはmdfujitaです)にこのことを紹介すると、あっという間に中国人から問い合わせが殺到。やっと大気汚染に対する関心が高まってきたのでしょうね。今まで、マスクすらしていなかった人たちだったのですが。

 ということで上海時間の17時半には自宅に到着。なんという便利な九州の旅なんでしょうか!

 上海からちょっとした田舎に中国国内旅行をしようと思ったら、最低でもクルマで4時間は運転しつづけないといけません。それを考えたら、九州への旅という選択肢は十分にありですね。美味しい空気と、本物の温泉がありますから。

 そして、上海在住の日本人駐在員の皆さんのストレスは大変なものです。日頃の中医クリニックでの臨床でも、欝気味の方に出会うこともあります。大気汚染の影響もあります。そういう方には、ぜひ1泊2日の日本旅行をお薦めしたいです。仕事を休む必要はありませんし、ものすごく密度の濃い日本滞在を楽しめると思います。

 で、自宅に戻ると、まさか昨日に上海を出発したとは思えない、1週間ほど日本に滞在した錯覚に陥ったのが不思議でした。


 
posted by 藤田 康介 at 08:35| Comment(0) | 日本の温泉