2013年12月25日

今年はまさに「灰色のクリスマス」

1996年以降、クリスマスは毎年上海にいるわけですが、年によっては大雪に。ただ、今年はどうやらスモッグですね。今朝のPM2.5は100㎍/㎥越えでした。娘が、スモッグでサンタクロースが来られなかったらどうしよう、と心配していましたが。。。

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 ただ、今年は政府の清粛政策もあってか、クリスマスツリーも控えめな印象です。豪華景品の出るホテルのクリスマスディナーも影を潜めています。今日日、公務員に対して接待するものなら犯罪になってしまう御時世ですからね。まわりも結構ピリピリしている感触です。

 さて、今朝も中国の大気汚染について。

 江蘇省〜山東省エリアといえば、最近特に大気汚染の状況がよくないわけですが、その原因をみてみるとこういう報道も。例えば、大気汚染の悪化で幼稚園から高校までが停止したこともある南京では、年間の石炭の消費量はなんと北京の2倍の4400万トンだとか。市民一人あたりでは年間5トンの石炭を消費していることになります。

 南京は、中国でも有数の重工業地帯であり、鉄鋼・電力・建材・化学など化石燃料を消耗する大企業が20社あまり集中しており、さらにそれよりも多くの中小企業もあり、ひとつひとつが国の環境基準をクリアしても、燃料となる石炭の消費量は莫大なものになり、結果として大気汚染につながるわけです。さらに、南京市内だけでも3000箇所以上の大型工事現場もあり、建設ラッシュにもなっています。これでは埃がなかなか旨くコントロールできない。

 ゴミの焼却ひとつにしても大きな問題です。これは武漢でのニュースですが、ゴミ発電施設を5箇所設置したものの、毎日600トンの飛灰が発生し、それが国の基準で処理されず、年間20万トンの有害な飛灰が放出されていたとのこと。この有害性は、ヒ素の900倍ととんでもないもので、近隣の住宅地に悪臭を放ち、住民に癌患者もでているとのことです。ただ、ゴミの焼却は未だ埋め立て中心の中国の都市にとって避けては通れない問題なので、これからどうするのか注意深く見ていかないといけません。

 こういった問題以外にも、クルマの排気ガスの問題はもっと大きいと思います。中国に走っている2.5億台のクルマは燃料の質が悪いために、環境に影響を与えているという報道も出ています。上海では、今年の秋から国X基準になり、汚染物質が国W基準よりも10%削減できるそうですが、それでも中国全土が国X基準になるには、2018年1月1日まで待たなくてはいけません。それ以上に、排気量の少ないクルマを普及させるべきですが、中国人のお好みは欧米の高級大型車。しかもSUVです。古いディーゼルトラックの問題も深刻です。

 ちなみに、11月の三大経済エリアの大気汚染のデータが発表されていますが、北京の平均PM2.5は74㎍/㎥、広州は54㎍/㎥であったのに上海は81㎍/㎥で明らかに基準値越えでした。特に、11月は農家の焼き畑の影響も大きかったみたいです。

 いまの中国の大気汚染は、中国全土に関わる深刻な問題です。沿岸地区で辛うじて大気汚染がましなのは福州から南のエリアぐらいで、後はほぼ完全に汚染の中にあります。ラサでもスモッグが出るような時代になりました。また、大気と水は繋がっています。今度はその水がどうなるのかも注目しなくてはいけません。

 確実なのは、私達が考えている以上に、現代人の経済活動が自然に大きな負担を与えており、もう自然自体がギブアップの状態になってきているということではないでしょうか。

posted by 藤田 康介 at 10:43| Comment(0) | 上海の大気汚染状況