2014年01月28日

中国移動の4Gを使ってみる iPhone5Sの周波数問題

 中国移動がいよいよ4Gを本格的に稼働させています。さっそく近所にある中国移動のフラッグシップ店に行ってきました。

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  中国では将来、中国が開発したTD-LTEと、現在日本でも使われているFDD-LTEの2つの方式で4Gを導入することを決めています。3Gでも中国方式のTD-SCDMAと世界方式のWCDMAがありましたが、iPhoneやiPadではTD-SCDMAが採用されなかったので、私も移動の電話番号を残しつつ、聯通に乗り換えました。そして、2014年に入っていよいよ本格的に中国移動の4Gが動き出してきたので、さっそくUSIMカードを手に入れてきました。

 カードの交換そのものは無料です。身分証明(パスポート)を持参して、交換してもらえばいいだけです。ちなみに銀行で使えた永久居留証は移動ではダメでした。端末がサポートしていないらしい。もちろんiPhoneに使われるナノSIMカードもあります。聯通に続き、ここでもVIP待遇してもらえ、窓口に並ぶ必要もありませんでした。(それだけ電話代を使っていると言うことか。。。。)ただ、まわりをみていると4GにUSIMカードを交換に来ている人がとても多かったです。かなりの認知度ですね。

 しかし、厄介な問題がありました。それはiPhoneのタイプの問題です。中国で出回っているすべてのiPhoneでTD-LTEが使えないと言うことです。今回、全世界同時にiPhone5Sが発売され、私も運良くその時期に手に入れたのですが、(詳しくはこちら)、この段階ではiPhone5SのTD-LTE採用が未定の状態でした。

 私のようにかなり早期にiPhone5Sを、しかも大陸のAppleストアで買っていた場合は泣き寝入りですね。結局、香港で密輸版を買った人がラッキーという結果になりました。値段的にも密輸版のほうが安かったりしますから。

 iPhone5Sが出た当時の大陸モデルはA1528型でした。これは私が当初買ったモデル。周波数もUMTS (WCDMA)/HSPA+/DC-HSDPA (850、900、1900、2100 MHz) GSM/EDGE (850、900、1800、1900 MHz)しかなく、LTEを全くサポートしていないバージョンだったんですよね。もちろんSIMフリーでしたが。

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(後ろに型式番号が書かれています)

 しかし、香港バージョンはA1530型で、周波数はUMTS/HSPA+/DC-HSDPA(850、900、1,900、2,100MHz)、GSM/EDGE(850、900、1,800、1,900MHz)、FDD-LTE(バンド1、2、3、5、7、8、20)、TD-LTE(バンド38、39、40)と、実はTD-LTEの周波数を含んでいました。やられた・・・・。

 ということで、なぜか家にあるゴールドのiPhone5S香港版A1530型のiPhone5Sでやってみると。。。


 「繋がらない!」


 一瞬焦りましたが、ここで注意しないといけないのは、キャリアのバージョン。「中国移動 15.7」にアップデートしなくてはいけません。設定→一般→情報から探し出せます。本来はこれで繋がるはずですが、しかし繋がらない。


 ということで、再び中国移動に行くと、どうやらUSIMカードの不良と言うことに。カードをまた交換してもらって無事に完了しました。こういうカード不良というケースもあるみたいです。(^_^)

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 中国移動でもiPhone5Sが使えるようになったので、現在大陸のAppleストアで売られている主流タイプはA1528型ではなく、A1530型で香港と同じバージョンになっています。もちろん、移動のLTEも使えるし、聯通のWCDMAも使えます。

 ところが、このA1530型は、日本では周波数の関係でLTEが使えない。中国のUSIMカードで日本でデータローミングすることはまずありえませんが、USIMカードを入れ替えると使えたりしてとか期待したけど、どうやらダメらしい。ということで、春節に日本に帰るので、今度は日本のUSIMカードでいろいろ実験してみます。

 今後の4Gの方針ですが、中国移動ではTD-LTE一本でいき、聯通はTD-LTE:FDD-LTEが2:8の割合、電信は3:7の割合だそうです。結局、最終的には全世界で先に普及したFDD-LTEのほうが有利ということなのでしょうか。それまでは規制を設けてなんとか中国基準のTD-LTEを普及させたいという中国の目論見が見え見えですね。なんせ、中国基準のTDーSCDMAでは失敗しましたから。ただ、理論値で見る限り、速度は下りのTD-LTEが100Mbpsに対して、FDD-LTEが150Mbpsで有利らしい。そういえば、3Gでも、TD-SCDMAは下りで2.8Mbps、WCDMAが14.4Mbpsで有利らしい。ただ、大勢の人が接続する場合、TD-LTEの方が有利だそうで、中国電信は都市部でTD-LTEを使い、その他のエリアではFDD-LTEを使うなど使い分けるのだそうです。ちなみに、中国移動は中国全国で3年かけてTD-LTEの基地を100万箇所設置する計画です。

 ちなみに、iPadですが、現在のところ香港版のiPad Air、iPad mini RetinaともにTD-LTEはサポートしていません。実は、私はこっちの方を期待していたのですが。

 さすがのAppleも、中国の4G問題では振り回されているような感じですね。さすがに中国大陸では何億人というユーザーを抱えているわけですから、数でビジネスをやっているようなものです。

 スマホの登場で、以前は本当に大変だった日本語と中国語の混在問題は見事に解決しました。しかし、周波数の問題は解決できていない。利権が絡む業界の話ですから。利用者側からすると、1台の携帯で安い通話料・データ通信料金で全世界で使えるというのが夢ですね。

 
posted by 藤田 康介 at 07:17| Comment(4) | 趣味の世界

2014年01月27日

5000円相当のスマホとチャイナモバイルのポイント

 私は中国のケイタイでは中国移動と中国聯通のユーザーであり、最近は専ら3G回線が便利な中国聯通のユーザーです。

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 とはいえ、10年以上前から中国移動を使い続けていて、電話番号もその当時プレミアムがつく?番号だったので保留していました。調べてみると、結構色々なポイントが溜まっているので、この際交換をしてきました。

 窓口のお姉さんに聞くと、数字の上では2万ポイントあったのですが、これをお金に換算すると70ポイントで1元となるようです。すると294元に相当します。差額5元でOKとのこと。

 じゃあ、なにに交換できるか?と聞いてみると、実はなんと299元のスマホがあったんで思わず交換してしまいました。受け付けのお姉さん曰く、「老年手機」と呼ぶらしい。

 最近、スマホの便利さに、中国でも高齢者がスマホに乗り換えているのをよく見かけます。ちょうど、義父のガラケーの電池が今ひとつだったみたいなので、この「老年手機」をプレゼントしてあげることにしました。しかしガジェット好きにはたまらない。いったいどのような端末か調べてみました。

 機種は酷派8076で、4インチの液晶に200万画素のカメラ、Wi-Fiも使え、マイクロSDカードも使用可能。話題の4G回線は使えないけど、3GはTD-SCDMAで接続可能。しかも電池の持ちが良いらしい。なんか機能的に十分ですね。義父は音楽が好きなので、MP3も大丈夫。

 たしかに、iPhoneとかサムソンとか、数千元するようなスマホが多い中で、300元以下というのはすごい。考えてみれば、必要な機能は全部揃っているんですよね。速度が遅いとか、見栄えがよくないとか、いろいろ問題はあっても使えたらいいじゃない?という人達が多いのもまた然り。

 中国で圧倒的なシェアをもっているAndroidのスマホ。いまでは、中国のカーナビでもAndroidが入っていたりと、あらゆる分野で増殖しています。

posted by 藤田 康介 at 07:17| Comment(0) | 趣味の世界

2014年01月21日

上海地下鉄・タクシー車内におけるPM2.5の変化

 20日までの大気汚染は一段落したようで、現在は上海浦東新区のPM2.5で50㎍/㎥前後、大阪市東成区で30㎍/㎥前後といった感じです。

 上海の重度大気汚染状態を利用して、地下鉄車内でPM2.5の値がどうなっているのか、簡易測定器を使って順番に調べてみました。

 測定したのは1月19日の夕方で、屋外の1時間平均のPM2.5濃度はだいたい150〜200㎍/㎥ぐらいでした。この日は、ちょうど豫園の上海老飯店で忘年会があったので早速地下鉄で移動です。

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 まず、地下鉄10号線虹橋路駅。ここは比較的新しい駅です。プラットホームでは95㎍/㎥前後でした。それでも、外よりは低いレベルになっています。ホームにはドアがしっかりと設置されている駅なので、そこそこの密閉性はあるのでしょう。

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 ただ、10号線の車内に乗ってみると、これが意外とPM2.5が低い値になりました。32㎍/㎥です。これだったらマスクを外しても大丈夫かも。乗客が少なかったのと、地下鉄10号線の列車が比較的新しいのと関係があると考えます。

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 一方で、帰宅の乗客が多かった地下鉄2号線で、車内で同様の測定をしたらPM2.5値は100㎍/㎥を超えていました。外の半分ぐらいになっていますが、2号線は様々な車両が運転されていて、今回乗ったのはシーメンス製の初期車。そういったことも関係しているのではないかとも思いました。

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(地下鉄の駅では大気汚染予報も)
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 結論として、外気と繋がっているところはPM2.5値は高くでて、人工的でも空調などの換気システムがあるところはそこそこ数値が下がることが分かりました。とくに、地下鉄車内の空調システムはかなり強力な印象です。

 外のPM2.5が同様に150〜200㎍/㎥の状態で、上海のタクシーに乗ってみました。タクシーは運転手が窓をあけたり、それこそ車内でタバコを吸っていたりするのでPM2.5の値に関しては不確定な要素が多いのですが、今日乗ったタクシーでは99㎍/㎥でした。

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 結論として、公共交通機関を使うことに関しては、やはり地下鉄での移動が、一番大気汚染の影響を受けにくいのではないかと思いました。バスやタクシーは運転手も窓を開けていることが多いので、その地点で論外です。


posted by 藤田 康介 at 07:05| Comment(0) | 上海の大気汚染状況