2014年03月31日

杭州の山歩きと安嫚法雲を訪ねて

 杭州の散策と言えば、西湖をまず思い出すかもしれませんが、実は西湖の南側には標高300メートル前後の山が広がっています。
 上海の周辺都市で、これほど緑に恵まれている街はそうありません。ちょっとしたハイキングコースに整備されていて、子連れにとっても便利なルートがたくさん有ります。


 さて、2日目は杭州で三本の指に入ると呼ばれる麺屋で朝食。復興南街にある「阿強麺館」クルマを走らせました。最近、我々の旅行では朝食はホテルで取らないことにしています。ありきたりの中華バイキングは飽きたし、それよりも地元の人が食べている朝食を研究しに行った方がとても楽しいです。

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 ちょうど、銭塘江の沿岸に位置する住宅地エリアになります。かけ麺タイプのものを選ぶ。これがもの凄いボリュームで、家族3人だったら一椀で十分です。もちろん、値段もそこそこして、野菜などのトッピングをあわせると合計40元もしました。ちょっと高いような気もしますが、味はなかなか。隣のおじさんが食べて居た雪菜麺が美味しそうだったので、次回の楽しみとします。

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 杭州の山々の麓では、まさに新茶のシーズンで、農家の人たちが一斉に茶畑に出て、お茶の摘み取りをしていました。このあたりの春の風物詩です。私達は平日に出かけましたが、これが休日になると行楽客で道路が大変な渋滞となります。でも、渋滞さえなければ、とても美しい景色を楽しめます。

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 今日のメインは、山歩きです。今回選んだルートは、梅霊南路から登ることができる雲栖竹径を歩き、山頂の五雲寺(標高334.7メートル)を目指しました。クルマ立ち入り禁止の道で、しかも小川もあったりして結構変化に富んでいます。木々を見つめていたら、なんとリスもいました!

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 野生の草は、もちろん生薬の宝庫でもあります。今回は歩きながら野蕎麦を見つけました。生薬では根っこを使いますが、中医学的な効能は清熱解毒・化痰利咽・健脾消食で、咽の痛みや頑固な咳などにも使えます。

 石畳でキレイに整備されたルートはとっても歩きやすく、娘も一生懸命最後まで登りました。

 お昼は、安嫚法雲のレストランに。高級リゾート施設としても名高く、1泊5000元もするようなところです。敷地内にある5箇所のレストランは部外者でも利用できますので、ちょっとお邪魔しました。土曜日は西洋料理のレストランではアフターヌーンティーもあるそうです。投資したののはシンガポールの会社。中国では北京の頤和院にも姉妹施設がありますが、ここ杭州のもかなり素晴らしい。

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 従業員の方に話を伺うと、どうやらもともとここにお茶農家の自然村落があったそうで、オリジナルの姿を残しつつ再開発したということです。敷地内には綺麗な小川もあり、外とは別世界のようでした。

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公式HP:安嫚法雲

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 今回利用したレストランは蒸し料理のお店。量もちょうど良かったし、何よりもさっぱりした味が印象的でした。

 食後、付近をぶらぶらしてみるのも良いかも知れません。江南の農村も、ここまでキレイに維持できたら、さぞかし気持ちいいのにと思うのですが、それはちょっと無理な話でしょうね。

 帰りは17半頃に杭州を出発。
 案の定、杭州市内の上塘高架道路を抜けるのに渋滞で大変で、40分ほどロスしてしまいました。それでもSAでの休憩を挟みながら、21時前には自宅に到着できたので、この距離感はちょうど良いですね。

 また週末に時間を見つけて、杭州の山々のハイキングに出かけようと目論んでいます。

posted by 藤田 康介 at 00:22| Comment(2) | 中国旅行記

2014年03月30日

杭州へちょっと山見に一服

  上海生活の最大の欠点は、もちろん大気汚染など環境の問題もあるけど、やはり山など自然に接するチャンスがとても少ないこと。上海人が日本に行って感動することの一つに、美しい自然が挙げられますが、その気持ちは非常によく分かります。とくに山がないというのは、私のような山育ちからすると結構なストレスです。そういうとき、ふと上海を飛び出します。今や高速道路も便利で出かけるのがとても楽になりました。

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 ということで、1泊2日程度なら、やはり杭州はお薦めです。

 多忙だった日曜日の診察が午後5時になんとか終了し、そのあと妻と娘をうちの中医クリニックでピックアップし、一路高速道路で杭州へ。
 夕方出発なので、日曜日のお墓参り渋滞とは逆方向。対向車線の渋滞を尻目に、G60高速道路をひたすら杭州に向けて走らせました。クルマの巡航速度を時速120キロに設定し、片道4車線の高速道路を走るのはとても気持ちいい。これだけでも結構スッキリしました。

 上海を抜けるのにはたった45分でした。これはかなりはやい方です。左右に広がる菜の花の景色がよかったです。江南の春ですね。

 途中、簡単な夕食をとるために嘉興のサービスエリアによりました。上海と杭州を結ぶ大動脈だけに、サービスエリはしっかりとしています。長江デルタのサービスエリアではお馴染みの「ちまき」は、ちょうど日本のサービスエリアで食べるたこ焼きやお好み焼きと同じような感覚だと思います。近年は、マクドナルドやKFCも入ってきています。

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 この日宿泊する宿の位置が分かりづらくちょっと迷いましたが、それでも午後8時前には到着できました。週末の杭州をクルマで移動するときは、西湖エリアで17時までナンバープレート番号による乗り入れ制限があるので注意が必要です。

 今回泊まった民宿の近くには1泊5000元もする安嫚法雲という有名なリゾートがあります。行ったことのある回りの上海人の友達からは結構好評なのですが、今のレートなら10万円近い値段になりますが、中国の宿泊施設でそこまでお金を払う値打ちがあるのかどうか。それだったら、航空券買って日本の秘湯の宿にいったほうがずっといいように思いますね。

 私達ファミリーは、結局1泊300元の民宿に。でも、民宿で300元というのも民宿レベルでは高い部類に入ります。設備的にはトイレとシャワーが一緒のブースとか、問題はないわけではないのですが、1晩過ごすくらいなら問題ありません。

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 なかなかおしゃれな感じです。

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 やはり、日曜日の夕方出発というのが良さそうですね。杭州で1泊すると、2日目の使い方が変わってきます。渋滞を避けられるし、安吉や桐廬にも行きやすい。また新しいクルマ旅の仕方を発見しました。

posted by 藤田 康介 at 07:55| Comment(0) | 中国旅行記

2014年03月28日

上海の水道水問題

 中国の環境当局が全国を調査した結果、2.8億人が安全でない水を飲んでいることが分かり、特に飲み水による健康リスクはアメリカの2.4倍にもなるということです。これは18歳以上の住民91527人を対象とした調査結果から統計処置した数字です。さらに大人を対象とした調査なので、次は子供を対象とした調査が行われるとのこと。結果が待たれます。

 では、上海市では水道水対策をどうしているか?近年いろいろな取り組みが行われているのは確かです。

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 我が家では、とりあえず浄水器で対策をしています。メーターのある根元にフィルターを取り付け、さらに洗濯機・お風呂・飲み水用・洗顔用と分けてタイプの違う装置をつけました。それを知ったうちの妻方(上海人)の親せきも同じように装置をつけましたから、やはり市民の関心は相当高い。ただ、効果はてきめんで、まずお風呂の水の色が日本のように薄青くなり、独特の滑りが明らかに減りました。この感動は今でもしっかりと覚えています。もともとは、我が家の水道水も黄色っぽい色をしていました。洗濯物の色も変わってしまいましたし。また、飲み水が美味しくなりました。最近は、外出するときも自宅で浄水した水を使っています。訳の分からないペットボトルより安心ですし。
 
 実は、水道水を飲めるようにするプロジェクトはかなり前から上海市でも行われています。記憶に新しいところでは、上海万博の会場に飲める蛇口があったことは有名です。そもそも、上海市の場合、浄水場から出ている水は直接飲めるレベルであるはずですが、残念ながら各家庭に届くまでに二次汚染が進んでしまい、煮沸しないと飲める状態にはなりません。

 その大きな原因となっているのが、マンションの水槽や水道管の老朽化問題です。上海市中心エリアだけでも2億uの建物で老朽化が進んでいて、しかも建設当初の基準が低かったために、水道水が濁ったり、鉄などの成分が基準値越えをしたりすることが分かっていました。そこで、これまで6000万uの建物を改修したようですが、まだ1.4億uが残されており、改修には2020年までかかるとのこと。とくに、老朽化した水道管の改修が重点的に行われるということです。腐蝕に強い水道管が使われるとのことです。

 さらに、上海では長江河口にある青草沙のダムに、水源保持のための植樹を行い、PM2.5除去で注目されている紅豆杉や水杉を植えるプロジェクトも進められています。大気汚染に関しては微々たるものかもしれませんが、大切な一歩だと思います。ダム湖に藻やプランクトンが大量発生しないように試験エリアに50万匹の魚を放流して水質の改善を図る実験をしています。また、黄浦江を水源とする水道水に関しても高度処理したものに切り替える作業が2013年中に完成するとのこと。

 少なくとも、上海市に関しては水道水の改善に努力が払われていることがわかりますし、20年前と比較しても確実によくなっています。その当時は、お風呂に水を入れただけでも濁っていましたから。今後、さらに良くなることと期待しますが、問題は農村エリアや中小の都市の水問題。多くが井戸や湧き水が使われており、これを改善するのには一筋縄ではいかないと思います。都市に人が集中するのにもそうした背景があるのです。

 中国の水道水に関してはこれまでもこのブログでたびたび書いています。こちらをご覧ください。

posted by 藤田 康介 at 07:21| Comment(0) | 上海生活情報