2014年05月13日

運転免許証の点数を売買する「黄牛」たち

 中国では新しい道路交通法が施行されて、今までよりも減点対象が厳しくなりました。中国の免許証は12点が満点で、全部減点されてしまうと理論テストを受け直すなどのペナルティが科されます。

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 私も中国でクルマを運転するようになって数年が経ちますが、基本的にスピード違反などで覆面パトカーが出てくることはありません。代わりに使われるのは電子警察と呼ばれる監視カメラ。上海市では、このカメラで違反が確定したら、HPで確認することができます。

 HPアドレス:上海交通安全信息網

 違反の処理は次の車検にまで済ませておく必要があります。そうしないと、車検すらパスできません。

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 ところが、こういう点数制度を悪用する人も出て来ます。まったくもって色々考えるものです。

 上海市内各地に電子警察で捕まったときに罰金などを支払う交通警察の施設があります。うちの中医クリニックの近くにも1箇所あり、その前を通ることが多いのですが、なにかいつも怪しいおっさんたちがたむろしています。彼ら「黄牛」と呼ばれるブローカーたちがちゃっかり待機しているのです。最近は黄牛の取り締まりが厳しくなったのか、入り口の前での取引は減っているようですが、150mほど歩いたところに集まっています。

 世の中には、様々な運転手のように免許証で生活している人もおれば、「本本族」と呼ばれるパーパードライバーも多い。そこで、ペーパードライバーの免許証を借りてきて、その点数を売買するやりかたで商売しているようです。相場は、1点80元で点数を買って来て、150元で売り飛ばし、その差額を儲けるらしい。

 こういった情報が、ネットで普通に取引されているのもこわいところ。

 こうしたなりすまし対策として、当局ではさらに解像度のよい電子警察を設置していくようですが、イタチごっこはまだまだ続きそうですね。警察側も、私服警察を投入して現行犯逮捕に乗り出しているようです。そりゃそうでしょう。

 当然、こうした行為は違法です。刑罰は200〜500元の罰金か5〜10日間の拘留だそうです。往々にして罰金が安すぎるのでしょうね。

 

 中国ってすごく不思議なのですが、明らかに違法行為をしている人たちの集団なのに、どうして正々堂々と活動できるのか?という点です。銀行前にいる非合法で人民元と米ドル・日本円を両替する人たちもまた然り。車検のときに、古いクルマをパスしやすいように袖の下を受け取る係員もまた然り。

 しかし、侮ってはいけません。ある日急に取り締まりが入って一網打尽になります。クリニック回りにあったマッサージ店も、5月6日に公安のがさ入れが入って、一斉に封印されて閉店してしまいました。

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 ちなみに、中国の高速道路を運転していると時々見かけるインターチャンジ出口での逆走やUターン。この場合は、あっさり12点減点になってしまうのですが、実際にやっている人が多いのが不思議。

 根本的に、中国では法を守ろうという意識がないのか。。。。

 私は今日も安全運転を心がけます。上海では決してイライラしないことが肝要です。


おしらせ

posted by 藤田 康介 at 06:52| Comment(0) | 上海の運転免許・クルマ・教習所

2014年05月07日

上海浦東の郷土料理のお店「三林本帮館」

 最近、私は上海料理のルーツを探るべく、地元上海人が納得できる料理を出す上海料理のお店を食べ歩いています。創作された料理も良いですが、それはまずオリジナルの上海料理を知ってから。そこには、健康に対しての伝統的な考え方も残っていますし、なによりも一番美味しい食べ方をするからです。最終的には中医学の養生・薬膳的な発想にも繋がります。

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 今回は、CCTVの「舌尖上的中国U」でも紹介され、人気沸騰している上海浦東の郷土料理を食べさせてくれる「三林本帮館」へお邪魔しました。

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 上海浦東新区といえば、高層ビルや整然と整備された街を想像するかもしれませんが、実は土着の上海文化が今での色濃く残っています。先日食べに行った、130年の歴史をもつ浦東徳興館の麺や、浦東下沙の焼売もそうですが、いろいろ特色があって楽しいものです。

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 浦東新区の三林は、外環状線だと長清路インターをおりてすぐのところにあります。ちょっとした「古鎮」の風情も残されています。そんな中に、「三林本帮館」がありました。浦東新区の無形文化財にも指定されている料理でもあります。

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 こうした郷土料理は、長い歴史があるのも特徴で、三林エリアでは元・明代から村での結婚式やイベントで各家庭が腕をふるって提供した料理が、今まで伝わってきています。どこか素朴で、だけどポイントを押さえた味があるのも、そうした伝統と関係があるのかもしれません。

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 テレビで紹介されたばかりとあって、店はすごい人。今や、電話での予約は受け付けておらず、実際に事前に赴いて予約しました。半月〜1ヶ月待ちの状態です。建物はいたって普通で、こぢんまりとした村の食堂といった感じでした。

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 ただ、やっぱりテレビでは紹介してほしくなかったというのが本音。郷土料理は一度にそう沢山調理できるわけでもないですし、私の楽しみの一つでもある店の主人との会話も楽しめない。もうこうなると、ベルトコンベア式にお客をさばくしかないからです。いわば、行列のできる店状態ですね。

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 ただ、それはそれで、料理はそこそこのものが出て来ました。点数的にはまず合格点かと思います。化学調味料指数もかなり低めだと思います。地元上海人が訪れる店ですから、さすがに料理は本格派だったです。今回のお薦めは油爆蝦かな。

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 上海料理は、四川料理などと比較しても、パンチが足りないような印象を持っている中国人も多いのですが、逆に、素材の味を活かすことのできる、上品な料理が多いのも特徴だと私は思っています。また、このお店のように、仕込みに時間をかけるような料理も多く、特に豚肉の活用方法はとても興味深いものです。

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 上海と一口にいっても、実はとっても広い。ぜひ各地に伝わる郷土料理を堪能してみたいところですね。

【データ】三林本帮館 浦東新区三林老街中林街65号
     電話:021-50771717
posted by 藤田 康介 at 07:25| Comment(0) | 中国で食べる

2014年05月05日

早朝、上海高橋まで伝統の名物麺を食べに

 私は昔から朝はしっかりと食べたい派です。今朝も4時ごろに起床して書斎にこもって中医学の文献を読んでいたのですが、5時半頃には確実にお腹が空いてくる。外をみてみると空気も良さそうだし、久しぶりに上海市高橋にある徳興館に行ってみようということになりました。上海浦東の我が家からだと15キロぐらいの道のりです。

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 徳興館は以前も行っていますが、地元上海人ではよく知られた老舗の麺館です。創立したのはなんと1878年ですから、なんと135年も続いているラーメン屋です。その昔、清代の乾隆帝も食べに来たという味です。何でもあっという間になくなってしまう上海で、この歴史はすごい。さらに、上海料理の料理術が上海市の非物質文化遺産に登録されています。こうしたお店は、朝早くから開いています。理由は、地元の人が朝食を食べに来るため。もちろん小籠包やワンタン、肉まんなどもあります。

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 徳興館は上海にも数店舗あるようですが、お薦めはやはり高橋鎮にある本店。外見はどこにでもあるようなごく普通のお店。どこか懐かしい感じさえします。そういえば、先日食べに行った阿山飯店もそうでしたが、上海で地元上海人が美味しいというお店はどこも外見は貧弱。そして、値段も安いのが特徴。店の内装が豪華で、メニューが高い店は観光客や地方から来た人には人気かもしれませんが、地元人はしらけています。上海人のケチさ具合からも想像がつきますよね。
 箱ものがスゴイ店では、中身に手を抜くだろうって。(^_^)

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 自宅を出発して店に入ったのは朝の6時半すぎ。高校生達や地元の人たちがもうさっそく麺をすすっていました。

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 上海系の麺にしては珍しく、スープもちょっと手が加えられていて奥深い。もちろん、ワンタンスープにあるような化学調味料+醤油なんてもんじゃない。そして、じっくりと煮詰められた豚肉がこれまた美味しい。ぎゅっとした歯ごたえが食慾をそそります。

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 基本的に麺+トッピングというのは上海の定番ですが、このトッピングにも上海人の好みがあります。私は豚肉+雪菜の組み合わせ。

 さらに回りをみてみると、人気があるのが辣醤麺みたい。さらに、トッピングとして辣醤だけを追加。麺は結構なボリュームなので、私は妻と半分に分けました。

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 文字をみると辛そうに見えますが、決してそうではなく、甘みのある辛さというのが上海らしい。そもそも、上海料理は甘党ですからね。しっかりと煮詰められていて味が染みています。

 妻はミニワンタン(小餛飩)を注文。これも典型的な上海料理ですよね。

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 上海にお住まいだったら、ぜひ一度は食べてみたい、上海の本格的な伝統的な味の一つです。

【データ】徳興館高橋本店 住所:大同路×高橋西街(第七人民病院向かい)

おしらせ

posted by 藤田 康介 at 10:30| Comment(0) | 中国で食べる