2014年09月09日

源泉が29箇所もある温泉宿、安曇野の中房温泉

  9月8日〜12日まで長野県を訪れました。もちろんメインは温泉巡りです。
 
 長野県の安曇野から、さらに山奥へ。途中、クルマの行き違いも大変なほどのグネグネみちを登っていくと、標高1674メートルの中房温泉に到着します。燕岳の登山道入り口に位置します。

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 はじめて中房温泉を訪れたのは2007年のこと。そのあと、学会などでも紹介させていただきました。

 なんせ、温泉宿に29箇所も源泉があり、すべて源泉掛け流しというような温泉宿は日本が温泉天国であってもそうありません。温泉の起源は、なんと坂上田村麻呂の故事にまで遡るのですが、近代では1821年に生糸の生産に必要なミョウバンを採掘するために松本藩の名により百瀬茂八郎が湯小屋を建てたのがはじまりとのこと。実は百瀬家は大糸線の開業に尽力されるなど、地域への影響力は大きかったようです。現在の百瀬社長にも、私は温泉研究で大変お世話になっております。

 中房温泉のすごいところは、湧き出るオリジナルの温泉に、いつでも入ることができるという点です。その殆どが90℃以上ということなので、温泉をどう冷ますかが大きな問題で、適温にするための工夫がいっぱいでした。

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 また、お風呂もこれまた源泉の種類によって多種多様で、十分に楽しむには最低2泊3日、できたら3泊はしたいところですね。

 2007年に来たときは、すべてのお風呂にはいったのですが、今回はいくつかのお気に入りを楽しみました。ちょうど前日に6歳の幼稚園児の娘をつれて燕岳(2763メートル)を登頂し、足の疲れをじっくりと癒すには最高でした。

 いくつかお薦めですが。。。。

 (1)野性味たっぷりの露天風呂、いやサルが入ってきてもおかしくない場所にある白滝の湯。源泉が崖の上にあり、そこからお湯が流れてきます。ちょうど崖から下りてくることで、温度が下がるという仕組みですね。

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 (2)上高地などでもお馴染みのウェストン卿が宿泊した本館の隣にある文化財にもなっている御座の湯。夜はちょっと暗めですが、温泉の雰囲気が抜群です。

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 (3)そして、御座の湯の向かい側に位置し、混浴(時間帯によって女性専用)にもなる不老泉。お風呂の回りが脱衣場になっていて、ちょうど群馬県にある法師温泉のような伝統的な浴場になっています。

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 (4)貸しきり露天風呂滝の湯もとってもいいです。うちの妻のお気に入りでした。裏山からお湯が流れてきます。

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 (5)温泉プールは屋外ですが、ぜひ利用してみたいところ。2011年には国登録文化財にも指定されていて、温泉プール先駆けの施設でもあります。実は、大正時代のこのエリアにリゾート開発計画があったのだとか。

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 その他、歩いて10分ほどのところにある焼け山では、地熱浴ができます。御座も準備されていて、その上に寝転がります。上海の岩盤浴とは全く違う熱の伝わり方を感じることができました。いや、大地が生きているんだ!とその鼓動を感じているようです。

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 さらに、焼け山の下には男女に分かれた蒸し風呂もあり、ぜひ体験したいところです。
 
 中房温泉では朝夕ともに地元の特徴いっぱいのお料理がでてきます。秋と言うことで、地元産の松茸もいただきました。これの香りが最高でした。残念ながら、いつもの中国産とはちょっと違いますね。もちろん値段も違いますし。

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 地熱を利用した地熱蒸しの若鶏も。これはちょっと遠慮して半匹のを注文しましたが、そこは中国風に一羽注文すべきだった。。。。せっかくの日本の地鶏だったのに。上海人の妻は大喜びでした。

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(ねっこ風呂)

 
 【データ】中房温泉
〒399-8306 長野県安曇野市穂高有明期7226
電話:0263-77-1488
HP:http://www.nakabusa.com/

 
posted by 藤田 康介 at 00:00| Comment(0) | 日本の温泉

2014年09月08日

レモン味のした酸っぱい下諏訪神乃湯(毒沢鉱泉)

 9月8日〜12日まで長野県におりました。
 日本に寄ったときには、出来るだけ温泉には入ろうと思っているのですが、9月8日に長野県下諏訪にある毒沢鉱泉の神乃湯にお邪魔しました。

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(成田空港到着)

 東京まで上海から飛行機で飛んだのですが、諸所の事情が重なり予定よりも3時間以上遅れるという結果になりました。
 そこからさらに東京でレンタカーを借りて一路諏訪湖方面へクルマを走らせました。

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(首都高から中央高速)

 楽しみにしていた宿の夕食は事前キャンセルせざるおえなかったのですが、でも目指すはやはり温泉です。真夜中で真っ暗な山道をぐっと登ったところに神乃湯がありました。夜21時半に到着。まさに日本の秘湯の雰囲気抜群の立地条件です。

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 この温泉はとても興味深い歴史を持っています。ここを選んだのもそのためです。もともとは武田信玄の隠し湯だったそうですが、昭和初期には自然鉱泉中の売約許可を取得しているというのも珍しい。さらに四代目の館主である小口さんは関西方面の大学で微生物を研究されていて、しかも薬剤師と鍼灸師の資格ももっておられ、長野県温泉協会の温泉療養指導士も取得されています。いろいろお話を伺っていると、ますますここの温泉に惹きつけられました。

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 神乃湯には露天風呂はありません。いや、露天風呂は必要ないように思います。それは、露天風呂がなくても、お湯そのもので温泉効果を感じることができるからです。

 特に、お風呂の入り方は非常に特色があります。それは冷たい源泉(鉱泉)と、加熱されたお湯を交互に入るという入浴法です。源泉は、浴槽に入って、温められて酸化してしまうと褐色に濁ってきますが、源泉の冷泉には金箔のような湯ノ花が舞っており、とても不思議な感触でした。

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 源泉は10℃と夏でも非常に冷たい温度なのですが、味が特徴的です。まるでレモン水を飲んでいるような酸味があり、これは初体験でした。含鉄(U)ーアルミニウムー硫酸塩冷鉱泉で、ph=2.5の酸性です。飲用による効能は、貧血や消化器系によいとされています。量は1日200〜1000cc程度だそうです。

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 交互に入っていると、自律神経が強化されるのか、身体の芯からポカポカしてきます。また、頭がスカッとするような、いわゆる活血化瘀される状態を実感できました。

 翌朝、館主の小口さんと色々話をしていると、ある一つのことに気がつきました。中医学的に、湯治場治療とは病気を抱えた人たちが行くわけで、身体全体に邪気をもっているわけです。そういう人たちが集まってくるわけですが、当然邪気そのものが凝縮しやすくなると考えても不思議ではありません。そうした邪気を追い払うためにも、神乃湯では薬師・龍神・水神を祭っていましたし、心の癒やしについても非常に重視されていました。

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 昨今、スーパー銭湯など、浴室にはいるとすぐにプールのような消毒のニオイのするような温泉が少なくありません。それだけで私の気持ちが萎えてしまいます。温泉は、その出てくるパワーにエネルギーの源があるのに、それではあまりにも勿体ない。
 その昔、日本人が温泉での湯治を考えたのも、そうした自然界のパワーの恩恵に預かりたいという願いもあったと私は思います。

【データ】長野県下諏訪 神乃湯 毒沢温泉
 〒393-0091 長野県諏訪郡下諏訪町社7083
 電話:0266-27-5526
 HP:http://www.kaminoyu.com/

 ◆東和クリニック・中医科での担当スケジュール
posted by 藤田 康介 at 00:00| Comment(0) | 日本の温泉

2014年09月02日

上海の高架道路で轢かれる犬猫たち

  最近、上海でクルマを運転していると、とっても不思議なことの一つに、山や森すらない上海の高架の自動車専用道路で、毎日必ず1匹はクルマにひかれた犬やネコを見かけることなのです。

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 今朝も、南浦大橋を降りたところぐらいで、白いネコがクルマに轢かれていました。

 上海市内の高架道路の場合、背の高い防音壁がついているし、交通量もかなりあります。高架の自動車専用道路に侵入するのはネコとはいえそう簡単なことではないはずです。

 こちらのメディアの報道では、春〜夏の繁殖時期を中心に今年に入ってから30匹以上のネコの死体が発見されているのだそうですが、少なくとも私が路上を見ている限り、全長約140キロの高架道路ではこの程度の数ではないでしょう。

 いったいなぜこれほどのネコが轢かれて死んでいるのか。清掃員の話では、ネコをクルマに乗せて高架道路を運転していると、ネコが窓から飛び出してしまって後からきたクルマに轢かれたそうなのですが、謎が多いのも事実。

 実際、私が路上で動物の死骸を見つけるのは大抵朝の高架道路。夜のうちになにかが起こっているのかもしれません。

 上海の虐待動物を救うための市民グループによると、心ない人たちによって、動物へのある種の虐待が行われているのではないかという意見もあります。実は海外のサイトで高架道路に動物を捨て、それをわざわざ録画してネットで流して利益を得ているようなケースもあるそうです。

 いずれにしろ、上海ではいまやペットを飼うことがひろく一般的になってきており、飼い主のモラルや動物愛護の問題が出始めているのもまた事実なのです。

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posted by 藤田 康介 at 00:00| Comment(0) | ここは上海なり