2014年09月08日

レモン味のした酸っぱい下諏訪神乃湯(毒沢鉱泉)

 9月8日〜12日まで長野県におりました。
 日本に寄ったときには、出来るだけ温泉には入ろうと思っているのですが、9月8日に長野県下諏訪にある毒沢鉱泉の神乃湯にお邪魔しました。

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(成田空港到着)

 東京まで上海から飛行機で飛んだのですが、諸所の事情が重なり予定よりも3時間以上遅れるという結果になりました。
 そこからさらに東京でレンタカーを借りて一路諏訪湖方面へクルマを走らせました。

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(首都高から中央高速)

 楽しみにしていた宿の夕食は事前キャンセルせざるおえなかったのですが、でも目指すはやはり温泉です。真夜中で真っ暗な山道をぐっと登ったところに神乃湯がありました。夜21時半に到着。まさに日本の秘湯の雰囲気抜群の立地条件です。

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 この温泉はとても興味深い歴史を持っています。ここを選んだのもそのためです。もともとは武田信玄の隠し湯だったそうですが、昭和初期には自然鉱泉中の売約許可を取得しているというのも珍しい。さらに四代目の館主である小口さんは関西方面の大学で微生物を研究されていて、しかも薬剤師と鍼灸師の資格ももっておられ、長野県温泉協会の温泉療養指導士も取得されています。いろいろお話を伺っていると、ますますここの温泉に惹きつけられました。

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 神乃湯には露天風呂はありません。いや、露天風呂は必要ないように思います。それは、露天風呂がなくても、お湯そのもので温泉効果を感じることができるからです。

 特に、お風呂の入り方は非常に特色があります。それは冷たい源泉(鉱泉)と、加熱されたお湯を交互に入るという入浴法です。源泉は、浴槽に入って、温められて酸化してしまうと褐色に濁ってきますが、源泉の冷泉には金箔のような湯ノ花が舞っており、とても不思議な感触でした。

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 源泉は10℃と夏でも非常に冷たい温度なのですが、味が特徴的です。まるでレモン水を飲んでいるような酸味があり、これは初体験でした。含鉄(U)ーアルミニウムー硫酸塩冷鉱泉で、ph=2.5の酸性です。飲用による効能は、貧血や消化器系によいとされています。量は1日200〜1000cc程度だそうです。

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 交互に入っていると、自律神経が強化されるのか、身体の芯からポカポカしてきます。また、頭がスカッとするような、いわゆる活血化瘀される状態を実感できました。

 翌朝、館主の小口さんと色々話をしていると、ある一つのことに気がつきました。中医学的に、湯治場治療とは病気を抱えた人たちが行くわけで、身体全体に邪気をもっているわけです。そういう人たちが集まってくるわけですが、当然邪気そのものが凝縮しやすくなると考えても不思議ではありません。そうした邪気を追い払うためにも、神乃湯では薬師・龍神・水神を祭っていましたし、心の癒やしについても非常に重視されていました。

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 昨今、スーパー銭湯など、浴室にはいるとすぐにプールのような消毒のニオイのするような温泉が少なくありません。それだけで私の気持ちが萎えてしまいます。温泉は、その出てくるパワーにエネルギーの源があるのに、それではあまりにも勿体ない。
 その昔、日本人が温泉での湯治を考えたのも、そうした自然界のパワーの恩恵に預かりたいという願いもあったと私は思います。

【データ】長野県下諏訪 神乃湯 毒沢温泉
 〒393-0091 長野県諏訪郡下諏訪町社7083
 電話:0266-27-5526
 HP:http://www.kaminoyu.com/

 ◆東和クリニック・中医科での担当スケジュール
posted by 藤田 康介 at 00:00| Comment(0) | 日本の温泉