文豪魯迅が生まれた街、そして紹興酒の街として有名ですが、2013年に嘉紹大橋が開通するまでは、杭州湾をぐっと杭州方面へ迂回する必要があり、とても行きにくかったのです。ところが、橋の開通で所要時間は半分になり、距離にして200キロほどになりました。上海浦東からだと2時間半ほどの道のりです。
国慶節連休の初日となる10月1日からは、どこの観光地も人でいっぱいになるのですが、たった1日違いだけでガラガラになるわけです。
魯迅に興味があれば紹興は十分に楽しめますが、コンパクトな街歩きはもっとお薦めです。

街中にクリークがあり、江南の水郷の趣が十分なのですが、ポイントは下手に観光地化されていないところです。生活感があり、ゆっくりと時の流れを感じることができます。さらに、クリークには古い石橋があるほか、そうした景色を川から眺めることができる舟も運航されています。ぜひ乗ってみたいところです。

数々ある古い橋のなかでも、とくに印象深かったのが八字橋と呼ばれる大きな橋で、国の重要文化財になっていました。1256年に再建されたそうで、その後も幾度か修繕されて現在に至っています。

八字橋の近くには、天主堂もあります。この日は、偶然にも職員の方が一人おられて、オルガンで音楽を披露してくださいました。


巨大な天主堂は、欧米人によって建てられたそうで、100年の歴史があるそうです。さまざまな迫害にも負けず、今日まで残ってきたことはすごいことだと思います。

2日目に歩いた西河路周辺も良い感じでした。

クリークを中心に、古い街並みが残されていて、人々の日常生活を直に感じることができました。クリークのお向かいさんと話をしながら、洗濯している人たちが印象的でした。

今回、宿泊で選んだのは1泊目は咸享酒店、2泊目は紹興飯店。いずれも街のど真ん中に位置している5★ホテルですが、値段もリーズナブルでした。紹興飯店は、紹興料理のレストランとして有名ですが、建物は少し古め。

一方で咸享酒店は、紹興酒のブランドとしても有名で、施設も刷新されていてなかなか良い感じでした。個人的には咸享酒店が気に入りました。魯迅ゆかりの建物も歩いて行ける距離にあり、ホテルもそういった雰囲気を十分に感じることができました。


また、咸享酒店には、老舗店につけられる「中華老字号」の称号をうけたレストランもあり、こちらはファーストフードスタイルとレストランスタイルに分かれていて、どちらもなかなかの紹興料理を出してくれましたが、個人的には2階にあるレストランをお薦めします。完全に個室になっていて、我々一家も4人部屋を使わせてもらえました。
いつもギスギスした上海に暮らしていると、紹興の生活スピードはゆっくりめで、クルマもちょっとだけ遅い感じがします。なによりも、人々がとても親切で、サービスも好印象でした。
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