2014年10月16日

中国入国時の自動化ゲート

  日本ではかなり前から使われている入出国時の自動化ゲートですが、私はこれは大変便利な仕組みだと思います。我々のように日本と中国を行ったり来たりすることが多いと、パスポートのスタンプが増えてきて、ページがなくなるとまた増刷しなくてはいけません。10年パスポートとなると尚更です。しかし、自動化ゲートを使うと、スタンプがないのでその分のページが節約できます。また、今のところあまり普及していないので、窓口が混んでいるときでもあっさりと自動化ゲートで入国・出国審査ができるのも強みです。

 ただ、日本の場合、今ひとつ指紋読み取りの性能がよくないですね。あと、処理速度も遅い感じがします。両手の人差し指で読み取るのですが、四苦八苦している人を時々みかけますし。今日、iPhoneでの指紋読み取りもかなり敏感です。もう少し工夫して欲しいところですね。

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(浦東空港の自動化ゲート)

 ところで、中国でも上海浦東空港で自動化ゲートが稼働しています。現在は中国入国の時だけで、出国時はまだありませんが、特に浦東空港での入国時の行列が中国人用・外国人用ともにいつも大変なので、自動化ゲートの登録にチャレンジしてきました。現在は、中国公民と香港・台湾・澳門住民、あと永住権をもっている外国人も利用できることになっています。

自動化ゲートのことを、中国では「自助通道」と呼びます。

 日本同様、事前の手続きが必要です。上海浦東空港の場合ですが、一度中国に入国したあと、出入境管理局の公安が詰めている窓口の一番端に、指紋などの手続きをするブースを設置してあり、申請書に名前・住所・身分証明書の番号などを記載して提出し、窓口のお姉さんがデジカメで顔写真を撮り、両方の親指の指紋を登録すれば完了です。(日本では人差し指でしたが、中国では親指でした。)

 あまりにもあっさりと登録できたのでちょっとびっくり。

 さすが中国と思ったのは、自動化ゲートの数が多いこと。日本では、例えば関空では1レーンしか確保されていませんが、浦東空港の場合だとずらりと並んでいます。2013年頃から取り組んでいたそうですが、最近入国審査待ちの行列の中で自動化ゲートのビデオを流しているので、普及を図るところなのでしょう。

 中国の自動化ゲートでは、2段階でゲートが開く仕組みで、まずは日本のパスポートを読み取らせて一つ目のゲートが開き、つぎに親指の指紋を読み取らせて二つ目のゲートが開く仕組み。ただ、今回はまだ使っていないので、次回日本から戻ってきたときに体験してみようと思います。

 当たり前ですが、上海で指紋を登録しても、中国の他の空港でも使えます。

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posted by 藤田 康介 at 00:00| Comment(0) | 上海生活情報

2014年10月14日

ムリして短距離便で機内食を出さなくても良いと思う

  10月14日〜16日までは大阪出張。16日の午前中に上海へ戻り午後から診察です。

 本当は13日からだったのですが、台風19号の影響をもろにうけてしまい、当初の13日朝の東方航空便(MU)をキャンセルし、今回は中国国際航空(CA)の便で上海浦東第2ターミナルから関西空港へ。

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 新しい第2ターミナルは暖色系で、いつもMUで使っている第1ターミナルとはまったく感じが違います。お店も充実していて、待ち時間は断然第2ターミナルのほうが便利です。出国審査を終えてからでも、朝食をたべることのできるお店は多いです。

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 今回は、「島流し」ということで、搭乗時にバスで「沖」へでていきましたが、飛行機は大型のA330でした。ちょっと驚いたのは、中国民航機ではじめて座席に液晶がついていた点。中国の航空会社もサービスがよくなってきているのですね。結構いろいろな映画もあり、タッチパネル方式で操作できました。

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 そしてびっくりしたのは機内食。菓子パン1つだけでした。

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 過去20年近くに渡って日中間を往復していますが、これは初めて。


 確かに、上海発関空は1時間30〜50分程度のフライト。わざわざ凝った機内食がなくても、出発前か到着後に食べればいいわけですから。

 ただ、いつものMU便での習慣で、朝便でも機内食がでるとみていた私はちょっとショック。こういうときに限って、朝に時間がなくてなにも食べていなかったりするのでした。

 確かにMUのとき回りを見渡すと、機内食を受け取りもしない乗客も多いことから、短距離便でのミールサービスは再考したほうがよいかもしれませんね。残飯を増やすぐらいだったら、日本の国内線のようになにも出さずに、でも定時運行に気を遣ってくれた方がずっと嬉しい。

 関空に到着すると、いつものように外国人の入国審査はとんでもない混雑。まるで「中国」みたいな、中華系の言葉が炸裂していました。今日の私たちの便にも、飛行機初体験のような上海人中高年の団体旅行客が多く、機内はほぼ満席状態だったのには驚きました。

 中国からも近いですし、高齢者にとっても日本旅行は魅力でしょう。しかしまあ、賑やかというよりもやかましかった。コールスイッチを何回もおして乗務員を呼ぶ人たちも。ミカンやらお菓子やらを沢山持ち込んで、黙々と食べている上海のおばちゃんたちはすごいですね。

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 関空に到着後は、「はるか」に乗って新大阪までワープ。
 直通してくれているのはとっても助かります。朝1番の飛行機にのると、14時半までには到着して一仕事できます。

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 新大阪ではe-clinicでの仕事を片付け、何本か動画の収録をし、夜は上海でずっと診ていた中国人の患者さんと再会。いろいろなアドバイスをして、実家に戻ったのはもう10時すぎでした。

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 明日ももう一日ガンバリマス。

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posted by 藤田 康介 at 00:00| Comment(0) | やった〜!日本なり

2014年10月11日

越劇の古里、浙江省嵊州の「崇仁古鎮」

国慶節にいった浙江省紹興の旅の続編です。

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 浙江省紹興から南へ100キロ、隣町の嵊州にある崇仁古鎮を訪れました。国慶節の日に行ったのですが、さすがにここまで来る人はあまりいなかったです。人々の日常生活が残っている、味のある村でした。

 紹興からは山越えのルートを選びました。昔の人たちが歩いた街道筋ですが、農村の風景のドライブを楽しめました。

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この崇仁古鎮江南エリアでも最大規模とも言えるぐらい、面積30ヘクタールの巨大な古い村が残っていて、日中戦争の戦火でも破壊されず、かなり完全な形で、明代〜清代〜民国時代の建築物が残っています。越劇創始者の一人である馬潮水の出身地であるほか、清代には囲碁の強豪を輩出するなど、文化的にも非常に発展したエリアでもありました。

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一応、国の文化財なのですが、まだ修理の手が回っておらず、やっと修復しはじめたといった感じです。残念ながら、木造建築が多いので、一部朽ちかけているのもあり、作業を急がないといけないと思います。古い建物では築300年のものもあるそうです。

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 細い石畳の通路に、白壁の建物は江南エリアでよく見かける景色ですが、とにかく村のなかの道路が複雑で、歩くのが大変。しかし、適度に生活用水用の池が配置されていて、井戸も多く、当時としてはかなり整備された村であったことが想像に難くありません。

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 また、それぞれの家が木の廊下で繋がっているのもこのあたりの特徴で、家々での行き来が盛んであったようです。またご先祖を祭る宗祠が154箇所もあるというのはすごい!そのほか、賭博場や中医薬局の建物も見つけました。

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(中医薬局だったところ。立派な木造建築でした。)

 のどかな日常が残っていて、当時ご先祖を祭っていた宗祠は、いまでは公共のスペースになっていて、老人達が囲碁を楽しんでいました。話を聞くと、名字が「裘」とつく一族が多く住んでいるらしく、村全体が城のような役目をなしていたそうです。

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 越劇では、有名な舞台として「玉山公祠」があります。1791年に建築され、崇仁で最大規模。民国時代には、舞台には女性はあがってはいけないという禁制をやぶって演劇が上演されたり、越劇で有名な周宝奎・筱丹佳・張茵なども役者もここで上演しています。

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 今ではすっかりと時代の流れに取り残されてしまったような崇仁古鎮ですが、少なくとも建築物の修復は早くして欲しいと願うしかありません。

 ちなみに、私達はお昼前に訪れ、どこか食事ができる場所がないかかなり探したのですが、これがかなり難しい。最終的に、辛うじて蒸し餃子屋を見つけて入りましたが、観光地でない村エリアは食べ物の問題が厄介です。地元の人は外食することがありませんからね。

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 村の外には市場もあり、そこで買い物をして上海へ戻りました。美味しい栗が手に張りました!

東和クリニック・中医科での担当スケジュール
posted by 藤田 康介 at 05:48| Comment(0) | 中国旅行記