2014年10月11日

越劇の古里、浙江省嵊州の「崇仁古鎮」

国慶節にいった浙江省紹興の旅の続編です。

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 浙江省紹興から南へ100キロ、隣町の嵊州にある崇仁古鎮を訪れました。国慶節の日に行ったのですが、さすがにここまで来る人はあまりいなかったです。人々の日常生活が残っている、味のある村でした。

 紹興からは山越えのルートを選びました。昔の人たちが歩いた街道筋ですが、農村の風景のドライブを楽しめました。

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この崇仁古鎮江南エリアでも最大規模とも言えるぐらい、面積30ヘクタールの巨大な古い村が残っていて、日中戦争の戦火でも破壊されず、かなり完全な形で、明代〜清代〜民国時代の建築物が残っています。越劇創始者の一人である馬潮水の出身地であるほか、清代には囲碁の強豪を輩出するなど、文化的にも非常に発展したエリアでもありました。

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一応、国の文化財なのですが、まだ修理の手が回っておらず、やっと修復しはじめたといった感じです。残念ながら、木造建築が多いので、一部朽ちかけているのもあり、作業を急がないといけないと思います。古い建物では築300年のものもあるそうです。

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 細い石畳の通路に、白壁の建物は江南エリアでよく見かける景色ですが、とにかく村のなかの道路が複雑で、歩くのが大変。しかし、適度に生活用水用の池が配置されていて、井戸も多く、当時としてはかなり整備された村であったことが想像に難くありません。

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 また、それぞれの家が木の廊下で繋がっているのもこのあたりの特徴で、家々での行き来が盛んであったようです。またご先祖を祭る宗祠が154箇所もあるというのはすごい!そのほか、賭博場や中医薬局の建物も見つけました。

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(中医薬局だったところ。立派な木造建築でした。)

 のどかな日常が残っていて、当時ご先祖を祭っていた宗祠は、いまでは公共のスペースになっていて、老人達が囲碁を楽しんでいました。話を聞くと、名字が「裘」とつく一族が多く住んでいるらしく、村全体が城のような役目をなしていたそうです。

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 越劇では、有名な舞台として「玉山公祠」があります。1791年に建築され、崇仁で最大規模。民国時代には、舞台には女性はあがってはいけないという禁制をやぶって演劇が上演されたり、越劇で有名な周宝奎・筱丹佳・張茵なども役者もここで上演しています。

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 今ではすっかりと時代の流れに取り残されてしまったような崇仁古鎮ですが、少なくとも建築物の修復は早くして欲しいと願うしかありません。

 ちなみに、私達はお昼前に訪れ、どこか食事ができる場所がないかかなり探したのですが、これがかなり難しい。最終的に、辛うじて蒸し餃子屋を見つけて入りましたが、観光地でない村エリアは食べ物の問題が厄介です。地元の人は外食することがありませんからね。

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 村の外には市場もあり、そこで買い物をして上海へ戻りました。美味しい栗が手に張りました!

東和クリニック・中医科での担当スケジュール
posted by 藤田 康介 at 05:48| Comment(0) | 中国旅行記