
良渚文化というのは、紀元前3500年〜紀元前2200年ごろに栄えた文化で、稲作文化がすでに形成されていたらしい。長江下流の上海には、最近博物館も建設されたッ澤文化もありますが、その関連性も指摘されています。ただ、1000年もの繁栄は、大洪水によって消えてしまったらしい。自然の力は恐ろしいですね。
その良渚文化が栄えたエリアに、今回訪れたニュータウンがありました。計画人口は3万人ほど。文化村というので、農民達が新しい形で町作りをしているのかと思っていたのですが実はそうではなく、都市部などから移り住んできた人たちが大部分のようでした。ただ、インフォメーションセンターでいろいろ話を聞く限り、住民達が協力しながらまちづくりをしている様子がよく分かります。
今流行の環境に優しいまちづくりとして、ゴミの分別回収や、犬の糞を処理するポール、住民ボランティアの取り組みなど、一般的な中国の住宅地ではまだまだ本格化していない事項がいろいろ紹介されていました。


日本の建設家安藤忠雄氏の名前が出てくるなど、世界中の著明な建築家がプロジェクトに関わっているようです。街の中心部の教会は、島津事務所が手がけているなど、いつもの中国の住宅地とは雰囲気がちょっと違う感じです。


村の入り口には5★ホテルがありました。今回、我々もここに宿泊したのですが、このホテルも地域住民なら4割引きになります。ホテル内には子供が遊ぶエリアやフイットネス倶楽部、室内プールなどがあり、宿泊者はもちろん無料ですが、住民も住民価格で利用できます。カルチャースクールもありました。

これが結構ユニークなホテルで、ベランダに浴槽があり、ちょっとした露天風呂気分が味わえます。(^_^)
サービスも特に不満はなく、朝のビュッフェも美味しくいただけました。最近、こうした中国的要素をふんだんに取り入れたホテルが増えていますが、私個人的には好きです。


【データ】NARADA(良渚君澜度假酒店)
HP:http://www.naradalz.com/cn/
住民用の食堂や、市場も整備されています。少し歩くと、公園も整備されていて良渚文化博物館もあります。残念ながら、この日は月曜日で休館日。ここは再び訪れてみようと思います。


ただ、いったいどういう人がここに住むのか、いろいろ考えてみました。杭州郊外といえども、杭州市内にはクルマで1時間はかかりますし、地下鉄2号線も2年後にやっと開通。クリニックはあるようですが、市場や商店街はあっても大型の商業施設なども見当たらず、ニュータウンとしてはちょっと不便かも。ただ、新規分譲しているマンションをみていると、高齢者用の住宅も考えられているようで、建設が進められていました。
ちなみに、不動産業者に相場を聞いてみたところ、標準的な80〜100uほどのマンションで100万元前後らしい。確かに上海よりはずっと安いけど、私はむしろ高い!と思ってしまいました。
とはいえ、郊外の農村地区に、不動産価値を高めるようなアイデアを詰め込み、都会の郊外移住者を取り込むような住宅地を作る試みは、昨今の長江デルタエリアではよく見かけるようになりました。単なる不動産投資の目的ではなく、町作りを目指した住宅開発は、今後も増えるような気がします。ゴーストタウンを作らないためにも。
◆東和クリニック・中医科での担当スケジュール◆