2014年12月13日

冷たい食事なんて考えられない〜大阪のふりかけ論争をみて

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 ちょうど、前月11月に大阪に帰ったときに、関西空港のテレビでちらっとみたのが大阪市の中学給食のふりかけ問題のニュースでした。食べ残しが7割と出ていて、びっくりしましたのですが、それよりびっくりしたのが、大阪市の中学給食はおかずが「冷たい」のですね。

 ちなみに、中国では、食の選択肢の中に、冷菜以外で冷たいモノを食べると言う発想がありません。野菜とか肉で万が一冷たいモノが出て来たりすると大騒動に、スープなんかで冷たいモノがでてきたら、それこそ暴動がおこるかもしれません。底辺で働いていると言われている地方からの出稼ぎの人たちも、毎日温かい食事を食べています。

 それぐらい、こちら中国では「暖かい食」には敏感で、「冷たい料理」を食べさせられることは屈辱的なことでもあり、栄養以前の問題と捉えられています。もし学校で冷たい給食しか出てこなかったら、こっちの生徒達はボイコットして外へ食べに行くでしょう。

 たしかに、お正月のおせち料理とか、日本には温めないで食べる食文化がありますが、それでもお雑煮は冷たいままで食べることはないでしょう。いまや、飛行機の機内食ですら暖かい時代です。

 日本の次世代を担うべき子供たちに、ちゃんとした「食」を教えてあげないと、将来が本当に心配です。いくら家で食生活に気を配っていても、学校がこれでは・・・。

 ただ、日本の子供たちは確かに冷たい飲食には慣れていますよね。日頃診察していても、真冬に氷を食べたりしている子供たちも少なくない。中医学では胃に寒気が貯まると言い病気の原因になると考えます。中国の日常生活でも「冷蔵庫に入っていた食べ物は直接食べないように」と物理的に冷やした冷蔵庫に入っている食べ物の摂取を嫌います。これは、体を温めるとか冷やす食材を考える以前の問題です。

 ふりかけ論争するヒマがあるのなら、まず暖かい給食をどうやって提供してあげるかを考えてあげるべきでしょう。せめてスープ類は熱々を出してあげるとか、この寒い冬にどうやって子供たちがお昼を食べているのか、遠い上海からですが、とても気になります。

 しかし、いつから日本の食事は温かさに拘らなくなったのだろうか。

 12月15日から東京です。今回も結構ハードなスケジュールになりそう。

東和クリニック・中医科での担当スケジュール
posted by 藤田 康介 at 00:00| Comment(0) | 中国で食べる