2014年12月23日

上海地元のローカル麺館、「金剛飲食店」

IMG_4227.jpg

「飲食店」という名前の付け方は、上海でも結構珍しいです。普通は「飯店」とか「麺館」といいます。

 以前、杭州でCCTVで有名になった麺館を紹介しましたが、こういう質実剛健的なお店は、もちろん上海にもあります。時々メディアにも紹介されるのが、長楽路601号にある「金剛飲食店」です。

IMG_4220.jpg

 お店はとっても小さく、じっくりと見ていないと通り過ぎてしまうほど。10人も入ればいっぱいになる感じです。昔は上海市内にもこういうお店が結構合ったのですが、最近は新興住宅が増えてきて減ってきました。でも、上海のオリジナルの味を出していますね。

IMG_4231.jpg

 ここのお店のご主人は上海人で、80年代に東京留学の経験があります。2年間日本で留学し、その時ためたお金と経験で1990年に開店、かれこれ24年間も続いているというのは、上海では珍しいと思います。でも決して派手な今風のお店ではなく、昔風のお店の雰囲気を残しています。80年〜90年代と言えばまだまだ上海も貧しかったころ。苦労して日本へ留学し、それを元手に現在活躍している上海人は意外と多いものです。

IMG_4222.jpg

IMG_4221.jpg

 さて、上海式麺の特徴はトッピング。スープも何時間も煮込んだガチャガチャしてものではなく、単純に醤油ベース程度でとてもシンプルである一方、上にのせる具は色々あります。お薦めはちょっとピリ辛の辣肉。うちは娘がキャベツが大好きなのでキャベツと煮卵、さらに大豆で作る素鶏を注文。

IMG_4223.jpg

 麺スープは濁っておらず、透き通っているのもポイントで、トッピングのハーモニーが、麺全体の味を引き立てるのです。また、麺はかんすいの効いたものではなく、歯ごたえもあまり強くない感触。地元上海では、あまり歯ごたえがある麺は好まれないのも日本とは違います。だから、そうじて細い麺が多いのです。

IMG_4224.jpg

 メニューは麺と飯しかありません。こういう麺館だったら、普通は小籠包とかワンタンとかあるのですが、ここはとてもシンプル。あまり色々しすぎると、忙しし過ぎて大変になるかららしい。

IMG_4217.jpg
 
 最近の上海では、家賃の高騰で、お店が繁盛してくると家賃をあげたがる大屋さんが多くなり、その結果、店の存続が難しくなってしまうのですが、ここは自前らしい。そもそも安いのが大切な麺なのに、そこに家賃を転嫁してしまって高級麺になってしまうのはいかがなものかと。そういえば、以前行った地元の人たちで行列のできる上海料理のお店、茂隆も実に小さなお店でしたが、そこも自前。味にこだわり、永く店を存続させるのは、ショッピングモールに出店するのではなくて、こうした自前の小さなお店ではないと、上海では難しいのでしょうね。

 こういうお店で食事すると、まず長居することはありません、というか雰囲気的にもできません。客の回転スピードはとってもはやいです。

 美味しい料理をさっさといただいて、他の場所で余韻を楽しむ。でも、そういうスタイルのお店がじつは上海に結構あったりして、こうした店を探し出すのもまた楽しみです。

東和クリニック・中医科での担当スケジュール
posted by 藤田 康介 at 14:55| Comment(0) | 中国で食べる