2015年02月26日

大理洱海の湖畔、上海から移民しての民宿

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 今回の春節は、11日間の大理州滞在でした。最後の宿は、もともと上海市の公務員で、大理の自然に魅せられて公務員を辞め、大理の洱海の畔に移住し、そこで民宿(客栈)を経営している友人を訪れました。

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 最近、30〜40代の上海人で、こういう決断をする人が多いです。上海など大都市の忙しい生活・悪化する生活環境から離れ、アウトドアなど自分の趣味も楽しめるような場所に、都会から人を迎え入れてビジネスにする方法です。まだ奥さんとお子さんは上海におられるそうですが、軌道に乗ってくるまでひとがんばりのようです。

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 さて、この民宿ですがロケーションは抜群です。なんといっても、すぐ前が洱海なのですから。洱海は雲南省で2番目に大きな湖だけあり、まるで海のよう。風が強かったりするとさざ波が立ちます。

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 まだOPENして間がないので、一部未完成のところもありましたが、なかなか快適に作られています。こういう民宿では洗面所など水回りが弱いところが多いのですが、ここはクリアしていますね。とても清潔感があります。こうした設計は、地元の農民ではちょっとできない。上海など都会の人がどういトイレを使っているか想像できないから。(というか、中国の田舎ではトイレは汚くて当たり前だから)

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 多くの宿泊客はどこも行かずに、目の前の湖をボーッと見ていました。私もその一人です。これだけの景色を独り占めできる宿はそうないでしょう。

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 夕食は、洱海でとれた鯉を自分たちで料理しました。台所を使わせてもらえるのは嬉しい限りです。しかし、洱海の魚って、種類が意外と少ない。鯉と鮒が圧倒的に多いみたいです。また、大きな田螺もよく食べられています。田螺は中医薬でも使いますよね。

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 朝はニワトリではなく、豚のなき声で目が覚める。なんと、民宿のとなりの農家で、例の豚の丸焼きをしていました。残酷といえば残酷ですが、こうやってお肉に加工されていくわけなのです。

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 大理から上海の便は1日1本しかなく、朝8時55分発で三時間のフライト。8時頃が夜明けなので、夜明け前に民宿の主人に空港まで送ってもらいました。この便も、2014年夏に開通したばかりだそうです。ただ、大理の空港は地理的に風が強く、離着陸が難しいので鶏足山(仏教の聖山ひとつ、私達も訪れました)近くに移転する計画もあるそうです。そうなると大理古城や下関へのアクセスが悪くなります。

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 空港までの道中、満天の星空の中、いろいろ苦労話を伺いましたが、現地の人をつかうことが一番難しいといっていました。そもそもこういうサービス業をした経験もないし、大理の土地全体がノンビリムード。ちょっとハードな仕事をさせるとすぐ辞めてしまったり。
 大体給与の相場は月2000元程度だそうです。そういえば、昨日畑で大蒜の収穫をしていた農夫に聞いたら、日当は70元前後と言っていたから、そんなもんでしょう。しかし休憩と言ってゆっくりお茶を飲んだり、悠々とした生活をしている人たちです。根本的に、都会のようにアセクセと働くことをしないみたいですし、仕事がなくなってもどうにかなると考える人たち。そういう人たちを働かせるのは大変ですよね。

 雲南の旅は、クセになりますね。民族色が非常にあり、山登りなど大自然を体全体で体験できます。また、食に関しても非常に興味深い。まさに中医学の医薬同源の世界。すでに上海に戻ってきましたが、さっそく次の雲南秘湯巡りを計画しているのでした。

4月までの日本と中国各地への出張スケジュールが出て来ました。↓をご覧ください。
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posted by 藤田 康介 at 00:00| Comment(0) | 中国旅行記

2015年02月25日

大理石の大理、ちょっと登れば3000メートル級

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 今回の大理行では、基本的に大理の古城内にある「TheOne」というホテルに宿泊していたのですが、途中2泊だけは、団体旅行客が入るとかで、三塔近くの「大理N度酒店」に宿泊しました。ご配慮に感謝します。このホテルから少し歩くと、小さな集落があり、そこから見る蒼山の山並みが最高でした。

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 朝、ホテルの近くをランニングしたら村人達がたき火をしていました。ただ、よく見ると単なるたき火ではなくて、何かを燃やしているようです。話を聞いてみると、なんと豚の丸焼きをしていました。

 豚の丸焼きをする目的は豚の毛をとるため。熱い温泉のあるエリアでは、源泉をそのまま使えばとれますし、上海エリアでは熱湯で豚の毛をとりますが、丸焼きをするのははじめてみました。

 この豚の丸焼き後にその皮を食べるのが、以前ここでも紹介した白族の名物料理である「生皮」になります。

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 今日は、村の中心部にあるお寺で、村人の家の上棟式があるとかで、みんなで食事会をするため、総出で食事の準備をしていました。さぞかし美味しい料理ができることでしょう。

 大理のもう一つの魅力としては後ろにそびえる蒼山に登ることがあります。もっとも高いところで4122メートルあり、すべての頂が3500メートル以上という山です。子連れでそこまではちょっといけないので、023郷道と呼ばれる林道をクルマで上がっていき、そこから往復で5時間ほど登って3200メートルぐらいのところまで歩いて行きました。
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入山料はそもそもありませんが、入山するときに入り口でクルマのナンバーと電話番号を登録します。山火事が危険なエリアだけに、注意が必要です。

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(石を持ち出せないように)

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 大理石で有名な大理だけに、採石場は結構あり、ここも昔は採石していたようです。


 採石場のあとを見ながら高度を上げていきます。

 結構、牛たちも登ってきているようで、牛の糞を見つけました。

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 また、残雪もちらほらしていましたが、登る分には支障はありません。

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 また、テントを担いだ欧米人のハイカーも多く、蒼山を縦走するそうです。眼下に洱海の景色を眺め、湖の畔でテントを張るのはいいですよね。

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蒼山は、その奥深さから、人知れず隠居している人もいます。まったく俗世間からの縁を切ってしまい、自給自足する人たちのことを指します。中国にもそういう生活を渇望している人が少なくありません。

このルートは、最終的には黄竜潭・双竜潭・黒竜潭までいきます。大人の足だったら、十分日帰りで行けるコースですので、また子供が大きくなったら行くことにしましょう。稜線上にある湖がお薦めで、HPからの写真を紹介しておきます。(苍山龙潭

 今回の旅で、娘の山登りの標高記録はついに3000メートルを超えました。またチャンスがあったら雲南の山々を巡ってみたくなりました。

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posted by 藤田 康介 at 08:51| Comment(0) | 中国旅行記

2015年02月24日

美食に舌鼓をうつ、南詔国と彝族と回族の街、雲南巍山(ぎさん)

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 大理に行くことがあったら、ぜひ寄っていただきたい古い街が、大理から山一つ越えてクルマで2時間ほどのところにあります。今回の雲南大理州滞在で、もっとも印象にのこった街の一つでした。それが巍山です。

大理からS224道路を南下していくと、17キロにも及ぶ連続した下り坂になり、平地に戻ったところに菜の花畑が目につきはじめると巍山に到着です。ここは雲南省でも有数の菜種油の集積地になっています。

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 巍山は紅河の上流に位置し、その昔南詔国がここで生まれました。南詔国が最大勢力を誇ったころは、カンボジアやミャンマーのエリアなどもその勢力下に入れていたそうです。

 巍山では、その時の文化が色濃く残されている街として有名です。さらに、後世になっても文革などの影響をあまり受けていないような感じで、文物の保護状態が非常にいいです。それは、旧市街を歩いてみるとよく分かります。
 ただ、火災にはよく遭遇していて、最近でもとても残念なのは、2015年1月3日、ニュースにもなっていましたが、明代の一番大きな城門が焼けてしまいました。それでも城壁は明代のものが残されていて、巍宝山など宗教の聖地も健在です。(この巍宝山も近年山火事で焼けています)
 また、茶馬古道もこの巍山に繋がっており、各地の物品が交易されました。今でも、このあたりでは馬をよく見かけますし、牛も沢山放牧されていました。乳製品が多いのも納得です。また、巍山は点心や麺類など小吃の種類がとても多く、今でも食べることができます。

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 我々もさっそく地元の料理を試してみたいと、地元の人からいろいろヒヤリングすると、なんと創業200年という老舗飯店があるということを聞き、そこへ直行しました。

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 「老二飯庄」というお店で、建物も古くて清代の保存建築。中庭にもテーブルをおいて、地元客で賑わっていました。名物の臭豆腐の揚げ物、牛肉からつくる牛干巴、薄荷と卵のスープ、茴香の炒め物、ドクダミとキュウリの和え物などなど。地元の食材をうまく使った、典型的な味を楽しめました。ここはお薦めです。

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(冬瓜蜜、これも美味しい!痰切りにも使えます)

 また、中華料理でお馴染みの八宝菜は、冬瓜蜜を巧みに使った絶品で、ぜひ食べてみたいです。上海のものとはまったく違います。

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 我々も昼食と晩ご飯をここで済ませるほどのお気に入りになりました。

 ここでも、他の大理州の街でもあるように、宣木瓜が売られていましたが、宣木瓜の醋も手に入りました。
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 調味料として使う豆板醤や、中医学でも使う中華納豆の豆鼓も有名です。書き出すとキリが無いぐらい、食が豊かな街です。さすがに歴史がありますね。

 街の広場近くには、お茶を飲む場所があり、地元の人たちが将棋を楽しんでいました。

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posted by 藤田 康介 at 22:38| Comment(0) | 中国旅行記