
今回の春節は、11日間の大理州滞在でした。最後の宿は、もともと上海市の公務員で、大理の自然に魅せられて公務員を辞め、大理の洱海の畔に移住し、そこで民宿(客栈)を経営している友人を訪れました。

最近、30〜40代の上海人で、こういう決断をする人が多いです。上海など大都市の忙しい生活・悪化する生活環境から離れ、アウトドアなど自分の趣味も楽しめるような場所に、都会から人を迎え入れてビジネスにする方法です。まだ奥さんとお子さんは上海におられるそうですが、軌道に乗ってくるまでひとがんばりのようです。

さて、この民宿ですがロケーションは抜群です。なんといっても、すぐ前が洱海なのですから。洱海は雲南省で2番目に大きな湖だけあり、まるで海のよう。風が強かったりするとさざ波が立ちます。

まだOPENして間がないので、一部未完成のところもありましたが、なかなか快適に作られています。こういう民宿では洗面所など水回りが弱いところが多いのですが、ここはクリアしていますね。とても清潔感があります。こうした設計は、地元の農民ではちょっとできない。上海など都会の人がどういトイレを使っているか想像できないから。(というか、中国の田舎ではトイレは汚くて当たり前だから)

多くの宿泊客はどこも行かずに、目の前の湖をボーッと見ていました。私もその一人です。これだけの景色を独り占めできる宿はそうないでしょう。

夕食は、洱海でとれた鯉を自分たちで料理しました。台所を使わせてもらえるのは嬉しい限りです。しかし、洱海の魚って、種類が意外と少ない。鯉と鮒が圧倒的に多いみたいです。また、大きな田螺もよく食べられています。田螺は中医薬でも使いますよね。

朝はニワトリではなく、豚のなき声で目が覚める。なんと、民宿のとなりの農家で、例の豚の丸焼きをしていました。残酷といえば残酷ですが、こうやってお肉に加工されていくわけなのです。

大理から上海の便は1日1本しかなく、朝8時55分発で三時間のフライト。8時頃が夜明けなので、夜明け前に民宿の主人に空港まで送ってもらいました。この便も、2014年夏に開通したばかりだそうです。ただ、大理の空港は地理的に風が強く、離着陸が難しいので鶏足山(仏教の聖山ひとつ、私達も訪れました)近くに移転する計画もあるそうです。そうなると大理古城や下関へのアクセスが悪くなります。

空港までの道中、満天の星空の中、いろいろ苦労話を伺いましたが、現地の人をつかうことが一番難しいといっていました。そもそもこういうサービス業をした経験もないし、大理の土地全体がノンビリムード。ちょっとハードな仕事をさせるとすぐ辞めてしまったり。
大体給与の相場は月2000元程度だそうです。そういえば、昨日畑で大蒜の収穫をしていた農夫に聞いたら、日当は70元前後と言っていたから、そんなもんでしょう。しかし休憩と言ってゆっくりお茶を飲んだり、悠々とした生活をしている人たちです。根本的に、都会のようにアセクセと働くことをしないみたいですし、仕事がなくなってもどうにかなると考える人たち。そういう人たちを働かせるのは大変ですよね。
雲南の旅は、クセになりますね。民族色が非常にあり、山登りなど大自然を体全体で体験できます。また、食に関しても非常に興味深い。まさに中医学の医薬同源の世界。すでに上海に戻ってきましたが、さっそく次の雲南秘湯巡りを計画しているのでした。
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