初めて奈良橿原今井町で過ごした我が家の2015年の夏。
2015年4月から生まれて初めての海外滞在が日本で、しかも色々なご縁により橿原今井町だった上海人の我が妻と娘は、いろいろ新鮮な体験をしたようです。そもそも、海外で一人で独立した生活したことのない妻にとっても印象深いことばかりだったようです。
幸いにも、地元今井町の皆さんには色々と大変かわいがっていただき、一生忘れることのできない思い出となることでしょうし、これからも我が家は上海と今井町を行ったり来たりしますので、地元との繋がりは大切にしたいです。娘にとっても、日本にも故郷ができたようで良かったです。
ところで、今井町の家ですが、妻の希望であえて空調なし、洗濯機なし、電子レンジなしの「非文明」な生活を続けております。
私自身は、この暑さにいつになったら根を上げるかと思っていたら、結局夏休み終わりの最後までその調子でした。私自身は、空調なしで日本で過ごすのはそれこそ何十年ぶりかでしょう。上海のクリニックで空調漬けの生活に慣れてしまったので結構キツかったですが、娘なんかは意外と平気に過ごせています。
そもそも、今井町の町屋は、家の裏側が中庭になっていて、風が通りやすいことも分かりました。勝手口に網戸をつけると、表の路地に風が抜けます。暑い日には、路地に打ち水でもしてあげると涼感がぐっと出て来ます。暑さに如何に対処するか？空調をつけて終わりではなく、いろいろ工夫するのも大事ですね。この町屋に住んでいた人たちの時代は、そうやって乗り越えてきたわけですし。
昔の人からの発想からすると、やっぱり暑い中でギシギシ働くことがおかしいのかも知れませんね。中医学の養生的にも、本来夏はゆったりと過ごすべきなのでしょう。お盆休みが夏にあるのもそのためなのかもしれません。
また、日本の夏は様々な行事が一杯です。今井町のように戦国時代からの歴史があるところでは、伝統的な行事も多く、娘もすっかり夏祭りが大好きになり、浴衣をきて参加していました。伝統的な夏祭りも各地で行われます。今井町では地元の人たちで作り上げる灯火会も素晴らしかったです。
そんな蒸し暑い今井町でも、一旦夕立でもあれば、寺内町の木造建築の木の香りが漂います。雨の日の楽しみですね。きっと昔の人たちも感じた香りかもしれません。クルマの排ガスまみれの上海とは根本的に風情が違います。
立秋をすぎたあたりから、夏の暑さが弱まってきたことを体感できるようになりました。夜もすっかりと涼しくなりました。
日本の夏は、本当に色々な風情があるものです。ぜひ後世にも残していきたいものですね。
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