
岬の先に、杵築城の天守閣がシンボルな街、大分県杵築市。
近年、「世界農業遺産」に指定されたり、また美しい城下町が残っていたりとか、折角なので魅力一杯の街を散策しました。
世界農業遺産に指定されたのは、「クヌギ林とため池がつなぐ農林水産循環」だそうで、シイタケ生産日本一の大分県が誇る、すばらしい農業による生態系の循環システムが今まで残されていたのでした。

まずは温泉。宿泊したビジネスホテル「いな里」さんは、決して大きなホテルではないのですが、各部屋に温泉が来ているなど、見えないところに贅沢がありました。温泉の泉質は単純温泉。お湯の量も温度もちょうど良く、大浴場以外にも自分の部屋でも源泉を楽しめました。これはすごいことだと思います。

さらに、朝食もボリューム一杯。大都会のビジネスホテルでは味わえないおもてなしを感じることができました。
私が日本で住む、奈良今井町は、純粋な町人の街、寺内町として繁栄していましたが、この杵築は、城下町の色合いがとても濃く残されています。

特に、武家屋敷が丘の上に配置され、谷間に町人の街が整備されている様式は、日本唯一だそうです。今では、その武家屋敷群に小学校や幼稚園があり、子供たちの声が響いています。登下校時間になると、子供たちが元気に坂を駆け上っていました。見知らぬ私のような旅行者にも「おはようございます!」と声がかかると、気分も軽やかになりますね。

石畳の坂は、杵築の魅力の一つです。着物散策ができるように、着物のレンタルも行っていました。城下町はそれほど大きくないので2〜3時間もあれば、じっくりと歩くことができます。

杵築城の天守閣やきつき城下町資料館では、杵築の歴史をじっくりと知ることができます。そもそも江戸時代には杵築城に天守閣はなかったそうですが、逆に復元されることで、市民のシンボルになっています。丘の上に残っている家老屋敷も、日本庭園ともども非常にきれいに整備されていて、当時の風格をしっかりと今に伝えていました。

杵築も大分の観光地の一つですが、さすがに中国系の観光客にはだれも会うことはありませんでした。でも、温泉で有名な別府もクルマで30分程度の距離なので、静かな城下町を体感するにはとても良い場所だと思いました。

お昼は、さつき城下町資料館の近くにあった郷土料理のお店「松樹」で、地元料理のひとつであるだんご汁の定食をいただく。大分では、鳥の揚げ物が欠かせないという話を聞きましたが、ここでも出て来ました。
午後はまた特急ソニックで2時間ほどゆられて博多へ移動。小倉での方向転換にはちょっと戸惑いましたが、車窓を十分満喫した出張になりました。
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