2015年12月15日

「厳重汚染日」だった上12日の上海、寒くなると大気汚染は一気に進む傾向

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 12月15日は久しぶりに酷い大気汚染の上海でした。天気予報では水曜日以降
 早朝は、チェンマイから戻ってきた妻を迎えに、午前4時頃に浦東空港にいったのですが、その地点で空気の悪さをはっきりと実感できました。運転するクルマのヘッドライトがなんとなくもやってるんです。ああ、PM2.5値とPM10値がすごいことになっているというのがすぐに分かります。

 実際にPM2.5はかるく200㎍/㎥超えますし、夜が明けてきても相変わらず真っ白かんじと焦げたような匂いはなくならない。浦東新区はとりあえず重度汚染で乗り切ったようですが、朝7時には空気汚染黄色警報が発令され、空気汚染V級響応も発表、小中学校では屋外での体育は中止になっていますし、学校を休んでも欠席扱いにならないことになりました。我が家では独自の判断で、娘は学校に行かせず、自宅学習にしました。

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なんせ、自分の計測器で屋外で計測したPM2.5値があっという間に300㎍/㎥を超えてしまったので、これはおかしいと思ったからです。

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 私自身も常備してある毒マスクとゴーグルで外出。といっても、今日は殆ど外には出ませんでした。代わりに、昨日の間に自宅にある3台の空気清浄機のフィルターを交換し、さらにダイキンの新しい空気清浄機を追加購入し、計測器でマメに数値をチェックしました。

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 そうすると、屋内のPM2.5値はだいたい10〜20㎍/㎥ぐらいをキープしていました。我が家は昨年に大気汚染対策として家の二重サッシ化を済ませましたが、この効果もてきめんだと思います。部屋の換気と同時に気密性を高めることは非常に有効だと思います。

 毎年のことですが、冬に入って北方からの寒気団が南下してくると、上海全土の汚染はすぐに悪化します。代わりに北京など北方エリアは空気がよくなるわけで、シーソーゲームをしているようです。
 不景気とはいえ、北方エリアでは石炭での暖房は始まっていますし、大気汚染が良くなる兆しも見えない。北方では暖房が強すぎてTシャツでも十分だそうで、なんか矛盾しているなとか思いつつ、早く台風シーズンになって吹き飛ばしてもらうほか仕方がないかと私も諦めモードです。

 こうした大気汚染はあと何年続くのか?

 中国の報道では最低15年はかかるのだそうです。そりゃ、中国の石炭消費量は全世界の50%を占め、さらに世界最大の石炭産出国でもあります。ムリもないですね。

 近年、こちらのマスコミでも取りあげられていますが、非喫煙者の肺がんが増加傾向にあるということ。これとPM2.5値との関係は避けて通れないと考えられています。台湾の科学者によると、PM2.5の値が、10㎍/㎥上昇すると、肺がんの死亡率は8%増加し、心臓と肺疾患は6%増加、その結果総死亡率が4%上昇するとし、逆に10㎍/㎥さがると、寿命が0.61歳伸びるらしい。(『東方早報』)

 まあ、いずれにしろここしばらくはアプリと測定器をにらめっこしながらの生活が続きそうです。

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posted by 藤田 康介 at 22:59| Comment(0) | 上海の大気汚染状況