
春節休みを利用して、日本に約1ヶ月「帰省」していた我が家ですが、2月17日に上海に戻ってきました。
ところで、奈良の大和八木駅からは1時間弱で到着するアクセスの良さに重宝している関西空港ですが、どうも最近、利用客にとって使いにくくなってきている感じがします。おそらくインバウンドで利用客が急激に増えて、対応が追いつかないことと関係があるようにも思いますが。
今回は、上海浦東空港と比較して、いくつか気づいたことを書いておきます。上海浦東空港は上海の2つめの空港で1999年に開港。関西空港も大阪を代表する空港の一つで、1994年開港。お互いターミナル一つと滑走路1本からスタートしているので、その後の変化を見ると大阪と上海とのそれぞれの発展を見るようで興味深いです。私自身は、開港当初から双方の空港を利用しているのでいろいろ思い入れもありますが、当初は貧弱だった浦東空港も、結論的にはいまや便利さや機能性に関しても、関空を上回るペースで進歩しているようにも思います。関西人として、今の関西空港がとても歯がゆく思います。
【関空入国】
1.日本入国審査時の外国人の行列
これははっきり言って酷すぎる。今は、再入国レーンで入国できているのでまだマシですが、以前は外国人用のレーンで並んでいて、1時間ぐらいは待たされることがありました。ピーク時だったら2時間という話しも聞いたことがあります。浦東空港では外国人でも大抵30分ぐらいで中国入国できるので、まだまだ改善の余地ありです。また、外国人と日本人のレーンを分ける場所に係員がおられますが、もうちょっと丁寧な対応をしてあげた方がいいような気がします。なんか、声のかけ方が悪いことをしているような気分のわるい感じがします。そして、高齢者や乳幼児を連れた母親とかいたら、積極的に声をかけてあげて、優先的に並ばせてあげるべき。上海の空港ではそれぐらいのことはしていますよ。
また、飛行機を降りてから乗るミニ電車も評判悪いですね。詰め込むぐらいだったら、歩かせた方がいいように思います。
初めて日本に入った外国人からすると、まさに初めて日本人と接するのもまさにこの入国審査の時かも。ここで何時間も待たされたら、また来ようとは思えないと思います。
2.狭い荷物の受け取り場所
最近、スーツケースが大きくなったからか、ベルトコンベアから落ちる荷物をよく見かけます。係員の人たちがその都度拾いにいっておられますが、これも結構な手間です。また、便数からみてもどう考えても手狭ですよね。また、インバウンドの人たちの入国審査がすぐに終わらないから、荷物がすぐに受け取れないために、次から次に到着する便に追いつかず、荷物の長い行列が受け取り場所にできていますね。この点、浦東空港の荷物受け取りエリアはとても広いし、受け取りブースも多いです。
3.到着ロビーでの外国人の行列

ツーリスト・インフォメーションを中心とした窓口がどこもスゴイ行列。入国審査の行列をクリアして、なんとか自分の荷物を探し出し、さあ動き出そうと思ってツーリスト・インフォメーションにいったら、また長蛇の行列。さらに、ここをクリアしてもJR西日本のみどりの窓口での行列が待っています。しかも、券売機は外国人には極めて不親切、「はるか」のチケットを券売機ですっと買える外国人はそういないでしょう。なんか全然嬉しくないですね。
4.分かりにくいリムジンバスのチケット売り場と乗り場

日頃、関空と大和八木のリムジンバスを利用しているので、その都度外国人からよく質問を受けますが、どこでどのバスを乗って、どこでチケットを買ったら良いのかがよくわからない。普通、海外だったらバスのチケットセンターがあって、そこでチケットを買ってから乗車場所に移動するわけですが、関空ではバス停の前に各々のチケット自動販売機があるので、その場所が見つけられなかったら、バスに乗れません。しかも、屋外なので夏は暑いし、冬は寒い。チケット自販機も、日本にとっては馴染みかも知れませんが、外国人にとっては非常に使いにくく、これまで何度も外国人にチケットを買ってあげたことがあります。リムジンバスによる移動は、鉄道のように乗り換えがなく、荷物も簡単に積めるので、インバウンドのお客さんにとってはとても便利だと思うのですが、これではうまく使えませんね。
【関空出国】
1.チェックインカウンターの行列対応、高齢者や子供対策

チェックインも全然優しくないのが関空。たしかにビジネスクラスやファーストクラスだったらいろいろ優遇されるし、手荷物検査も専用のレーンで行けるのでいいのですが、高齢者や乳幼児を連れている子連れがこのレーンを使えないのはよく分からん。海外の空港では普通に使えるところが多いし、上海浦東空港だったら、職員が駆け寄ってきてくれて優先的に搭乗手続きをしてもらえます。また、行列の並び方も本来はもっと職員が声をかけてあげるべきでしょう。ほったらかしのところをよく見かけます。そもそも、中国語が出来ない人が多いので、利用客との意思疎通もうまくいっていない。最近、空港内で乗客呼び出しのアナウンスも中国語で話すことも増えているように感じますが、発音が悪いのでそれでは通じない!と思います。とくに、中国人の人名に関してはさっぱりわからんということもありました。また、中国人観光客は荷物を超過することが分かっているのだから、チェックインカウンターに入る前にもっと広い場所で荷物の重さを強制的に調べさせても良いような気もします。
2.安全検査の行列

さて、チェックインの長い行列をクリアしたと思ったら、今度は安全検査の長い行列。20〜30分ぐらいは十分に待たされますが、南ゲートと北ゲートで分けているところにも大いに問題あると思います。南ゲートが長い行列の時に、北ゲートはガラガラだったりするからです。二つのゲートは大した距離はなく、十分歩ける距離です。また、とぐろを巻くようにレーンを作ったのはいいのですが、はじめ3列で並んでいたのが、安全検査の入り口で搭乗券をチェックする人が一人しかいないので一列にならないといけなく、結局団子状態になるんですよね。ちなみに、隠れたとことにあるファーストクラス・ビジネスクラス専用の安全検査場は大抵ガラガラ。担当官もヒマそうにしておりました。本来はここを乳幼児連れや高齢者向けに使うべきなんでしょうね。
上海ではさきに出国審査をしてから安全検査に進みますが、関空では安全検査をしてから出国審査になります。どちらが良いのか分かりませんが、上海では安全検査で長蛇の列になることはあまりありませんし、ブースの数も非常に多いです。
7.免税手続きの担当官の対応
押し寄せる外国人観光客のために、担当官も完全にイライラ状態。気の毒と言えば気の毒ですが、この仕組みももうちょっとスマートに出来るようにしないとダメだと思います。最近、免税手続きのところでも行列ができています。そして、ここを通過して晴れて出国審査へたどり着きますが、もちろんこちらも行列。
私は自動化ゲートを使っていますが、まだまだ使っている人は少ないですよね。確かに、指紋を採られることに抵抗がある人が多いですが、パスポートのスタンプを増やさないためにも有効な対策だと思います。
8.日本人の高齢者が、アジアの若者に良質なサービスができるか?
高齢者の再就職か、人手不足の補充のためか、関西空港の第一線で働く人たちに年齢が高い人をよく見かけます。一方で、海外から来るインバウンドの大部分は20〜30代の若い人たち。海外では若者が中高年にサービスをするというのは決して珍しくないけど、日本ではその逆が一般的になりつつありますね。そんなとき、どうも上から目線的な態度が気になります。とくに、アジアからきたインバウンドのお客さんに対してはその傾向が強いように感じます。
日本式のマナーの基礎知識がなくても、順調に物事が進むような動線はとても大事だと思います。なによりも関西空港が手狭です。上海浦東空港などをみると参考にできることも多いはず。

(浦東空港の免税品受け取りカウンター)
特に、上海では免税品を空港ターミナルで購入したあと、それを海外へ持ち歩かなくても、帰国時に荷物受け取り場所でピックアップできる仕組みは非常によくできています。日本の関空でも今までの慣習で終わらすのではなく、ちょっとした工夫が欲しいです。
関空が開港した当初、盛んに言われた「ハブ空港」の夢は、今の状態ではちょっと難しいですよね。少なくとも、空港の規模が小さすぎます。
世界各地をみれば分かりますが、大きい空港でなければ利便性が高まらないわけなのです。近畿圏には関空以外にも伊丹空港や神戸空港もあります。3つの空港でどうやってバランスを保っていくのかはいろいろ考えないといけません。
関西空港がこれからもっとよくなりますようにと願いつつ。
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