
登下校時刻になると、どこの小中学校の前も、送り迎えのクルマでもの凄い交通渋滞になるのは、上海の風物詩。
この渋滞は、ローカルもインターも私立も関係なく、大抵の学校で発生します。
一応、上海の小中学校にも学区があり、近所であれば歩いて行ける距離にあるはずなのですが、それでも道路は大渋滞。
実は一定の数だけ学区以外から通える制度もあり、さらにいろいろなツテを頼って無理矢理通学してくる人も少なくありません。当然、良い学校と呼ばれる学校まわりの物件は高騰し、「学区房」と呼ばれて父兄達の熱い投資対象にもなっています。学校も、マージンが入るので経営的にもplusになり、結果的に遠くから通う人も少なくないわけです。
確かに、クルマで通学してくる人のクルマはいいクルマが多い。BMWとかポルシェとか、最近では通学用に「保姆车」と呼ばれているトヨタのアルフアードもよく見かけます。
中国人がいいクルマを好むのは、もちろんメンツもあるのですが、いいクルマのほうが安全性が高いと考えている人が多いのです。毎日家族を乗せるのだから尚更で、そこにはまず軽自動車という選択肢はないのです。考え方の違いですが、そう言う前にもう少し安全に気をつけて運転したらいいのにと思います。
学校前は毎日すごい渋滞になるので、学校側もガードマンを増やしてクルマの誘導をしたり、警察官も交通整理にあたります。

送り出す方も、父母だけでなく、祖父母を連れてきている人もすくなくありません。親が校門まで子供を送りとどけている間に、警察から駐禁を取られないようにクルマを見張ってもらうのだそうです。
そうした手間をすこしでもラクにしようと、ボランティアが校門にあつまって、横付けされた自家用車のドアを開けてあげています。そうするとクルマの停車時間が短くなりますし、子供たちも安全に下車できますからね。考えたものです。

ただ、中国人の間では、日本のように集団登校させようという意識はないみたいです。組織だったことをすることがもともと苦手な民族ですし、意識の違う人たちが多すぎ。結局、親が学校までおくり届けないと安心できないようですね。
さて、お昼時間になると、またチラホラとクルマが学校まわりに集まります。
これは、お昼のお弁当を届けるため。
中国では冷たいメシは絶対あり得ません。冷たい弁当は屈辱的と考える人もいるぐらいで、出来たてを届けるのが当然という人も多いです。
小学校にも給食があるのですが、上海の給食はまずいのが定番で、見るに見かねて親が弁当を届けているわけです。中には子供をクルマにまで連れてきて、車内で親と一緒にお弁当を食べている姿も見かけます。うちの娘も、中国の給食にはげんなりしていて、奈良に戻ったときに食べる日本の給食をまるでどこかの高級レストランに行くかのように楽しみにしております。
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