
9月30日〜10月5日まで国慶節休みなので、家族をつれて浙江省の山間部へ行ってきました。
30日は夕方まで診察があったので、古北院での診察終了後、その足で上海虹橋駅へ。
今年は上海からマイカーを使わず、高速鉄道で約480キロの浙江省衢州(くしゅう)まで行き、そこでレンタカーを借りて山間部へ入るという計画にしました。列車はさすがに立ち席特急券も売り切れの混雑でしたが、渋滞することはないので楽だと思います。最近は長距離ドライブを回避するためにも専ら飛行機もしくは高速鉄道+レンタカーという旅にしています。雲南省大理に行ったときも、飛行機で大理まで飛び、そこからレンタカーして秘湯巡りをしました。レンタカーのシステムも中国全土でかなり整備されており、日本並みに快適にクルマを運転できるようになりました。大きな進歩です。
さて、ご存じの通り、中国の高速鉄道は駅に入るときに安全検査があるのですが、これが結構厳しい。妻がカバンに忍ばせていた果物ナイフは没収されましたし、携帯してた水も目の前で飲まされていました。逆に、日本の新幹線の不用心さが気になりますね。いずれにしろ、中国の高速鉄道は危険物の持ち込みにはかなり目を光らせています。
衢州には夜23時頃につき、その後は駅前のホテルに宿泊。衢州は人口250万人ほど。浙江省・福建省・江西省が隣接していて、昔から交通の要衝でもあり、街もキレイに整備されていました。

こいうした中国の地方都市の変化にはいつも驚かされます。翌朝は衢州市内に孔子廟や博物館を見学。孔子廟は山東省曲阜には及ばないものの、そこから分かれてきた孔氏南宗家廟として国の文化財に指定されています。

また、中医学では、鍼灸学の大家の一人、『鍼灸大成』を書いた明代の医学者楊継洲の出身地で、博物館にも紹介がありました。鍼灸治療と生薬治療併用の需要性を解いたほか、多種の透鍼療法を使いました。
衢州に一泊のあとは、クルマを1時間半ほど走らせて江山にある廿八都に滞在しました。ここには江南エリア特有の古い村が残されていて、とても良い雰囲気でした。まわりを山々に囲まれていて、その昔は中国各地からの移民の人たちで栄えてきました。そのため、いまでも9種類の方言が残っているというのですから驚きですが、山奥でも普通語が比較的通じるのも特徴なのだそうです。

さらにクルマで10分ほど走らせると、福建省との境界にでるのですが、今も仙霞関と呼ばれる城壁が残っており、清代当時は軍事的にも重要な場所でもありました。上海に仙霞路という通りがあるのですが、この名はまさにここから取られています。
国慶節連休とはいえ、良い場所なのにあまりメジャーではなく、渋滞や人混みもなく快適な移動でした。

さて、廿八都は、現在は保存された村「古鎮」ですので、案の定、入場料が取られます。これが一人75元というので高い。そこで、村の散策をするのは守衛が出勤する朝7時半から17時までを避けるのがベスト。幸い、朝・昼・夜を食べさせてくれる村の食堂は朝早くから夜も結構遅くまで開いていますので、時間をずらすことに問題はなく、また一度村の中に入ってしまえば、出ることは自由なので大丈夫です。

また、古鎮巡りの一番良い時間帯は、観光客も殆どいない早朝だと思います。

中医学に携わっているものからすると、一番気になるのはこうした古い村に残る中医薬局ですが、ここにもありました。
ただ、営業されていなかったのが残念!いつも思うのですが、昔の中医薬局の規模はスゴイです。石の壁で造られていて、建物も大きい。いまで言うと銀行に匹敵するような堅牢な建物なのです。
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