2017年04月07日

どこでも乗り捨てできる上海のシェア自転車は病みつきになる

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 本当に便利になりました。
 久しぶりに、私のライフスタイルを変えてくれる強力な助っ人が上海が活躍しています。

 私も上海生活20年のなかで、5台ほど自転車を買っていて、その度に盗難にあって、最近では自転車を屋外に停めておくのが惜しくて、自宅の中で保管しているのですが、そうすると近場でさえ自転車を乗るのが億劫ににもなります。

 そこで登場した上海のシェア自転車、「Mobike」は、まさに上海のような人口が多く、交通渋滞で大変な都市生活では画期的なシステムだと思います。

 まず、盗難を気にしなくても良い点。
 それだけでもかなり気が楽です。

 そして、路上に十分に台数があるので、どこにいっても自転車を見つけることができます。さらに、レンタサイクルのように決まった場所に返却しなくてもいいので、乗る必要がなくなったら、常識と交通ルールの範囲内で乗り捨てできます。

 この乗り捨てできるという感覚がとても画期的だと思います。自分の自転車だったら、必ず乗って帰らないといけないし、レンタサイクルだったら返却する場所を常に頭の中に入れておかなければなりません。しかし、シェア自転車ならその必要がありません。市内どこでも自由に行動プランのなかに自転車を取り込むことができるのです。

 たとえば、地下鉄を降りても、目的まであとちょっとというとき、いいバス路線もないし、タクシーもなかなか見つからないし、でも歩くにはちょっと距離がある。そんなとき、シェア自転車のほうが簡単に見つかるということも最近増えてきました。おかげでますますタクシーとバスを乗る機会が減りました。雨の時ぐらいでしょうか?

 人口が多い、とくに若い人口が多い上海のような大都市では、誰かが自転車を乗り付けてくるわけで、その流動性もかなりなものです。

 これらシェア自転車がさらに凄いのは、アプリもよくできています。自転車に装着されているQRコードを読み込ませるだけでなく、GPSを活用して、地図上でどこに自転車があるかも分かりますし、走行距離や時間、消費カロリー、さらに削減されたCO2の量まで計算してくれます。

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 なにより、料金が安い。15~30分利用するぐらいなら0.5元〜1元前後。路線バスの運賃よりも安いのです。

 自転車本体の工夫も様々。

 残念ながら、中国では法律上夜間にライトをつけなくてもよいので、ライトがありませんが、パンクなどの故障が極力少なくなるように開発されています。GPSなどの電源はカゴにつけられたソーラーパネルで、タイヤはパンクしない中身が詰まったゴムタイヤ。乗り心地は多少落ちますが、十分軽快に漕げます。後輪に設置されているカギもなかなか丈夫なモノで、施錠も解錠もピピという音と共にスームーズに行われます。ズボンの裾も汚れないように工夫されていますし、本当によく開発されたと思いました。開発車はきっとかなりの自転車好きなんだなと分かります。

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荷物置きの下はソーラーパネルで充電。
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ハンドルの右側にベルがついています。変速機ではありません。
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パンクしないタイヤ。
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 それでもいくつか注意点もあります。
 自分の信用ポイントとも関わってきますので、乗り捨てる場所には注意を。最近、シェア自転車の乗り捨て禁止場所を政府が定めています。また、雨あがりなどサドルが濡れていることが多いので、テッシュなど拭けるモノは常備していた方がいいでしょう。そして、乗る前には自転車の状況をしっかりと確認すること。

 雨や風さえなければ、そして上海なら大気汚染が問題ない日であれば、とても快適に活用出来るシェア自転車ですね。
 いつか、日本にも上陸するのでしょうね。

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posted by 藤田 康介 at 07:18| Comment(0) | 上海を自転車で走る

2017年04月04日

恒例の清明節墓参り

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 うちの義父は上海人なのですが、義母は無錫出身なので、毎年この時期になると義父母を連れてお墓参りに出掛けます。上海からだとクルマを運転して2時間半程度の距離。

 上海から我々が行くということになると、無錫の親戚たちもみんなあつまり大歓迎。毎回墓参りのあとは、恒例の賑やかな食事会になります。

 今年は4月4日は清明節ということもあり、常熟で山歩きをしたあと、無錫郊外によって祖義母の墓参りに親戚一同で出掛けました。ここも近くに山があり、相変わらずお参りする人でクルマは大渋滞。ご先祖様を大切にする伝統は、今もしっかりと残っています。

 義母一族は、農民出身なのですが、みんな色々な商売も手がけていて、金銭的にはすごく豊かになっています。乗っているクルマも、みんな輸入車。レクサスからベンツ、アウディー、BMWまでずらりを並びます。で、中国国産の日本車に乗っているのは、私だけでした。(笑)

 日本のマスコミでは、中国経済の崩壊とか、なんかあまり良いニュースは報道されていませんが、庶民の生活は年々よくなっています。親戚もある度に豊かになってきているのがわかりますし、今年は訪日旅行も済ませたばかり。沖縄にいって、OUTLETで1日買い物していたそうです。

 今年は、彼らもスッポンの養殖を始めるとか。

 人口の多い中国ですので、デカイ墓地は土地の浪費になるとして、規制がかかっています。そのため、非常にコンパクトな墓地なのですが、墓石には遺影が掲げてあったり、墓石の裏には生い立ちの紹介が書かれていたり、色々工夫されています。

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 一昔前の墓地になると、花壇のまわりにタイルサイズの名前が書かれていて、それが貼り付けてあるだけのところもありました。墓地にはお坊さんもいないし、お経をあげる人もいません。ましてや戒名とかもなく、非常にシンプルな印象を受けます。

 中国式のお墓参りのやり方は紙のお金などを燃やすいつもの方法。この時期、あちこちで燃やすので、墓地は結構煙たくなります。そのあと、お花を供えて終わります。

 そのあと、近くで農業を営んでいる親戚のお宅にお邪魔して食事会。

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 10人テーブルが3つもでるぐらいですから、とても賑やかです。

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 さまざまな地元料理が美味しかったのですが、決め手は今や貴重な魚となっている刀魚で作ったワンタン。魚肉をワンタンの中身に使うことは、上海エリアでも見かけます。

 しかし、この時期の中国江南地方の農村風景はいいですね。

 冬に訪れたときは、寒々としたモノトーンの景色に、冬の厳しさを感じ、さっさと上海に戻りたくなるのですが、春先になると途端にカラフルになり、生命力を感じるようになります。春の陽気に身体を任せて、もっと滞在したい気分にもなります。

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 残念ながら、この日は連休の最終日なので、あまりゆっくりすると渋滞に呑み込まれるため、早めに退散しましたが、我が家も素晴らしい春を体験できました。

 上海で花見をするのも結構ですが、やはり菜の花や桃の花が美しい、この時期の江南の農村風景は、ぜひ楽しみたいところです。

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posted by 藤田 康介 at 00:00| Comment(0) | 上海生活情報

2017年04月03日

江蘇省常熟虞山へハイキング

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 今年の清明節、連休の4月2日〜4日4日は中国江南エリアも結構良い天気になり、絶好の墓参り日和になりました。

 墓参りだけで江蘇省に出掛けるのも勿体ないので、今回は近くの常熟に2泊することにしました。

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 日曜日の診察を終え、連休初日の渋滞を避けて夜に移動、上海市内は内環状線で多少渋滞がありましたが、そのあとは順調で、夜9時前にはホテルに到着。夜の街散策を楽しみました。

 常熟市というと上海市と比較したら小さな街、日本で言うと地方都市ですが、それでも人口は100万人以上。中国にはこんな街がゴロゴロありますから、如何に巨大なクニであるか実感できます。

 夜になっても、常熟の歩行者天国には若者が溢れていました。高齢者ばかりの日本とは、根本的に活力が違いますよね。この活気は、夜の10時頃まで続いていました。

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 常熟の中心部には、方塔というシンボル的な寺院の塔があり、城壁の名残も残っています。

 方塔は見事な造形美で、国の文化財に指定されている国宝級の建物です。1130年に建てられ、その後幾度か修理されていますが、中国国内でも数少ない木造煉瓦造りの塔で、一見する価値はあります。近くの桜はちょうど満開で、とても美しかったです。

 方塔のまわりは、古い町並みが残されていて、毎回どこも同じようなホテルのバイキングに食傷気味な私は、旧市街で麺類とワンタンを頂くも、これがとても美味しかったです。面スープが上海の透明系と違って、醤油もはいった比較的味が確りとしているタイプ。様々なトッピングがこれまた美味しかったです。

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 常熟には、街の中心部に虞山という山があります。てっきり丘程度のものかとタカをくくっていたら、これが結構広くて子連れだとしっかりと1日歩きます。それでも全部のコースは回れませんでしたから。

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 ちょうど清明節ということで、市民が山の頂上付近にあるお墓をお参りしていましたが、中国では街の中の山というとお墓が建てられることが多く、たくさんの市民が登っていました。天気がよく、登ると汗ばむような陽気でした。

 頂上までいくと、眼下には尚湖の風景が広がり、黄色の菜の花の色彩が眼を楽しませてくれます。
 
「江南の春」とは本当に良いものです。
 街の生活に、山がすぐ近くにあるのは良いですね。

 夜は、常熟でも有名な老舗の店「王四酒家」に行きました。1887年創業、宋慶齢や宋美齢一行も訪れたという有名店。

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 歴史を語ることができる資料室も整備されていて、有名人がたくさん書を残しています。また、有名料理の由来なども紹介されていました。

 こういう老舗には様々な名物料理や伝統料理が残っています。特にお薦めなのが、「叫花鶏」。この店にきた人は、ほぼ全てひとが注文しているぐらい有名な料理。ただ、残念なのが鶏肉。もう少し肉質に拘ったら、少なくとも地鶏ぐらいを使ったらもっと美味しいのにと思いました。

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 その他、氷糖葫芦もここの名物料理。今や、江蘇省の名物料理の一つにも登録されていますが、外はカリカリで、中はラードで作った餡が使われています。すぐ売り切れるので、早めに賞味してみてください。

 また、この辺りでは黒っぽいもち米、「血糯米」も有名。

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 中国の食文化、その地域で特色あるものが続々出て来て、我々旅人を飽きさせません。

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posted by 藤田 康介 at 00:00| Comment(0) | 中国旅行記