2018年04月03日

浙江省寧波市四明山の八重桜と四明湖の水杉(メタセコイア)

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 清明節前、天気も良かったので上海からの日帰りドライブで浙江省寧波市余姚市にある四明湖とその近くにある四明山まで行ってきました。上海から四明山までの距離は約280キロ。混んでいなければ4時間弱でいけます。
 ただ、清明節連休に入ると全国の高速道路が無料で間違いなく大渋滞するので、連休前に時間を取って出発。

天気はほぼ快晴で、最高気温は28℃という、もう暑いぐらいの陽気でした。

 四明湖は、人工のダム湖。1965年に作られたようですが、面積は杭州西湖の2倍あり、湖には島も浮かんでいて、なかなか風光明媚。すっかりと自然の中に溶け込んでいした。湖畔には宿泊施設もあり、滞在できるようになっています。見所は湖畔に生えている水杉(メタセコイア・Metasequoia glyptostroboides)。一時は絶滅したかと言われていましたが、1941年に中国四川省で再発見されたあと、各地で植樹されるようになり、いまでは中国各地で見かけます。温暖な気候で、丈夫な木でもあるため、建材などにも使われています。

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 四明湖は、さらに貴重な水源になっていて、生活用水の水源保護のための取り組みも行われているので、水もなかなかキレイ。非常に印象が良かったです。

 四明湖の近くには、梁弄鎮という人口3.4万人の小さな町があります。日中戦争のころ、浙江省東部のゲリラ部隊の中心であり、今では愛国教育関係でここを訪れる人も多いです。確かに、「抗日〜」の景勝地をよく見かけますが、だからといって日本人がドライブにいってダメというわけではありません。むしろ、街がよく整備されているので、旅はしやすいです。

 四明湖からさらに、山の方へクルマを1時間ほど走らせると、四明山へ行けます。国立の四明山国家森林公園に指定されています。エリアは蒋介石や宋美齢の避暑地の別荘があったり、清〜明代の中国三大思想家の一人、黄宗羲が講義をした遺跡があったりと、なかなか有名な場所であったというのは、実は上海に戻ってから知りました。今度出かけたときに散策してみます。また、山々には古道が残っていて、ハイキングコースとしても保全されています。
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 ここも道路が非常によく整備されていて、グネグネの山道なのに道路が広く、完全2車線で、山の峰をのぞみながら、気持ちよく走ることができました。かなりお薦めのコースです。中国のこういう道路は、観光だけでなく、生活のための道路でもあるのでとても重要なんです。

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 なによりもこの時期の四明山の魅力は、八重桜。2006年から整備が進められていて、今でも植えられています。この規模が半端でなく、村々から山々まで八重桜が一面に植えられていてその彩りが素晴らしかったです。高台からみると、八重桜のピンク色が広がっていました。村の活性化に対する取り組みはどこも熱心です。

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 この時期の四明山でのお土産はタケノコでしょう。
 道ばたにも、農民達がタケノコの露店を出していたりするので、考えられない値段でわんさかと買えます。

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醤油で煮込んで紅焼にしても、卵でいためても、スープにしても、何にしても美味しいのがこの時期のタケノコの特徴です。

上海周辺都市、とくに浙江省は私にとってはお気に入りのドライブスポットです。

 村々にゴミが少なく、とてもキレイに農民達が暮らしています。農民達ものんびりとしていて良い感じです。
 なによりも、山々の感じが、奈良とか近畿地方の山にとても似ているのですよね。

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 中国沿海部の農村整備が着実に進んでいることを実感できると思います。

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posted by 藤田 康介 at 00:00| Comment(0) | 中国旅行記

2018年04月02日

上海奉賢名物の伝統小吃「海棠糕(ハイタンガオ)」〜まるでダブル今川焼き

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 日本では江戸時代に考案されたという今川焼きに対して、上海にもよく似た点心が伝わっています。それが、上海奉賢区の伝統小吃「海棠糕(ハイタンガオ)」です。海棠とは海棠花(日本名:ホンカイドウ)からきていて、なんとも風情ある名前。ちなみに、蘇州には同様の小吃として梅花糕もあります。

 清代に上海エリアで有名になり、江蘇省無錫あたりにも伝わったとも言われています。今川焼きとは、きっと同じぐらいの時代に誕生した小吃なのかもしれません。

 奉賢区の南側、海に近いエリアに奉城鎮という街があります。

 ここで昔ながらの海棠糕の作り方を守っている屋台が残っていて、思わず十何年作り続けている範さんに会いに行ってきました。

 もうすぐ70歳になる範さんは、今でも街の中心部にある市場(菜場路)の入り口に三輪自転車で乗り付けています。早朝と午後3時頃、つまり市場が賑やかになるころに店が登場するわけですが、朝4時には起きて小麦粉を発酵させ、小豆を煮てあんの準備をされるそうです。焼くための特性の鉄板も特徴があり、今となってはなかなか手に入らなくなっているそうです。鉄板に塗る油は「猪板油(豚の腹部分のラード)」を使います。

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 作り方で今川焼きとの大きな違いは、一方に餡をいれて、もう片一方をフタする方法ではなく、円柱形の型に小麦のネタを入れ、なかに餡を沈ませて一つ目作ると、その上に砂糖を焦がしたカラメルをかけ、同じものをもう一つ作って、食べる時に2つくっつけてサンドイッチにします。

 つまり、今川焼きがカラメルを真ん中に、ダブルでくっつている感じです。

 ところでお値段ですが、今時の上海では考えられない値段で、一個2.5元!

 なんと50円もしません。

 こうした上海地元のソウルフードが廃れてしなわないうちに、職人達の味を楽しみに出掛けてみたいと思います。

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posted by 藤田 康介 at 21:41| Comment(0) | 中国で食べる