2015年02月22日

雲南大理州牛街温泉の秘湯と湯治文化・チベット族とお風呂(2)

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 雲南省の大里州洱源(じげん)牛街温泉が有名なのは、春節になるとシャングリラからチベット族の人たちが温泉に入りにやってくるからです。かなり前からこの習慣はあるらしく、そのために公衆浴場が「牛街温泉公園」として整備されています。

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 チベット族の人たちは、ここで10日間ぐらい過ごし、毎日2回温泉に入ります。私も何回かチベット族のグループに出会いましたが、男性は腰にナイフをぶら下げているので、すぐに区別できます。

 ちなみに、今現在の交通機関では、シャングリラから牛街まではバスで半日の道のりで、9時頃に出発すると、お昼過ぎには到着するのだそうです。

 私がここで感動したのは、なんといっても源泉が浴槽のすぐそばにあり、豊富に流れてきているということ。そして、ちゃんと管理人の地元の人がいて、1人1回3元の料金を回収していました。

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(源泉が流れてくるところ)

 入り方は日本の古い公衆浴場とおなじで、洗い場と浴槽がドッキングした感じです。服を脱いだらすぐに浴槽にはいるわけで、掛かり湯用のしゃくもありません。入浴は原則裸ですが、べつに恥ずかしかったら水着や下着のままで入ってもいいらしく、だれも注意しません。
 しかし、絶対だめな注意事項はあるようで、壁には罰金付きで張り出されていました。

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 つまり、1.浴槽内で洗濯禁止。2.浴槽内で痰を吐かない。3.浴槽内ではゴミを捨てない。違反したら5〜10元の罰金ということでした。

 とはいえ、それ以外のことはべつに良いらしく、あとから来たチベット族のグループは、お風呂に入りながらタバコを吸っていました。(^_^) タバコは良いみたいです。

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 チベット族の喋る言葉は、中国生活20年の私でもさっぱり分かりませんが、お湯が使ったそうで、足を入れたときに「あちー」といっていました。お、日本語と同じとか思ってしまいました。
 それでも彼らは普通語を喋るので交流できます。そのうち、お互いで背中をマッサージし始めました。

 ちなみにこの温泉ではまったく加水しなくても、浴槽ではちょうどいい温度になっていました。

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 考えてみれば、日本式の温泉入浴方法はあまりにもこまかすぎて、それが世界的に特殊なのかもしれませんね。1000年の歴史のあるこの牛街温泉も、とってもアバウトなルールでお風呂に入っていたわけです。昨今、日本の温泉が世界中で人気があるわけですし、しっかりと外国人に教えてあげる必要があります。

 さて、この公衆浴場は「袪風塘」と呼ばれています。中医学的には、風邪(ふうじゃ)をとるという意味ですが、チベット族の人に聞くと、肩こりや腰痛・腰痛などにてきめんだそうで、内服すると胃腸病に確かに効くと言うことでした。

 公衆浴場のすぐ側に源泉があるというのはいいことです。地元の人は、温泉の湯気を顔にあてて、目の疾患の治療にも使うと言っていました。

 男女別に分かれた公衆浴場は、定期的に水を抜いて掃除もしていました。地元の人によって、そして利用者によって大切に守られている温泉であることを実感しました。

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 牛街温泉の表通りは、一応小さな温泉街になっていて、さまざまな旅館が軒を連ねていました。名物料理は豚足鍋。これは美味しかったです。

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4月までの日本と中国各地への出張スケジュールが出て来ました。↓をご覧ください。
東和クリニック・中医科での担当スケジュール
posted by 藤田 康介 at 00:00| Comment(0) | 中国の温泉
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