2015年07月18日

日本ではありえない上海のぬるい冷麺のうまさの秘密

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 20年間上海で暮らしてきた私の中で、この時期に特に食べたくなるもののベスト3に入ってくるのが上海冷麺です。絶対に期間限定であり、夏以外は登場しませんし、それも普通の店ではなく、伝統的な老舗で食べたくなるのです。しかも日本人が中華料理の冷麺と思っている代物とは全然につかないもの。

 だからこそ上海で食べないといけないわけなのです。

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 上海冷麺の特徴は、何と言っても麺にあります。見た感じは普通の麺なのですが、とても食感があります。市場などで麺を買うときも、普通の麺ではなく冷麺専用の麺を買わないといけません。ちょっと太めで、もじゃもじゃなのが特徴。鹹水(かんすい)も少々多めに使われています。

 さて、麺のゆで方も、普通の麺とは違います。まずは蒸します。家に蒸籠があったらもっとよろしい。蒸したあとに、沸騰したお湯に1分ほど湯通しします。そして葱油をまぶして、くっつかないようにして完成。お店ではこの状態で冷麺専用室に保管されます。ポイントは冷蔵庫に入れないこと。

 上海冷麺は冷蔵庫に入れてしまうと極端に味が落ちるような気がします。あくまでもぬるい状態が味を引き立ててくれるのです。だから、日本人には受けないかも知れません。(^_^)

 食べるときはお好みのトッピングでということで、冷麺売り場にいると、いろいろな「おかず」が並んでいます。これを麺の上に乗せます。ただし、まだポイントがあります。それはタレです。

 基本的に、醤油・黒酢・ピーナツペースト(花生醤)の3つを混ぜます。醤油は上海味の甘口が美味しいです。黒酢は多めに、そしてピーナツペーストが口の中でのまろやかさを決めます。

 上海冷麺は値段もお手頃。日式ラーメンが40〜50元と考えられない値段をつけている中で、10元前後で食べることができます。トッピングも三絲とか木耳面筋とか辣肉とかいろいろ選べます。上海人はトッピングを混ぜたりしません。あくまでも1人前の上海冷麺には1種類のトッピングです。

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 上海冷麺を食べられる老舗は、市内にそう多くありません。

 そんななかでも有名なのが、今回行った浦西の中華路1409号にある「大富貴」でしょう。清代から続く老舗で上海っ子なら誰でも知っています。2Fは高級レストランになっていますが、1Fは上海の「小吃」を食べることができます。朝から地元上海人が行列しているのですぐにそれと分かります。

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 とくに、熟食と呼ばれる前菜のテイクアウトに人気があるようです。

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【データ】大富貴 中華路1409号 
     地下鉄10号線、8号線の老西門駅から歩いて行けます。
     電話021-63770322

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posted by 藤田 康介 at 00:00| Comment(0) | 中国で食べる
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