今年は中秋節と国慶節がとても近かったので、まとめて連休にしてしまっている中国人も多かったようです。私は前半の中秋節休みを利用して、湖南省懐化まで2泊三日で行ってきました。
夜行列車があれば、それも結構いいのですが、なんせ上海虹橋から懐化までは21時間の距離。一方で、高速鉄道でいくと7時間ちょっとになるとなれば、利用しない理由はありません。運賃は普通車で往復1200元ほどでした。7時間という移動距離を考えると安いですよね。1415キロの移動距離になります。ちょうど上海から大阪まで行けてしまう距離ですよね。
さてさて中国の高速鉄道。
日本の新幹線のコピーとか安全性に問題があるとかいろいろ言われていますが、まずは位置づけを整理します。在来線の列車は時速200キロ以下で走りますが、Dではじまる動車は時速200〜250キロ、Gではじまる高鉄が時速300〜350キロでの運転が想定されています。
つまり高速鉄道本来の性能というのは、このGではじまる列車で発揮されるというわけです。線路の規格も、在来線も走る動車とは比較にならず、非常に高規格なものになっているのはよく分かります。ちなみに、温州で事故をおこしたのはGより一つランクがさがるDではじまる動車のほうです。我々が今回利用したのは、Gではじまる高鉄で、在来線と一緒にはしることもなく、専用高架線が建設されました。
基本的にGではじまる高速列車では、日本から技術が供与されていたいわゆる「はやて型」の車両は充当されておらず、ドイツのシーメンスのICEタイプか、あとは中国国産で開発されたタイプです。このうち、行きは国産タイプで、帰りがICEタイプでした。
日本の東海道新幹線のようにサラリーマンが多い利用客と比べると、中国の高速鉄道の利用客は雑多。本当に色々な層の人が利用するわけで、しかもどの列車も片道1000キロ〜2000キロ走るのはザラ。乗り遅れたりしたら大変なわけで、混雑をさけるためにも巨大な待合室を設置して、列車ごとに改札する仕組みをとっています。私はこれはこれで便利だと思います。なにより、乗り間違えるリスクがないし、ホームに乗客が溢れることもない。合理的な方法だでしょう。また待合室に入るときに、手荷物は危険物検査を受けることになります。
列車が入る間際になって、改札口を通って乗客はプラットホームに案内されます。
なんせ、高速鉄道による移動は、飛行機に登場するようなもの。乗客の荷物も半端ではありません。
列車は、ほぼ日本の新幹線に相当する設備はもっています。座席にはコンセントもありますし、車内販売やお湯の提供もあります。車内では弁当の提供も行われていて、温かい食べ物が食べられるのは嬉しい。考えてみれば、日本の駅弁は冷たいですからね。中国人は食べ物の温もりにこだわります。
長距離列車だけに、車内では頻繁に係員が掃除にきます。また、金属探知機をつかった荷物棚の検査も、列車警察によって頻繁に行われていました。ビビ-となったら、容赦なく荷物のチェックが入ります。
日本の新幹線ではまだ健在な車内改札も、中国の高速鉄道では電子式に変わっていて、車掌が端末をもって見回るだけでした。こういった合理的な技術を取り入れるのは早いですね。
さて、肝腎な乗り心地ですが、高速鉄道に関しては極めて快適です。時速300キロの巡航速度は殆ど落ちることなく、とにかく揺れないのです。
日本の東海道新幹線でパソコン画面をじっとみていると目が回ってきそうになりますが、そういう心配はなさそう。滑るように走ってくれます。軌道がしっかりとしていることがよく分かります。
また、細かい比較になりますが、ICEタイプより、国産タイプのほうが静かで乗り心地がよかった。技術の進歩の賜ですね。
また、各駅の利用率も非常に高く、座席の主は絶えず変わっていました。北京-上海のような大動脈ではないにしろ、人々の移動に、いまや高速鉄道が欠かせない存在になっていることがよく分かります。とくに、沿海部と違って、中国内陸部はまだまだ貧困地区が多くあり、交通の便を改善することが急務となっています。
飛行機と違って、高速鉄道は窓をゆく景色を楽しむことができます。天気の変化も興味深い。乗ってくる人たちの方言を耳にするのも楽しいです。中国大陸がいかに広いか、体でもって体験できます。13億8000人が住んでいるわけですからね。
こうしてみてみると、ここ数年の間に、中国はかなり高速鉄道の運営技術を蓄えてきたように思います。1000キロ、2000キロをはしる長距離路線なのに、ダイヤもかなり正確です。国土の狭い、日本の新幹線とままた違った発展の仕方をしているように思います。
確かに日本の新幹線は素晴らしいと思います。だけど、それぞれのクニの事情にあった交通システムが必要なわけで、その観点から行くと中国式はかなり実績を積み重ねてきたシステムになりつつあると思います。
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