
中国ではいまは忘年会のシーズン。あと3週間で春節ですので、今はまさに年の瀬です。
去年の9月に日本の公立小学校から転校して、上海のローカル公立小学校に通っている娘は、なんとか毎日のハードな宿題勉強にも慣れてきて、無事前期を終えることが出来そうです。今はちょうど小学校では期末テストの時期になります。中国では春節休みを夾んで前期後期の2学期制です。だから、夏休みと春節休みがとても長くなります。
1学年15クラスという巨大な小学校。上海では、小学校は5年制で中学校は4年制になります。その1年〜5年生の児童が、日頃の音楽クラブ活動の成果を発表する新年音楽会が東方芸術中心でありました。東方芸術中心と言えば、上海でもトップクラスのクラシック専用ホールで、小澤征爾もここで指揮をしたことがあります。そういう一流のホールを、小学生のために使わせてあげるというのも太っ腹ですね。


演技はなかなかのものでした。吹奏楽以外にも管弦楽もあり、合唱にダンス、民族舞踊やハーモニカ合奏など、かなり本格的です。ドイツまで演奏に行くそうですから、かなり練習しているようです。とても普通の公立学校のクラブ活動とは思えないレベルでした。

確かに、小さいころからバイオリンを練習している子供たちも多いですし、人材には事欠かないのでしょうね。巨大小学校の威力を見せつけられました。
指導にくる先生も多彩。中国の小学校は教科別に先生が替わりますので、今回は芸術系の先生が大活躍するわけですが、その数もとても多い。若い先生方の歌声はとても上手でびっくりしました。子供たちも大喜びです。


そして、保護者もクラブ活動にはいろいろ協力していて、上海市交響楽団で演奏しているメンバーがいたりして、指導に入っているようです。中国では、基本的に保護者が学級運営にいろいろ協力します。これは日本とも似ていますが、違うのは学級運営の役を保護者が積極的に受けるという点。希望者が多すぎて、抽選になることもしばしば。また、学級運営費で教室用の巨大空気清浄機を購入したり、かなり積極的に運営されています。

ところで、公立小学校の音楽会といっても、全員が舞台に立てるわけではありません。クラブ活動に参加している選抜メンバーのみ。
娘から話を聞いていましたが、クラブ活動も実は選抜制で、レベルについて行けない児童はクラブ活動から追い出されるというまさに真剣そのもの。なんでも公正公平を目指す日本の小学校とは考え方が根本的に違いますね。
さて、中国での音楽コンサートというとマナーの問題を心配する方も多いかも知れません。しかし、1年〜5年生の子供たちは静かに聴いていました。一流のホールで演奏することで、マナー教育もしっかりと出来ますしね。ちょっと見直しました。
ちなみに、会場に入ることができる保護者は児童一人につき1人だけです。こういうルールは中国では厳格です。人が多いですからね。秩序を守るには必要なルールですね。
いやいや、上海の公立小学校にはいつも新しい発見が一杯です。そして、新しい取り組みが色々と行われている。基礎教育では世界一のレベルと言われている上海の教育システムに、世界から視察にくる教育関係者が多いというのも納得できます。
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