2005年10月27日

床屋の経済学

 先日散髪にいってきました。私のように毎回違った店で散髪するものにとって、毎回ぶつかる問題が料金の支払いなんです。とくに最近、チェーン店が増えてきて、料金システムが統一されて、様々な会員カードが出てきてから競争も激しくなり、顕著になってきているよういに思います。

 そうです。問題の根源は会員カードにあります。たとえば、私が利用した店では、料金表には散髪+シャンプー+マッサージで60元と書いてあります。ところが、実際に椅子に座ってシャンプーをしてもらっていると、決まってお姉さんが会員に加入しないかと勧めてきます。そうすると1回の利用料金が18元になるとのこと。
 「えらい、差があるなあ〜」と思いつつ、話を聞くと500元、2000元、4000元のカードがあるらしい。私は月に1回程度しか散髪に行かないので、500元カードを使うと27回も使え、2年間は十分に使えることになります。だれが考えてもお徳ですが、私は毎回このカードを買うことに躊躇してしまいます。
 その根本的理由は、店がなくなってしまうことが非常に多いからです。そう、店があれば2年間使えるけど、なくなってしまえば会員カードはゴミ同然になります。そういうことが中国ではよく発生します。以前、ある有名な四川料理の店が倒産し、一口数千元の会員カードの行方が社会問題になり、新聞にも大きく掲載されたために記憶にも新しい。なによりも2年間もカードを持つと、カード自体の存在を忘れてしまい、結局は店が大もうけしてしまう…。
 しかし、最近の上海では一般60元、会員18元というような店が非常に増えたのは確かです。

 「もう、その手にはのらないよ」と、今回も60元の料金を払った私ですが、頭を洗ってくれたお姉さんは不思議そうな顔をしていました。
 額は小さいけど、日本で生活する以上に、美味しい話にはワナが多い中国、本当に注意が必要です。
posted by 藤田 康介 at 04:27| Comment(0) | ここは上海なり
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