
日本からみると、なんとも物騒なところにいるものだと思われるかもしれません。とはいえ、朝からちゃんとブログが書けていますので、いますぐにどうだこうだというわけでもないので、私はいつものように今日も用事を片付ける予定ですが、あえてそうしたゴタゴタを見に行こうというような気は全然ありません。
2005年にも同じようなゴタゴタがあったわけですが、そのときはインターネット、とくにスマホがいまほど普及しておらず、デジカメで撮影した写真を、せっせとパソコンに転送して記事を書いていたのを思い出します。でも、いまは撮影された写真が、そのまま直接的にアップされるので、臨場感あふれる情報を知ることができます。これは、2005年とは全然ちがう環境です。
そんな世の中ですから、以前と比較すると、人間は短期になり、長期的な戦略が立てにくくなっている、そんな感触があります。これは、なにもこのクニに限ったことではなく、日本でも同じだと思います。そして、台頭してくるのがポピュリズムではないかと。
Wikiによると、ポピュリズムとは、「一般大衆の利益や権利、願望を代弁して、大衆の支持のもとに既存のエリートである体制側や知識人などと対決しようとする政治思想または政治姿勢のことである。」と書いています。さらに、その後ろを読んでいると「民主制は人民主権を前提とするが、間接民主制を含めた既存の制度や支配層が、十分に機能していない場合や、直面する危機に対応できない場合、腐敗や不正などで信用できないと大衆が考えた場合には、ポピュリズムへの直接支持が拡大しうる。その際にはポピュリストが大衆に直接訴える民会・出版・マスコミなどのメディアの存在が重要となる。」と解説されています。ああ、まさに今の両国の状態なんだと痛感しました。良いのか悪いのか、両国ではポピュリストもちゃんと登場しています。
中国だったらWeibo、日本だったTwitterやFacebookなどSNSが台頭し、ポピュリズムに走る条件が揃っていて、一方は権力闘争の集団、もう一方は政治素人集団がそれらを利用し、あたかも正論の如く世論を動かす様子は、ポピュリズムそのものではないかと思います。
さておき、私はとてもゴタゴタを直接見に行く根性や時間もないので、私に寄せられてきた様々な情報や写真を分析すると、今回のゴタゴタは完全に民意を反映したものではなく、クニのなかの異なった階層の人たちが、自分の都合のいいように動いている結果なのではないかと思います。そのために、軋轢が生じ、ゴタゴタとなっている感触です。
その証拠に、大部分の地元の人たちの動きが、今ひとつ乗り気でないという点が挙げられます。そもそも、そうしたことがあったと知らない地元の人が大部分。もちろん、虹橋エリアにいれば、とうぜんその動きに敏感になるでしょうけど、その他の場所では、なんの動きもないといっても過言ではないのです。2005年のときも、実は妻は一切知りませんでした。今も、大部分の人たちは自分たちとは関係ないという姿勢を保っているでしょう。そういう層もいるんです。日本では考えられないかもしれませんが。
でも、そうしたことは日本ではニュースにならないでしょう。記事のネタになりませんからね。いまの状態は、ライターさんにとってはお金稼ぎする絶好のチャンスなのかもしれません。昔、私もライターをしていた時期がありましたから、その気持ちがよく分かります。リツイートされる記事が増えると、フオローする人は増えますしね。どうぞ、命だけは大切にしてください。
ポピュリズムが台頭してきたということは、個人が自分の判断で動く重要性が、ますます高まってきたということです。集団で動くことは、非常にキケンであることは、言うまでもありません。
ということで、出張で日本と中国の往復は相変わらずありますが、このクニが、この街が、今後どのように変わっていくのか、見届けようと思っています。
もともと、私はビジネスや金儲けをするためにこの街にきたわけではありません。ただ、中医学が好きで、それを勉強し、研究し、実践するためにきました。だから、たった一人しか日本人が、いや外国人がいない状態でも、大学生活を続けてきました。もちろん、嫌がらせもあったけど、そんなことはどうでもいいのです。
私は、中国で中医学が消滅しないかぎり、一生これに関わり続けることになるでしょう。その結果、17年もこの地に留まることができました。中国政府からも奨学金をいただきました。
興味深いことに、いまこの同時期に中国だけでなく、日本でもものすごい停滞感が漂っています。ただ、中国の場合、その層が厚いので、激しいことが起こることは十分考えられますし、今後も起こることでしょう。政治も両国共に落ち着いていません。
でも中国は日本と違ってものすごく広い。この感覚は、普通の日本人ならまず分からないと思います。Googleの中国地図を見てみて下さい。いったい、この街にはどれほどの都市があるのか、そしてどれほどの人民がいるのか、規模の違いに驚きます。そのなかの50〜60箇所の都市、10万人や20万人程度のゴタゴタ、そりゃそれぐらいは起こるでしょう。
リスクがなければ前進しません。私は、この変化をむしろ自分にとってプラスに捉えたいと思っています。ある意味、自分自身にチャンスと変化がくるのではないかと期待しています。(期待はずれになるかもしれませんが。。。。)

【連絡】・東京での温泉気候物理医学会招待講演のため、10月7日(日)は休診します。
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