2009年08月25日

杜仲の皮と葉

 同じ生薬なのに、日本と中国では使われる部位が全く違うもの。それが杜仲です。

 あの杜仲茶でおなじみの杜仲ですが、日本では木の葉っぱ、中国では木の皮を使います。貴州省のおみやげでも写真が載っていますが、まさしく木の皮です。

 木の皮の杜仲は、引きちぎると白い筋が伸びてくる非常に興味深い生薬です。肝・腎に作用し、腰痛や腰のだるさでもよく処方します。性質は温める系で、不妊治療や流産の予防などにも使うことがありまし、インポテツの治療にも使われます。

 ところが、中医学の薬局では、杜仲の葉っぱをなぜか生薬として使いません。でも、葉っぱにも立派な効能があります。杜仲の葉っぱは人の細胞を活性化し、老化防止作用もあると言われているほか、中性脂肪を減らす作用もあります。さらに、最近では宇宙飛行士の骨格や筋肉の退化を防ぐ働きも注目されています。まさに、中医学でいう強筋骨の効能ですね。

 その杜仲の葉っぱですが、日本はせっせと中国から輸入しています。健康食品などにも使われていますし、お茶としてもすっかりおなじみになまりました。でも、中国ではせっせと木の皮を使っている。興味深い話です。

 しかし、中国では葉っぱの効能について残念ながらあまり重視されてこなかったため、杜仲=木の皮というイメージができてしまっています。

 最近になって、中国も葉っぱの効能に注目するようになってきました。産業化に関して言えば、残念ながら日本などと比較しても遅れをとってしまったことになります。きっと、伝統的な発想が、障害となってしまったのかもしれません。

 なぜ、中国では葉を使わなかったのか?興味深いですね。

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posted by 藤田 康介 at 00:00| 未分類