酢のことを、中国語では「苦酒」ともいいます。
中国でも鎮江や山西の黒酢(陳酢)は有名で、中医学でもその健康作用は有名です。さらに、漢方薬(生薬)を炮製(加工)するときに、酢は欠かせず、たとえば延胡索(エンゴサク)という生薬を、お酢で炮製すると醋延胡索とよばれ、止痛作用が強まります。
そのほか、中医外科の分野でも、外用で黒酢を使いますし、お酢と中医学は切っても切れない縁があります。
お酢製造の専門家にいろいろ伺うと、中国の黒酢と日本の黒酢は製造工程において完全に同じではなく、それぞれの特徴があるようです。
特に、この違いを感じたのは、鹿児島の黒酢を持って帰って、我が家で酸辣湯を作ったときです。それまでに、ワンタンや小籠包を日本の黒酢で食べたら「おお、いつもと違うぞ!」と思ったのですが、酸辣湯を作ったらその違いは結構はっきりわかりました。
酸辣湯はもちろん、酢が調味料として欠かすことができません。味が締まりますし、うまみが違います。これを、いつもの上海で買っている黒酢から、鹿児島の黒酢に変えてみると、味が今まで以上にこくがでて、マイルドになりました。これはちょっとびっくりです。上海人の妻も驚いていました。
写真がその日に作った酸辣湯ですが、上にごま油がかかっています。これは、中国人の患者さんからプレゼントされた自家製搾りたてのごま油。これもまた美味しいんです。胡麻の風味が食欲をそそります。
いい食材を使うと、いつものメニューが引き立ちますね。
黒酢を使って、いろいろ研究してみたいと思います。
中国ブログランキングへ

「我が愛しの上海へ2」-理想の中医学と漢方を求めて
【未分類の最新記事】