そもそも、2006年頃に私がこのブログに書いたように、毎年夏になると疑惑の目で見られてしまうのがやはりスイカなのです。というわけで、今朝の上海のマスコミ各社は特集を出していました。
問題となっているのは、種が白いスイカや甘すぎるスイカ、そして季節外れのスイカ。ことの発端は、江蘇省でスイカが次々と割れてしまい、商品にならなかったという事件があり、それ以来市民が敏感になってきていているのです。
そこでよく取り上げられる2種類の薬品があります。一つは、坐果灵(2,4-Dichlorophenoxyacetic Acid、2,4-ジクロロフェノキシ酢酸)と 膨大剂(KT-30,CPPU)と呼ばれる薬品です。
前者に関しては、ハウスで栽培された通常より時期の早いスイカの花の受粉の成功率を高めるために使われるもので、欧米をはじめ、日本でも使われているようです。食用しても1ヶ月程度で分解してしまうとかで、比較的安全といわれています。中国政府でも使用を認めています。
後者に関しては、スイカを大きくするために使う薬品だそうで、今回江蘇省のスイカで問題になりましたが、中国ではきちんと手続きを踏んでおれば使っても構わない薬品ということです。しかし、通常の栽培ならあまり使われることがないといわれています。
今、種が白い西瓜が上海では不人気ですが、そもそも坐果灵を使って受精した西瓜の種が白くなる傾向にあるようです。収穫する季節が早すぎる場合は、雌花が咲いても雄花がまだ咲いておらず、根本的に受精が難しくなるため、坐果灵を使うことになるのだそうです。もちろん、人工授精の場合でも完全に受精ができなければ種に黒白が交じってもおかしくないといわれています。
甘すぎる西瓜に関して、薬品を注射して甘くしているのでは?という疑惑は、これは専門家からするとすこし考えにくいのだそうで、一般に外から実に注射をしてしまうと、そこから西瓜が腐ってくるからです。今年の場合、上海は130年ぶりぐらいの少雨で、昼と夜の温度差が大きく、西瓜にとっては格好の条件がそろっていて、西瓜の甘みが増して当然ということでした。せっかくの豊作なのに、疑心暗鬼で見られてしまうのはなんとも寂しいことでしょう。
割れてしまった西瓜の問題に関しては、薬品の問題以外にも、気温の温度差の問題も無視できないということです。湿度の極端な差も、西瓜が割れる原因の一つです。また、皮が薄い品種が好まれているのも割れやすい原因と関係があるということです。
いずれにしろ、中国江南エリアでの西瓜は夏至の頃、すなわち6月20日前後からが本場です。(私が西瓜で夏至にこだわっているのはそのためです。)あまりにも早すぎる西瓜は、いろいろ小細工をしないといけないわけで、自然ではないということだけは確かです。中医学の薬膳的な考え方からも、体を冷やす力の強い西瓜は、暑いときに食べないといけません。要は、しっかりと自然に受粉できた、種の黒い、真夏の西瓜を食べましょうということですね。
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