2011年04月28日

移民する理由

 本日28日は、診察時間の合間をぬって在上海日本国総領事館・広報文化センター(国際貿易中心)での防災・安全セミナーで2回目の講演に行きます。1回目と内容はほぼ同じですが、早くから定員オーバーになっており、ご迷惑をおかけしておりますが、また別の機会をみつけて登場しますのでよろしくお願いします。

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 ところで、中国人はご存じの通り世界中に移民して、活躍しています。先日、昆明で開催された世界中医薬学会聯合会の理事会でも、世界各地で中医学の分野で活躍している華人の皆さんにお会いしました。

 東南アジアだけでなく、アメリカ・イギリス・オランダ・フランス・カナダなど欧米諸国のほかにも、ブラジルやチリなど南米からも来ていました。中医学の裾野がいかに全世界に広がっているかを実感させられます。

 私自身にも、中国からそとに出て行かないか?という声も実はかかったこともあります。 中医学が比較的熱心なイギリスやカナダなら悪い選択肢ではないかも。。。。いや、今はまだ考えませんが。

 こうした華人の皆さんがなぜ海外移民を目指すのか?『中国青年報』に興味深い記事がありました。

 資産が1億元以上ある超富裕層の場合。

 移民の理由は、子供の教育が58%でトップにあがり、さらに43%が資産の安全性のため、さらに32%が老後のため、16%が海外投資のため、ということでした。

 すなわち、中国を脱出することで、子供にレベルの高い教育を受けさせ、安全な食品と汚染の少ない環境を手に入れ、そして財産をしっかりと保護する。
 そういったことを求めると言うことは、少なくとも今の中国ではそういたことがなかなか実現しにくいということを意味します。上海で実際に生活している人なら、想像はつきますよね。

 しかし、こうした動きに対して、移民が難しい中国の一般人からの視線はかなり冷たい。自分だけいい思いをするために移民している、と考え、稼ぐだけ稼いで愛国心のかけらもないということで、よく避難の矢面に立たされます。

 そうした意見がでてくるのも、今の中国国内の難しい問題を反映させているのだと思います。

 まあ、逆に、移民の目的地として人気の高い国々に住む人たちが、逆に中国に出てきたりするわけですから、多用な価値観があることをもっと知る必要があるのかもしれません。

 しかし、移民した人たちのパワーも、また中国の世界におけるパワーの一つになっていることを我々は忘れてはいけません。

 ただ、移民して成功している人たちをみると、技術を本国(中国)でしっかりと身につけ、その技術を使うことでさらに海外で発展しています。そうした技術なく出て行った人たち、もしくは技術を使えなかった人たちは、皆さん相当な苦労をなされているのもまた事実です。

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「我が愛しの上海へ2」-理想の中医学と漢方を求めて
posted by 藤田 康介 at 00:00| 未分類