製造業のメッカとして圧倒的な地位を誇る広東省でも同じで、広東省人大でも、さまざまな法律を制定して、内陸エリアの環境保護に力を入れ始めているようですが、現実はなかなか厳しいようです。
広東省の場合、省内に114カ所の汚水処理施設を持っていますが、このうち広東省北部など山間部に設置されているのは21カ所にすぎず、その処理はまだまだ追いついていません。とくに、貧困地区になればなるほど、地方政府の無秩序な開発区開発があり、実際に汚水処理施設が稼働しているのはもっと低いものと考えられています。
さらに、ゴミの無害化処理に関しても、広東省でさえまだ遅れているようで、年間100トン以上の危険物を排出する工場はいまでも6,000カ所以上あり、また生活ゴミに関しても、処理施設はたった29カ所で、1日あたり2.8万トンしか処理できていません。これは生活ゴミ全体の50%に過ぎないのです。
いや、この数字でもまだよしとしないといけないのではないでしょうか。
さらに、深刻なのが医療ゴミで、多くの地区ではまだ集中的に処理されておらず、生活ゴミと一緒に扱われています。
ここ上海でも、医療ゴミがまとめて処理されるようになったのは最近のことなのです。
『羊城晩報』が書いています。
市民から投書の中に、工場の出す煙による悪臭を訴えても取りあげてくれない、昼間は工場は閉まっているのに、夜になったら操業し出して、汚水や大気汚染を繰り返す、罰金を支払ったらそれでOKという企業家のモラルの低さ、金儲け一辺倒の経営方針、そうしたもののツケが、じわじわと庶民の身の回りに忍び寄っています。
こうしたことが記事になること自体、すでにかなり問題が大きくなっていることが推測されます。それは、ゆくゆく社会情勢の不安を招きかねません。
一部の地方政府では、コストの安さを武器に企業誘致に力を入れる一方、そうした誘致企業を保護するために「環境保護」の名目で法律までも制定して、あべこべに不法行為を扶助しているという現状があるというコメントが、広東省環保局から出されていました。
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