2008年01月30日

帰省したいという情熱

 今、外を見ると上海でまた雪が降り出しています。(30日14時半現在)

 私の周りの地方出身の医者たちも、この時期田舎に帰省するのですが、今年は例年以上に大変なようで、中には帰省することを諦めてしまった人もいました。

 私も、正月は日本に帰りましたが、我々が正月日本に帰る以上に、中国人の春節の帰省は大切なようにも思えます。まさにこの日のために1年間休む間もなく働いてきた民工たち。家族と会える1年に1回のチャンスという民工たちも少なくないのです。

 そんななか、中国の温家宝総理が、雪であえぐ長沙駅を訪れ、帰省ラッシュの足止めを食らっている市民にねぎらいの言葉をかけたことは上海のどの新聞もトップで扱っています。温家宝総理が帰省ラッシュの地方を訪問することは異例で、いかに今年の中国の帰省ラッシュが尋常ではないかが分かります。

 高速道路が通行止めになって、荷物を担ぎながら120qを2日間かけて歩き通した話や、渋滞で動けなくなった長距離バスの乗客を、沿線の住民が助けてあげたり、CCTVには毎日こころ暖まるエピソードが流されています。

 上海でも、上海駅周辺の閘北区の小学校を開放して、列車待ちしている帰省客に利用してもらったり、食事のサービスをしてあげたりしているようです。

 上海市では、さらに田舎へ帰ることができなかった人たちに、上海で新年を迎えてもらおうと、出稼ぎの宿舎でも年越しをできるようにするようです。建設会社も出稼ぎ労働者たちが新年を工事現場で迎えられるよう、政府も援助することを決めました。

 中国人にとって、新年とは家族みんなで集ってワイワイするとき。一人で新年を迎えることなど考えられず、大学などでも学校に残っている学生たちを対象にさまざまなイベントを行っていました。


 ちなみに、この雪で上海の物流も大きな打撃を受けていて、地方から上海に入ってくる野菜が30%減っているほか、電力の供給も寒さで逼迫しています。
posted by 藤田 康介 at 00:00| 未分類