いつものように、外来はすごい人です。人の波は受付から病院の外まで続いていて、びっくりします。はっきり言って、ここは古い病院なのですが、この春には閔行区に引っ越しします。外来機能は残るようですが、病棟は今の場所から無くなるようです。
今日の任務は、西洋医学で診察にくる患者さんに、必要なら生薬を処方してあげるのですが、なんせ私とチームを組んでくださっている先生は、重量級の教授で、本当にいろいろ勉強になります。
西洋医学出身の先生と、私の師匠のように中医学出身の先生とは、同じ診療科でもその発想がまるで180°違います。だからこそ、私は中医学の先生と西洋医学の先生はチーム医療するのがいいのでは、といつも思います。確かに、「中西医結合」は中国でも流行していて、1人で2役することはできますが、やはり診察する医師は1人だから、どうしてもどっちかに影響をうけてしまいます。
親やおじいちゃん、おばあちゃんにつれられてやってくる上海の子供たちをみていると、本当に大切に、大切に育てられていることが分かりますが、もう少したくましく接してあげてもいいのにと思うことが度々です。
聴診器をあてるにも、セータを1枚、2枚、3枚とタケノコの皮をむくように脱いでいかないといけないし、ジュースやコーラ、お菓子を持たせてやってくる親御さんもたくさんいます。
そういえば、去年のNHKの「クローズアップ現代」で、まっすぐに走られないなど日本の子供の運動能力の低下を指摘する内容をやっていました。それをみたときに、ふと上海の子供たちはどうなるのだろうと思ってしまいました。
日本の公園のように野球場やサッカー場があるわけでもないし、キャッチボールなど球技をしている子供たちはまず見かけません。
日本では子供たちの習い事に、スイミングなどスポーツ系が必ず入ってくるのですが、上海・北京では、まずピアノとか英語などを習わす親御さんが60%以上を占めているというデータを読んだことがあります。
上海の場合、幼稚園でもあまり激しい運動をさせるのことはなく、スポーツをする必要性を重視せず、逆にケガしたら大変とか、危険性の予防ばかりに気が取られ、十分な運動がされていないという話を幼稚園の先生から聞きました。どうしても、漢字を覚えたり、英語を勉強したりと机の前の作業が中心になるようです。まさに、小学校の予備校。そういった実態を反省して、日本のような幼稚園教育を取り入れようという動きもあるようです。
今日も着ぶくれしてだるまのようになった子供たちを診ていると、「もっと運動したいのだろうなあ」、と思いつつ、日中の文化の違いを改めて感じました。
上海での子育て、子供たちの生活は恵まれていても、肉体的・精神的には大変なようです。
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