『中国城市発展報告』を見てみると、中国全土に広がっている街の数はなんと656カ所。すごい数です。
そして、2007年末までにこうした街に住んでいる人の数は5.94億人になりました。報告書では都市化のレベルは、中国全体で45%に達したとしています。
農村がどんどん開発され、農地が減らされる一方で、中国国内にはどんどん街が増えているのです。
中国の農民たちも、車が欲しいし、家電も家も欲しいのです。四川省の地震で、ブラウン管テレビを担いで避難している農民の姿が映っていましたが、彼らにとっては家宝同然の物なのです。
しかし、これに伴う弊害が出始めています。報告書には、盲目的な開発、無計画な都市計画、史跡の破壊、そして自然保護地区の乱開発、模倣性の強い観光地の開発など、経済至上主義に走っている地方都市の様子が描写されていました。
国土が広すぎて、とても政府中央も端々まで目を光らすことができないのでしょう。
さらに、深刻な水不足が昨今大きな問題となっています。全国656カ所の街のうち、400カ所で水不足が発生し、さらに100カ所では深刻な水不足に陥っています。
これは、中国全土のうち、人間が住むのにふさわしい環境のエリアが19%しかないというのとも関係があるでしょう。国土が広いといっても、これだけの人口が安心して暮らせるエリアは非常に限られているのです。
内モンゴルエリアにある中国5大淡水湖の一つ、達賚湖も流れ込む3本の川のうち2本がかれてしまい、湖の面積が年々縮小、内蒙古エリアの草原を潤す役割に、黄色信号が灯っています。干ばつが人々の生活に影響を与えるだけでなく、自然環境自体も大きく変化させてきました。
今年は黄河でも大洪水が予想されていますが、こうした自然環境破壊と密接な関わりがあるのはいうまでもありません。
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