2009年03月03日

岩井温泉に投宿

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 さて、天橋立で食事を済ませた後、一路城崎温泉へ。

 山陰エリアに行くときは、城崎温泉へは必ず立ち寄っています。

 志賀直哉でおなじみの城崎温泉ですが、久しぶりに訪れてみると、平日だというのに若者がいっぱいいました。日帰り入浴の人たちもおれば、宿泊をしているグループも。

 日本の温泉地の衰退が言われる中、こうした賑わいは温泉研究家の私としては非常に嬉しかったです。

 城崎温泉では数ある公衆浴場のなかで、「御所の湯」に入りました。(入浴料800円)なかなかいろいろな工夫があって感心しました。温泉の熱を利用したミスト風呂や、温泉が石の椅子に流れ、坐りながら足湯を楽しめるところもあり、ゆっくりリラックスするのにはいいと思います。

 城崎温泉は全体が以前より若者向けに変わっており、活気も出てきています。おしゃれな店も非常に増えてきています。
 

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御所の湯の建物は立派


 城崎温泉を後にして、今度は山陰本線の餘部鉄橋へ車を走らせます。

 2年ほど前もこの前で写真を撮っていしましたが、今日改めて見てみると、新しい橋の建設が平行して着々とはじまっていました。こうなってくると、古い橋の運命ももう幾ばくもありません。

 餘部鉄橋を後にして、日本海の海岸線を縫うようにグネグネ道を進めます。天気はあいにくでしたが、ブルーの海が美しかった。すこし寂しい感じのする小さな漁村が、谷間にあるのですが、一昔前にタイムスリップしたようで逆にすごく新鮮でした。なんか心が落ち着きますね。

 

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餘部鉄橋


 今日の夜は、鳥取県に入って岩井温泉で投宿。

 岩井温泉は、山陰エリアで最も古いとも言われている温泉で、平安時代の書物にも「芒硝石膏苦味泉」という記載あり。まさに中医学(漢方)的な効能がしっかりと現代まで残されていると言うところからも、いかに古くから愛されてきたかわかります。

 ちなみに、芒硝も石膏も中医学の世界ではよく使われる生薬です。苦味というのは、いわゆる苦さを表現しているというより、中医学的な生薬の性質を示すものです。ここからみると、飲用すると、実証の便秘などにはおそらく効果があると思われますし、薬要すると創傷やリウマチ、婦人科疾患にも効果があることでしょう。
 皮膚病にもいいというのは、この温泉の由来を読んでも分かります。

 私のやっている中医学や漢方医学と温泉は非常に深い関係があります。それが中医学を研究しているときに私が温泉に興味をもったきっかけでもあるのですが、生薬などその他の中医理論と温泉を組み合わせてると、もっと効果的な治療が実現できるのではないかと私は考えています。

おしぼりの添えられたスイセン  岩井屋さんで


 ところで、岩井温泉に来るのは2年前の温泉学会以来。
 今回も岩井屋さんに泊りました。ここの女将とも、当時の温泉学会でお会いしていたのですが、非常にきめ細かなサービスと工夫で宿泊客に定評があります。

 今日は温泉に浸かってゆっくりと休養し、明日に備えたいと思います。

 でも、日本人の温泉文化は不思議ですね。どこか他にレジャー施設があるわけではないのに、宿に泊り、温泉に入り、美味しい物を食べるだけで、旅の目的が十分に果たされるわけですから。

 中国ではそういうことはあまりありません。中国の温泉地のホテルといっても、上海のそれとほとんど変わらないし、風情や文化の味がほとんど感じられないのです。観光地を訪れたおまけとして温泉が考えられている程度なのが現実ではないでしょうか?

 さすが、温泉大国の日本です。



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posted by 藤田 康介 at 00:00| 日本の温泉