2009年04月08日

医学がいくら発展しても

 4月4日の祖母の死をきっかけに、生と死について、いろいろ考えるチャンスをもらえました。祖母は高血圧症で、最後は心不全で亡くなったようです。朝、朝食時の突然死でした。自宅で亡くなったので、警察がやってきて検死したようです。

 結局、だれも予想できません。86歳の大往生だったとはいえ、これだけ医学が発達しても、血圧のコントロールすらまだまだ難しいのが現状です。
 いや、私の周りを見る限り、むしろイライラやストレスで血圧の問題を抱えている人は増えていると思います。
 いくらいい薬を飲んでも、生活を自分でコントロールできなければ、正直、大切な医療費をドブに捨てるようなも。ましてや国の保健医療費の無駄ですよね。

 ヨーロッパでの研究です。EU8カ国の8500人を対象にした平均年齢60歳の循環器系の疾患のある人に対する調査です。

 2006年〜2007年の間に、薬を使ってコレステロールを下げようと処方されている患者の数は、1995年〜1996年の6倍になっているのに、実際は43%の患者は薬を飲んでもコレステロールが一向に下がらない。さらに、12年前と比較しても、患者はどんどんお腹が出てきて肥満傾向となり、糖尿病の問題が突出してくる。

 いくら医療が発達しても、結局日常の根本的な問題は解決されないどころか、むしろひどくなってきているのです。もちろん、難病が解決するなど恩恵は沢山あるのですが。。。
 食べものが豊かになり、いくらグルメになっても、人間の体が健康になるかといったら決してそうではない。皮肉な話です。

 とすると、我々がやっている伝統医学でできることはなにか?やはり西洋医学とは違う考え方でアプローチすることが求められていることがわかります。

 こちら中国でも医療費の高騰に頭を痛めていますが、それには予防医学を発展させなくてはいけません。そのために求められているのが中国伝統医学で、国が予算を投じ始めています。この点は私も注目しています。

 実際、高脂血症や高血圧、糖尿病は、まだ早い段階で気がつけば、西洋医学の薬を導入するまでにどうにかなります。私も多くの患者さんを観察してきました。でもそれにはやはり一人一人の努力が欠かせないのは言うまでもありません。
 

 中医学でなにかお手伝いできるのでは?と思う今日この頃です。

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posted by 藤田 康介 at 00:00| 未分類