ずばり、「トウモロコシのヒゲ」です。中医学・漢方では「玉米須」といいます。
この生薬は、以前は私も殆ど使いませんでしたが、私の師匠の陳以平教授がよく使われ、私も勉強しました。
主に利尿作用とか熱を排出し、肝をしずめる平肝などの作用もあります。浮腫にも使えますので、ネフローゼにも処方することがあります。腎臓内科ではよく使われます。
利尿作用+平肝とくれば、高血圧にも使われます。トウモロコシのヒゲの場合、性質が比較的穏やかなので、一般的に体の冷やす作用の多い血圧を下げる作用のある生薬のなかではすこし特異とも言えます。
トウモロコシのヒゲは、もちろんお茶としても使えます。血糖値を下げるともいわれていますので、そういった意味でも重宝します。
そのほかに、止血作用があるところから、尿路結石や血尿の治療にも使えます。
では尿酸値も下げられないか?実はラットを使って以前研究したこともありますが、見た目は数値は下がりましたが、残念ながら統計学的には有意義ではありませんでした。今後の研究が待たれますが、なんらかの作用はあるように思えました。
しかし、欠点もあります。なんせ、軽い生薬ですので、量をコントロールできないと、煮つめるときにとんでもないことになります。それこそ、煎じ鍋に入りません。よって、お茶にして併用するのも悪くない選択肢だと思います。
生薬はとにかく使える部位があれば、何とかして使わなければなりません。一瞬無用に見えるトウモロコシも、こうやって我々の貢献してくれるのでした。
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