さて、今晩もなにか生薬をご紹介しようと思い、標本箱をみてみました。
先日は桑をご紹介したので、桑と言えばカイコ。ということで、生薬で使うカイコをご紹介します。
このカイコ、中医学・漢方では白僵蚕と呼びます。これもタダのカイコではありません。白きょう蚕菌に感染して死んでしまったカイコが生薬に使われます。
生薬としてのカイコの作用は、なんと言っても「風」を取ることにつきると思います。
外からの風となる風邪の治療にも使え、風邪が原因の喉の痛みや頑固な頭痛に私も時々処方します。体の中から発生する風では、中風もその一つですが、中風による後遺症の治療にも使います。顔面の筋肉がピクピクしたりするのも、体内の風が原因だと中医学では解説しますが、そんなときにこのカイコを使うのです。
あまり知られていないかもしれませんが、アトピー性皮膚炎などの皮膚のかゆみも、この風と関係があるのですが、あまり強くはありませんがそうしたかゆみの原因となる風に対しても効果を発揮します。
私はまだ経験はありませんが、医学書をみてみると、高熱による痙攣、いわゆる熱性けいれんの治療にも使われたことがあるようです。
私の標本にはありませんが、カイコの糞も大切な生薬であったりします。
中医学は昔の人の生活の知恵でもあるわけですから、身近なものほど生薬になりやすそうですね。
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