その背景にあるのは、航空機の大幅増加。国土が広い中国では、飛行機による移動が欠かせませんが、2002年には貨物機も含めると571機しかなかった中国の航空機が、2011年には1745機に急増。それが、2015年には2750機まで増える計画で、操縦士の補充が急務になっているのです。(中国民用航空局のHPより)
そこで、中国の民航各社では、海外からの人材募集に力をいれています。『羊城晩報』の報道では、中国で外国人操縦士の数が一番多いのが深セン航空で、中国ではもっともはやく2002年から外国人操縦士を導入し、今では114名もいるそうです。その後、中国国際航空や海南航空なども導入し初め、今では1800人の外国人操縦士が在籍しているとのことです。
『2010年中国民航運輸飛行員発展状況調査』によると、外国人パイロットの国籍は、アメリカが21%で最も多く、続いてブラジルが15%、韓国が7%、カナダが7%、オーストラリアが6%と続きます。今のところ、日本人パイロットはそう多くはないようですが、こちらの報道では2012年3月より日本航空のB777パイロット45人が、中国南方航空に貸し出され、すでに3月19日より11人が職務についているのだそうです。(『羊城晩報』)
なぜ中国の航空会社に外国人パイロットが増えたのか?
その背景にあるのは、世界の航空会社が経営難でパイロットがだぶついているのと、中国の航空会社の好待遇と関係があるらしい。中国の民航各社は、外国人パイロットに年収20万米ドルを出し、さらに中国では副操縦士から機長に昇進できるチャンスが多かったり、より大きな航空機の操縦ができる資格を取得するためのトレーニングを行ったり、あの手この手で人材獲得に動いているのだそうです。とくに、大型機のパイロットの不足が深刻化しているのです。
この年収20万ドルという給与は、中国人のパイロットの倍以上の水準というのも興味深い。人件費削減とはまた違ったレベルでの人材登用であることが分かります。やはり、パイロット一人を養成するためにトレーニングはかなりコストと時間がかかるため、急場をしのぐためにも海外から人材を導入した方が都合がいいということもあるのでしょう。
しかし、利用者サイドからすると、やはり安全面には気を遣ってほしいと思います。
中国の事情に精通しているだけでなく、なにかがあったときにも迅速に処理できる能力が特に求められる職種だけに、こうした多国籍パイロットをどうトレーニングするかは、難しい問題であるように思います。そういえば、2011年8月に上海虹橋空港でおきた吉祥航空HO1112便のトラブルも、韓国人パイロットでした。
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