
それによると、北京・天津エリアでは、1月に5回PM2.5を主要物質とするかなりひどいスモッグとなりましたが、この中の汚染物質の様子は、1952年のロンドンのスモッグと、1940〜50年にロサンゼルスで発生した光化学スモッグが混ざったような状態で、これに中国ならではの黄砂などのダストの影響も加わっているということです。

(東方早報 2013年2月18日)
さらに、今回の分析ではロサンゼルスの光化学スモッグでも検出された、有害な窒素酸化物や揮発性有機化合物が検出されており、その問題の重篤性が懸念されています。これから夏にかけて、太陽の照射が強くなると、光化学スモッグの発生が避けられません。
では、北京市の場合、そうした大量の有害有機物はどこからやってきたのか?調査では、酸化型有機物質は北京周辺から、油煙型有機物質は料理から、窒素化合型有機物質は化学物質から、炭化水素型有機物質はクルマの排気ガス・石炭などからと分類されますが、調査では最も割合が多かったのが酸化型有機物質で、全体の44%を占めていました。一方で、北京地区だけの場合、クルマの排気ガスによるPM2.5の割合は、全体の25%程度を占めていると言うことです。いったい、周辺部からの酸化型有機化合物というのは、何を発生源としているのか興味があります。
こうしたスモッグの人体に与える影響について、報道として発表された中国疾病予防コントロールセンターの1年間の研究では、上気道感染・喘息・結膜炎・気管支炎・目や喉の刺激・皮疹・呼吸困難・鼻水鼻づまりなどで、今のところは急性疾患が中心となっています。また、スモッグにより紫外線が不足し、ビタミンDの合成に影響を与え、くる病が発生したり、空気中のウイルスなどが活発になる可能性も指摘されています。
室内でのPM2.5に関しては、タバコ・料理・ストーブなどによる燃焼を除くと、室外から流れ込むのが大部分。よって、スモッグが酷いときは、空気清浄器を使い、窓を閉めておくようにと呼びかけています。

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