上海の南京西路や外灘のブランド街にも秋風が吹き始めており、いままでの消費が、公費の無駄遣いによるバブル消費であったことが露呈しはじめていますね。税務当局の領収書への検査も厳しくなっており、例えば某ブランド店でも、高級カバンに文房具の名目で領収書を切っていたのを、きっちりと商品の品目で書くように指導が入っています。
こういった影響は、すでに数字でも出ていて、世界高級品 協会(WLA)のデータでも、2013年1月20日〜2月20日の春節期の高級品の売り上げが、前年の春節期を比較して53%の減少、2013年第一四半期のスイス時計の中国への輸出額は前年比26%減少など、急落しています。また、出店攻勢を進めていたLVも、ここに来て地方都市への出店を停止して、現状維持とするなど、流れが変わってきているのが分かります。売り上げの3割程度の下落なんて、ここ数年の中国では考えにくいことでした。
新華社の報道の言葉を借りると、「2011年の国民一人あたりのGDPが86位なのに、贅沢品市場ではアメリカについで世界第2位の市場規模」と言うこと自体が、尋常ではなかったということが明らかですよね。
だいたい、上海の市場では、1元や1角ですら値引きしようと大奮闘する人が多いのに、ブランド品を買うとなれば、価格すら聞かないというのはどうみてもおかしい。基本的に、自分のお金を消費しない、懐が痛まない、贈答に使う、という観点からの行動だったわけなのです。
逆に、実用を重視する消費が伸びてきているとか。これも、ある2流海外ブランドの営業を担当している友人から聞いた話ですが、なぜか売り上げが急に伸びてきているのだそうです。
こうした消費の変化は、中国の庶民にとってはいいニュースではないかと思います。

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